★ベルの徒然なるままに★

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映画『台風のノルダ』

2015年06月15日 | 映画鑑賞記
先週見てきました、映画『台風のノルダ』の感想を♪

この上映、『台風のノルダ』と、同時上映の『陽なたのアオシグレ』と合わせても45分という短い上映。

『陽なたのアオシグレ』が大体20分くらいで、『台風のノルダ』が25分くらいかな?

とても短いです。

でも、印象的な面白い作品でした。


■映画『台風のノルダ』予告編





舞台は、離島にある中学校。

主人公の東は、野球部を辞める決意をし、そのことが原因で、野球仲間であり、親友の西条と喧嘩ばかりしています。

そんなある日・・・。
文化祭前日に、観測史上最も大きな台風が接近し、生徒達は帰宅することが出来なくなり、学校で待機・・・という体制に入ります。
停電になり、真っ暗な学校。
荒れ狂う台風。

相変わらず、仲違い状態で、ひとり不貞腐れていた東でしたが、台風で大荒れの屋外に、不思議な赤い目をした少女が居ることに気が付きます。

そして、彼女を助けようとする東は、その不思議な少女から、異様なまでに巨大な台風の秘密を聞き、自分達にも危険が迫っていることを知るのでした。

SFチックに描かれる、この地球の危機に立ち向かう東と西条が、友情を復活させるまでの物語。




私は凄く好きな雰囲気・・・というか、作品中を流れる空気が好きでした。

でも、残念ながら、ネットを見てみると、映画の評価は低いみたいですねA^^;;

まあ、確かに、それは分かる気がするのですよ。

時間も25分程度の短い作品ゆえに、登場人物や物語の設定・背景についての詳細は殆ど言及されていません。

例えば。

野球を辞めると言って、ひとりで不貞腐れている東。
そして、それに対して、怒りを隠せない西条ですが。

なぜ、東は野球を辞める決意をしたのか。

見て居る感じでは、本心から野球が嫌いになった様子では無くて、本当は続けたいんだろうなぁという雰囲気。

ということは、故障とか、お家の事情、とか、親友に話し難い何かの理由があるのでは?と、ついつい思ってしまう意味深さはあるのに。
でも、結局、その理由はハッキリとは描かれず、単に、「お前を追いかけるのがカッコ悪いと思った」みたいな、なんか曖昧な感じで。で、やっぱり、辞めない~~となるので。

じゃあ、あの意味深さは一体何だったんだ!!??

とツッコんでみたくなったり。

また。

空の渦と地底の渦が重なった時に、地球を再構築させる・・・と言った、赤い目の不思議な少女ノルダ。

彼女は宇宙船に乗って来た異星人な訳ですが。

どこから来たのか、彼女を支配しているのは誰なのか、一体、宇宙で何が起こっているのか?などなど、ストーリーの中で起こっているエピソードの背景は分からないままです。

ただ、命令によって、地球を再構築(壊す?)しに来た異星人の女の子を助けることによって、地球の危機も救う・・・というお話だけ。

もしかしたら、何か宇宙規模での壮大な背景があるのかもしれませんが、それについては言及されません。

評価が低かったのは、この辺りが原因かなぁと思いました。

でもでも。

私は、作品中を流れる空気が好きな所為か、あまり詳しく物語背景が描かれなかったこと自体が、そんなに悪いとは思わなかったのですよね。

寧ろ、詳しく描かれなかったから良かったのじゃないかなぁって。

これが、壮大なSFファンタジー映画なら、もっと長い時間を使って、宇宙から来た謎の少女や、彼女を支配する悪の宇宙組織(?)とかが描かれて、それに立ち向かう少年達についても詳しく描写されるのでしょうが。

この作品は、そういうSFファンタジーでは無くて、日常生活の中で遭遇した、ちょっとした不思議な出来事。
そして、その不思議な出来事を通して、仲違いした少年達が、再び友情を取り戻す。

・・・と言った、テーマじゃないかなぁと思うのですよね。

確かに、ノルダの秘密は気になりますが(笑)

でも、それが描かれないことによって、映画を見て居る私達の側も、主人公の東や西条と一緒に、なぜだかは分からないけど、日常の中で不可思議な体験をしてしまった・・・っ感じで。彼らと同じ目線で、この出来事を体験できたのですよね。

なので、モヤッと感は残っても、皆、無事だったし、良かった良かった~って、彼らと同じ気持ちになれたというか。

だから、私は好きですよ(^^)

まあ、寧ろ、野球部に関する事の方が、もっとシッカリ描いて欲しかったかな?


台風という、日常の中でもちょっと非日常的なコトの中で起こる不思議なコト。

心温まる作品だったと思います。



そしてそして。

同時上映の『陽なたのアオシグレ』。

こちらは短いながらも、完成度の高い作品だったのではないでしょうか?

内気な小学生ヒナタ君がクラスの人気者シグレちゃんを好きになる、初恋のお話が幻想チックに描かれています。

ピュアで一途な、幼い初恋が、初々しくてとても可愛い!!

ラストは、「ガンバレー!! カンバレー!!」って応援したくなります。

内気過ぎて、弱虫なヒナタ君が、最後、男の子らしく逞しく見える所が素敵です。


でもでも、最後の最後は切なかったかな。

あれから何年も何年も経って。

ずっと、海外で暮らし居てるシグレちゃん。

大きくなったシグレちゃんが、「あの時の男の子は、今、どうしてるかな?」って思い返している・・・ということは。

結局、二人は、あれから手紙などの連絡も取らない(取れない?)まま、大きくなったということですよね。

あれだけ、一生懸命、必死必死になっていた初恋。

・・・でも、子供の頃の恋って、こういう物なのかもしれないな・・・と。ちょっぴり現実的なことを想ってしまいました。

そういう意味では切ないのですが。

だけど、どことなく懐かしい感じの、ピュアな作品で。やっぱり、この空気感が好きです。


この二つの作品。
作品を流れる「空気」が凄く好きでした。