★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『キラー・ヴァージンロード』

2009年09月18日 | 映画鑑賞記
昨日の日記にも書きましたが。
昨日、映画『キラー・ヴァージンロード』を見てきましたので、感想を。

もう、期待通りの面白さで、終始大爆笑していましたです。

物語は・・・というと。

25歳のOL、沼尻ひろ子。
トロくて鈍くさい彼女の幼い頃からの渾名は「どん尻ビリ子」。
幼少期から何をやってもダメダメな彼女を、「それで良いんだよ」と優しく包み込んでくれていたただ一人の家族であるお祖父ちゃんが亡くなる前に、どうしても花嫁姿を見せたいと思う「結婚したい女」です。
そんな彼女も、やっと、幸せをゲット。上司や同僚の嫉妬を全身に浴びながら、
「沼尻ひろ子、寿退社しま~~~す(*^^*) 私、幸せになりま~す」
と会社を辞めていくのでした・・・。
そして、すごい豪邸を持っているという彼の元へ嫁ぐ前日・・・。

悲劇は起きました。

ひろ子が一人暮らしをしているアパートを訪ねてきた、隣人の大家さん。
彼女の部屋で何やらかがみ込んでゴソゴソしている大家さんの背中に向かって、箪笥の上から落下するハサミ・・・・・・・。それに気付いたひろ子は、ハサミを受け止めようと手を伸ばすのですが、逆に、ハサミの刃の向きが変わってしまい・・・。
大家さんの背中に・・・・・・・・・・・・・ブスリ・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。
決して殺意も悪気もなかったのですが、結婚式前日に、ひろ子は、殺人者となってしまいました。
しかも、その大家さんが、実は、ひろ子のストーカーだったことまで分かり、ビックリ!

でも!
ここで自首する訳にはいきません。
なぜなら、彼女は、どうしても、瀕死のお祖父ちゃんに自分の花嫁姿を見せたいから。
「結婚式が終わったら、自首しますから・・・・」
と、大家の死体に謝りながら、死体をスーツケースに収め。
死体を隠しに、樹海へと出掛けるのでした。

そして、ひろ子は、樹海で、自殺を繰り返すのにどうしても死ねない女・小林さんと出会います。

ひろ子の事情を知った小林は、
「死体を隠すのを手伝ってあげる。その代わり、上手く行ったら、私を殺してちょうだい」
と言うのでした。

こうして、さまざまな人を巻き込んで大騒動を起こしながら、結婚したい女と死にたい女、2人組の死体を連れた逃避行が始まるのでした。


ほっっんと、面白かった~~~♪♪
でも、これ、賛否は両論に別れるんじゃないかなぁと思います。

そもそも有り得ない設定に、冒頭から物凄いハイテンションだし、途中途中でミュージカルなノリになってしまうし、ハチャメチャスラップスティックな展開ですし。
この、異様なテンションの「ノリ」に付いていける人なら、絶対に楽しめる抱腹絶倒な映画ではないかなぁ~と。

因みに、私は、こういう無闇にハイテンションな映画は大好きなので、終始楽しめましたです。

まあ、ありえない話っちゃ~、話なのですがA^^;;

だって、冒頭のひろ子の殺人も・・・。
ぶっちゃけ、そのシチュエーションでは殺人じゃないっしょ? 多分、過失致死にすらならないと思う、事故だよ。つーか、寧ろ、助かる可能性にかけて、救急車を呼ぶなりせず、スーツケースに詰めて運び回している方が、保護責任者遺棄致死とかになるのでは?と。

まあ、そういうツッコミは置いておいて(^^)b

上野樹里ちゃん演じる、ヒロインのドタバタぶりが、本当に面白いです。
鈍くさいのか天然なのか、ちょっとズレた言動ぶりが可愛くて憎めない。
でも、あまりにもなダメっぷりと、幼少期の思い出が、哀れというか切ないというか。
恋愛より、自分の幸せより、なにより、「お祖父ちゃんが死ぬ前に、どうしても花嫁姿を見せたい」という想いだけで、結婚に固執するところも、笑えるんだけど、ちょっと切なかった。
そして、なぜ、彼女が、そこまで結婚に必死になるのか、その幼少期の思い出とかもね。笑える分、哀しくも感じたなぁ~。

そして、死にたいのに、なぜか、自殺にことごとく失敗して死ねない女、小林さん。
木村佳乃さんが、超熱演です。
すごい存在感とインパクトがありました。

この二人が、アイドルオタクなフリーターさんや、自転車でパトロール中の警察官、指名手配中の外国人マフィア2人組、妻子に逃げられたペンションオーナー、暴走族たちを巻き込み、それが色々、物語の展開に影響を与えていくところは、私の大好きなゲーム『街』を思い出させました。

こういう展開、すごく好きです。

そして、大爆笑しつつも、感動もありますよ(^^)b

ひろ子は、小さい頃から、何をやってもビリッケツなのですが、彼女のたった一人の家族であるお祖父ちゃんは、「それで良いんだ。ひろ子が居るから、皆、幸せになれるんだ」って教えるのですよね。
まあ、確かに。
誰だって、ビリになるのはイヤです。
そんな嫌な役を、必ず、ひろ子が請け負うから、他の人は、嫌な想いをしなくて済む・・・。
「自分の不幸=他人の幸せ」と思っていたひろ子が、小林の言葉(アンタみたいなノロマでも幸せになれるんだったら、私だって希望が持ててくるわ・・・とA^^;;)で、「自分も幸せになっていいのかな? 自分の幸せが他人の幸せに繋がる」と思うところ、好きです。
また、その一方で、数々の男に尽くしても尽くしても、結局は捨てられて、「私は必要とされていない。誰からも必要とされていない人間は死んでいるのと同じだ、だから死にたい」という小林が、初めて、ひろ子から必要とされて、頑張る姿も好きです。
そして、ひろ子には、「ビリだって良いんだよ」と優しく言いながらも、ビリで泣くひろ子の姿を見ては、影でコッソリ泣いていたお祖父ちゃんの姿も、印象的でした。

とにかく、不運で鈍くさいひろ子ですが、やっぱり、彼女は、お祖父ちゃんの言っていたように、人を幸せにする「天使」だったのですよね。

小林と二人の逃避行中に関わった人達は、皆、その後、大きく運命が変わっていっていましたから。
そういう物語って、好きですね。

結婚式場に到着したひろ子が、小林さんのほっぺにチュっ♪ってするシーン、凄く好きでした。物凄く可愛い(*><*)

色んな人達の運命を変えて、幸せに導いていったひろ子ですが・・・。
もしかしたら、一番のお手柄というのは・・・ラストのあのシーンなのではないでしょうかね??

つーか、ちょっとネタバレになってしまいますが。


映画冒頭の、かな~り変態チックなシーン。
あれ、私、最初は、彼女のストーカーをしていた大家さんのことかな・・・と思っていたのですよね。
でも、その一方で、ほとんど物語には出てこない、ひろ子の婚約者。
この人も、物凄く怪しいというか胡散臭いと思っていました。
っていうか、地下室にはホームシアター、最上階には星を眺められるサンルーフという豪邸持ち・・・と、これまでのひろ子の人生から思うと、有り得ないくらいの玉の輿サクセスシンデレラな展開・・・。
絶対に、何か、裏があるハズ・・・と思っていたら。
やっぱり、婚約者は、そうでしたか・・・。
っていうか、ちゃんと描かれていなかったので、私の想像なのですが、あの婚約者って、もしかして変態殺人者?と思うのですが。凄い量の真空パック済みパンティコレクションしてましたが・・・。あれって、もしかして、花嫁の新婚初夜とかのおパンツなのでは? で、花嫁を殺しては色々な人と結婚を繰り返し、コレクションを増やしているのかな・・・と(←ネタバレOKな人だけ反転プリーズ)。私の推理ですが。
だからこそ、ラスト、ああいうオチになって。
で。
これ以上、被害者が出ずに済んでラッキー♪みたいな?
・・・違うのかな??
深読みしすぎ????
でもでも、怪しすぎます、あの婚約者というか新郎。

そして、ラスシーン、またもや、スーツケースを転がしながら、晴れ晴れとした表情でスキップするひろ子は、本当に良い顔をしてて。
どん尻ビリ子を卒業したんだなぁ~と。
いろいろ含むところはありますが、彼女が、明るく幸せになって良かった良かった、と(ホンマかいな・笑)♪

そうそう。
気になる、大家さんの死体の行き先も必見です・笑

ちょっぴり、シニカルなオチも良いです~。