「床の山」は歌枕?
令和2年3月26日(木)
春爛漫もいち早く!
桜は25日修了式の日に満開!
ぼけの花も満開!
花桃も咲き始める。
石垣のユキヤナギに
道ばたのムスカリも!
さあ、芭蕉!
芭蕉の句碑は、説明板が腐食して
横臥していたのを起こし、撮影する。
「昼顔に
昼寝せうもの
床の山」
という句が彫られている。
貞亨5年夏、彦根から岐阜への
途次、床の山から彦根の門人
李由宛に送った書簡。
寄らずに立ち去る挨拶吟。
『韻塞』に「東武吟行のころ、
美濃路より李由が許へ文のおとづれに」、
また『泊船集』には、
「大堀より李由が方へ文通にて、
すぐに美濃路に趣き給ふの句なり。」
とそれぞれ前詞がある。
『笈の小文』の旅の帰路、
この日、芭蕉は6月4日に大津を発ち、
近江愛(え)知(ち)川(がわ)、美濃赤坂を
経由して岐阜に入る。
あなたのいる床の山にお寄りして、
いっしょに一休み昼寝でもして
旧交を温めたいのですが、
故有ってお会いできません。
立ち寄らずに立ち去る言い訳の
挨拶句。
床の山は滋賀県彦根近くの鍋尻山
(鳥籠山<とこさん>)で歌枕。
昼顔と昼寝の韻を踏んだ上で床をかけ、
それが彦根を指すという技巧が入っ
ている。
技巧を入れることでパロディ化
した句。