九月二十二日、父の十七回忌、母の七回忌で奈良吉野の実家に戻り
ました。秋の爽やかな一日でした。日が暮れると、山の端に大きな
美しい十三夜の月が。
明日はお彼岸。彼岸花がその名の通り満開です。
この頃は赤だけでなく白や黄色の彼岸花も見かけます。でもそれら
は彼岸花というより、リコリスという洋名の方が似合うかも。少し
黄色みがかってきた田んぼの畔に真っ赤な彼岸花が転々と咲いてい
る、これぞ日本の田舎の秋の風景ですね。
お墓参りを終えて、お寺へ上がりました。村のお寺は曹洞宗の徳蔵寺。
ここも今どきの田舎のお寺によくある後継者問題で大変なようですが
お寺の内外、いつもすっきりきれいにしていらっしゃいます。
夕暮れの境内に、彼岸花が美しく咲いていました。お寺の奥様
が丹精込めて作っていらっしゃるお庭です。暮れなずむ境内に
橙色の灯がともり、なかなかに幻想的な光景でした。
十三夜遥かなること多くなり 佐伯のぶこ