★ベルの徒然なるままに★

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映画『ムーンライズ・キングダム』

2013年03月27日 | 映画鑑賞記
色々と描きたい映画の感想が溜まっているので、少しずつアップしていきたいです!

という訳で。

2月に見た作品ですが。

映画『ムーンライズ・キングダム』。


なんだか、ツボってしまった、愛らしい作品でした。



■『ムーンライズ・キングダム』予告編




1965年、ニューイングランド沖にある小さな島。


12歳のサムと、同じく12歳のスージーは、駆け落ちしました。

1年前に出会った二人は、ずっと手紙のやり取りを続け、駆け落ちの計画を練っていたのです。

こうして、二人の駆け落ちはいよいよ実行に移されます。

豊かな自然の島の中、二人は手に手を取って、「ムーンライズ・キングタム」という入り江を目指すのでした。

一方、二人が居なくなったことに気付いた大人たちは、大慌て。

スージーの両親、ボーイスカウトの隊長、そして、サムの養父である警官。

彼らは、小さな恋人たちを必死で探すのですが・・・・・・。






配役が実に、豪華な作品ですよね!

でもでも、層々たる俳優陣で贈る、超大作・・・・・という雰囲気の作品ではなくて。
なんとなくこじんまりとした映画です。

物語の主人公は、12歳の幼いカップル。

そして、ストーリーはというと、その12歳のカップルの家出・・・という、決して、大事件ではない、日常のちょっとした出来事、という感じのお話なんです。


舞台となるのは、1965年のニューイングランド沖の、とある小さな島。

その島の風景も、人々も、今の時代から見ると、本当にレトロで、どこか懐かしいような牧歌的さを感じます。

なんというか、映画で描かれている島自体が、箱庭チックな感じで。

そこにある家も、ドールハウスっぽい雰囲気があって。

映画というより、絵本の世界を覗くような・・・・・・そんな作品でした。


わたし的には、この雰囲気が、大好きで。

冒頭で出てくるドールハウスみたいなヒロインのお家、また、ボーイスカウトのキャンプ場、自然豊かな島、レトロな家や車や物。

全部、全部、ツボってしまいましたです。




とはいえ。

物語自体は、何か特別に大きな事件がある訳ではありません。


孤独な少年と少女が、文通によって心を通わせ、そして、二人で駆け落ちする・・・。

子供たちの不在に気が付いた大人たちは、慌てて二人を捜索し、一旦は連れ戻すものの、またしても、二人は駆け落ち。

小さな恋人たちに、大いに振り回されててんてこ舞いする大人たち。

・・・と言ったお話でしょうか。



でもでも。

この二人の家出が、大人たちに及ぼす影響が色々と興味深いんです。


なんといっても、1965年という、昔の時代。

しかも、小さな島・・・そう、田舎でのことです。


島の社会・・・というか、大人たちの世界自体が、凄く狭くて閉鎖的な感じがするのですよね。

なので、子供が居なくなったというだけでも、本当に、島全体を巻き込んでの大事件!

普段は、無関心な癖に、居なくなって初めて、大騒ぎして子供を捜す親たち。

また、そんな狭い社会だけに・・・なんというか、大人たちの人間関係も、ちょっと歪んでる(?)というか。意外と、身近で不倫があったり~とか。大人は大人で、色々大変そう(^^;


っていうか、大人たちが、子供に対して無関心な癖に、口だけは色々とうるさかったり、はたまた、不倫してたり、子供とちゃんと向き合ってなかったりするだけに、12歳のカップルの小さな恋の健気さや必死さが余計に際立って、可愛い。

そして、そんな二人の逃亡を手助けしちゃうボーイスカウトの面々もまた、良いですよね~。

このボーイスカウトのシーンは、コミカルで面白い。



それにしても、この小さな恋人たち、可愛かったですね。

女の子の方は、12歳の設定・・・にはあまり見えない、えらく大人びた感じがしますが。外国の女の子の12歳って、こんな感じなのかしら。

一方、男の子の方は、同じ12歳でも、おぼこい感じで。

大人びた女の子と、おぼこな男の子のアンバランスさが、ちょっと不思議な雰囲気で良かったです。


マセた女の子と、その子に引きずられる感じで、大胆になっちゃう男の子・・・って感じで。ある意味、リアルかもね(^m^)



そして、子供たちの事件を通して、改めて自分たちを見つめ直し、成長する大人たち・・・というのも良かったと思います。



あっ。

そうそう。


この映画の冒頭と、エンディング、とてもオシャレでしたね。

音楽が超良かった。

ああいうの好き(*^^*)

で。

ちょっと気になったのが、ね。


ヒロインが、オーケストラの楽器の名前を、ひとつひとつ言っていくでしょ。

そこで、字幕では「ファゴット」って出てくるのですが、実際には、「バソン」って言ってましたよね。

ちょっと、「のだめ」を思い出しちゃいました。

やっぱり、「バソン」より「ファゴット」の方が、イメージしやすいというか、一般的にピンと来るから、そういう風に訳されたのかな、かな???




可愛い小さな恋人たちが巻き起こす騒動と、絵本の世界のような小さな田舎の島。

でもでも、大人たちは、不倫してたりと何やら、複雑そうで。

メルヘンな世界のようで、ちょっと生々しくて。

でも、やっぱり、どこか御伽話のような。


そんな作品だったと思います(*^^*)♪