★ベルの徒然なるままに★

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映画『ザ・ウォーク』

2016年04月07日 | 映画鑑賞記
今日は、色々と溜めていた映画の感想を♪

公開されてすぐに見たのですが、感想を書くのが遅くなりました、『ザ・ウォーク』。

めちゃめちゃ面白かったのです~。


■映画『ザ・ウォーク』予告編




1974年。フランス人の綱渡り大道芸人フィリップ・プティは、歯医者の待合室で目にした雑誌記事で、建設途中のワールド・トレード・センターのことを知ります。

ニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル。

この双子のようなビルの屋上と屋上の間にワイヤーを張り、地上110階の高さで命綱無しの綱渡りをする・・・。
そんな閃きに憑りつかれた彼は、もう居ても立ってもおられず、その目的に向かって、ただただ突き進むのでした。

とはいえ、勿論、許可が下りるわけもないので、違法行為。

どうにかしてオープン前のワールド・トレード・センターに入り込み、夜中の内にワイヤーを張り、夜明けとともに彼の命を賭けた一大パフォーマンスを決行!

その為の仲間を少しずつ増やしていき、着実に、目的に向かって計画を進めていくフィリップ。

決行日直前の怪我など、様々なイレギュラーに見舞われながらも迎える、運命の日。

彼は、命綱無しで、その一歩を踏み出し・・・。


・・・というお話。

ビックリするような内容ですが、これ、実話に基づいたお話とのこと。

し、知らなかった~っ。

びっくりですよね!!

2001年9月11日の同時多発テロで、今はもう無くなってしまった、ワールド・トレード・センター。

その二つのビルが、ちょうど完成した直後の出来事だそうです。


映画前半は、主人公がワールド・トレード・センターに魅せられ、その屋上で綱渡りをしたいと思う、その熱意の丈や、着々と進めていく準備の様子が描かれ。
そして、後半は、いよいよ、それを実行に移していく過程が描かれます。

なので、特に後半は、鑑賞する側もずっと緊張の連続です。

なんと言っても、オープン前のワールド・トレード・センターに、まずは不法侵入しないといけないのですから。

その為に、少しずつ仲間を増やし、伝手を頼り、いろいろな事を偽装して入り込むのですよね。

もちろん、全てスンナリ行くわけではありません。

主人公も足に大怪我を負ってしまったり、また、決行前夜もいろんなイレギュラーが発生し、予定通りのスケジュールで準備を進めることが出来ない・・・。

それなのに、決行できるチャンスはたった一度だけ。

タイムリミットが近付く中、登場人物たちの緊張がそのまま伝わって来て、もう、その段階で手に汗握る、握る。

そして。

いよいよ、決行の時。

この作品、3DやIMAX対応作品とのことで、とにかく、映像が凄い!!

私は普通の2Dで見ちゃったのですが、それでも、地上110階での命綱無しの綱渡り映像は、とても怖かったです。
これ、本当に、3DやIMAXで見るべきだったかなぁ~。
っていうか、見たかったなぁ。

でも、私、映像酔いする体質なので、ここまで凄い映像だと、酔って気持ち悪くなっちゃうかな??

とにかく、屋上から見下ろす景色、上空ゆえの強風、揺れるワイヤー。

その一つ一つが、とてもしっかりと繊細に表現されていて。

あたかも、自分が空中を歩いているかのような気分になりました。

そして、終盤当たり、主人公がちょっとバランスを崩したりすると、こちらまで、ドキっとなって・・・(>_<)

っていうか、無事に向こうまで辿り着いたのに、また、綱の上を戻って往復したりする主人公に、

「もう、何してるの!! せっかく無事に成功したんだから、さっさと終われよ!! いつまで綱の上に居るんだ!!」

と、すっごくヒヤヒヤして。

映画の世界と分かっていても、肝を冷やしたし、「もう、やめてー(>_<)」って心の中で叫びましたですよ。

それくらい、ワールド・トレード・センターでの綱渡りシーンは緊迫感がハンパなかったです。


そのシーンだけでも、とてもインパクトあって見応えのある作品なのですが、今は亡きワールド・トレード・センターの、誕生の時代。きっと、発展や豊かさの象徴のような存在として造られただあろう、そのビルに纏わる物語・・・ということで。
どこか切ないようなしみじみとした気持ちにもなって。
それもまた、この作品の見所なのではないかと思いました。

でも、9.11のことには一切触れられていないのですが、それが、却って過去の華やかさを思い起こさせるようで・・・切ないけど良かったと思います。

それにしても。

主人公は、なぜ、あのような、とんでもないパフォーマンスを思いつき、そして、決行したのでしょうかね?

大道芸人ゆえのチャレンジ精神?

私は高所恐怖症だし、そもそも、めっちゃピピリなので、主人公の気持ちは理解出来ませんでした。

でも、きっと、彼は天才的なパフォーマー、つまりアーティストであり、やはり、天才と狂気は紙一重で。
その紙一重のギリギリのラインで、神業のような奇跡が出来るのではないかなぁと思いました。

それでも、人間故に、決行直前には死の恐怖や緊張に囚われ、苛々して周りに八つ当たりをしてしまったり。

そういう人間らしいところも描かれていて。

普通の精神と狂気の狭間で揺れ動く、アーティストとしてのポリシーとかプライドとかの葛藤も感じられました。

だからこそ、全てを超越したかのようなラストのシーンは、とても神々しかったのです。


映像も、人間ドラマも、そして、今は亡きワールド・トレード・センターへの想い・・・などなど。

いろんな見所のある作品だったと思います。

とても面白かったです。