今日も、映画のレビューをば♪♪
やはり、帰省前、7月に見た映画で、ジブリ最新作『借りぐらしのアリエッテイ』の感想です。
この映画、凄く良かったですよぉ(*><*)
わたし的には、最近のジブリ作品では『ハウル』以来のツボでした~。
うん。
『ゲド』よりも『ポニョ』よりも大好き!
登場人物も、作品の中に流れる雰囲気も大好き!
という訳で、あらすじですが。
12才の翔は、心臓の病気を患っていました。
手術を受ける前の療養として、母親が育った田舎の古い家に預けられることになった夏の出来事。
その家に住むのは、翔の祖母の妹、そしてお手伝いのハルさん。
緑に囲まれた、静かな古い家。
実は、その家の床下には、人間ではない人、「小さな人々」が暮らしていたのです。
その「小さな人々」は、人間の指くらいの大きさ。
人間に見つからないように、ひっそりと生活していました。
人間に見つからないように、分からないように、角砂糖を1つとかティッシュを1枚とか、そうっと貰っていきます。
彼らは、そうやって、生活に必要な物を得ているのです。
それを、彼らは「借り」と呼ぶ。
彼らの生活は「借りぐらし」なのです。
そんな小さな人々のアリエッティは14才。
翔が滞在している家の床下に、父親と母親の3人暮らし。
14才といえば、そろそろ1人前になるお年頃。
彼女は、父親について、いよいよ「借り」デビューを果たします。
こっそりと人間の家の中に侵入し、母親から頼まれた、角砂糖やティッシュなどを入手する「借り」です。
初めて見る人間の家は、アリエッティにとって、とても魅力的でした。
けれども、父親が言うに、人間の家の中の物でも、持っていって良い物と、持っていってはいけない物がある・・・と。
持っていったら、人間に気付かれてしまうものには、手を触れてはいけない・・・と。
そんな時、彼女は、翔に姿を見られ、声をかけられてしまいます。
「怖がらなくて良いよ。姿を見せて」
と。
人間に見つかってしまったことで、住まいを変えるかどうか悩むアリエッティの家族。
そんな悩みを抱える家族の為に、アリエッティは、翔に会いに行き、「私達に構わないで!」と言うのでした。
しかし、そのことがきっかけとなり、翔以外の人間も、「小さな人々」の存在に気付き始めます。
それは、お手伝いのハルさん。
珍しい生き物を捕まえたい衝動に駆られ、床下の小さな人々を狙うハルさん。
小さな人々の生活が脅かされる中で、アリエッティと翔の間に、徐々に絆が生まれるのでした。
物語全体を通して、自然に囲まれた優しい空気。古い家特有の懐かしさに溢れていたと思います。
そういう作品の持つ雰囲気、物凄く好きです。
どこか懐かしくて恋しくなるようなお家。
だからこそ、そんな家には、不思議な「人々」が住んでいるのかもしれませんね。
そうそう。
どことなく、「トトロ」っぽい雰囲気があったと思いますね。
何か大きな出来事があるとか、そういうことはなく、ただ、淡々と進んでいく、アリエッティの日常と、翔の日常。
何の変哲もない普通の日常だけど、小人のアリエッティにとっては、人間の世界に触れる冒険の連続。
そして、自分の命を諦めかけ、無感動に暮らす翔にとっては、不思議な小人に出会えた冒険。
アリエッティにとっても、翔にとっても、「ひと夏の不思議な出来事の想い出」という感じで。
懐かしいような、切ないような、そして、物語ラストでは、叶わない淡い初恋をも感じされて。
キュンとしてしまいました(;v;)
とにかく、主人公の2人が、凄く良かったと思います。
好奇心旺盛で明るいアリエッティ。
洗濯バサミが髪留めだなんて、超可愛いです。
でも、人間の世界を知ってしまって、これまでのように無邪気に、冒険を楽しむだけではいられなくなってしまうことも学んでいきます。
そして、人間の翔。
自分は心臓の手術を控えているというのに、母親は仕事で海外ばかり。
きっと、手術は上手く行かない、自分は死ぬんだ・・・と、どこか諦めがちな日々を送る中で、アリエッティと出逢い、変わっていきます。
この2人が出逢い、互いに成長していく物語が良かったですね!
そして、小人の視点で描かれる人間の世界も興味深かったです。
アリエッティの洗濯バサミの髪留めもそうですが、ビスケットを砕いてパンを焼くとか。菓子箱の家、釘のハシゴ。植木鉢の暖炉。
まち針が剣のようになっちゃうとか。
面白くて可愛らしいです。
ただ、物語に於いて、少し説明不足な点もあったような気も。
お手伝いのハルさんは、終始、謎な人でした。
なぜ、彼女はあそこまで、「小人」の捕獲に執着するのか?
単なる好奇心なのか、それとも、何か思うところがあるのか?
ハルさんが良い人なのか、悪い人なのか・・・イマイチ分からなかったです。
でも、きっと、深い意味はないのかなぁ~という気もしますね。
単に、好奇心旺盛のオバチャンって感じなのかな?
珍しいものに遭遇して、それを自分の物にしてみたい。
そんな単純な気持ちだったのかもしれません。別に、「小人」を捕獲して有名になりたいとか、そんな下心はなかったのでしょう。
でも、もしかしたら。
小人にとって、
「ハルさん」=人間の脅威
なのかもしれません。
つまり、ハルさんは、人間の代表なわけなのですよね。
翔のように、小人の存在を信じ見てみたいだけ、とか、翔の祖母の妹のように、この家に小人が住んでたらいいなぁ~とか。そんな風に、彼らをそぅっと見見守るだけの人間って少ないでしょうね。
大抵の人間は、そこに、下心があろうと無かろうと、彼らの存在を知ると、捕獲したくなる。
アリエッティは翔と出逢うことで、全ての人間が悪くはないと知るわけですが。
でも、アリエッティの両親が言うところの、「人間は危険だ」というのは。
きっと、ハルさんのような存在があることを言っているのでしょう。
だからこそ、彼らは、人間に見られてはいけないという決まりの中、生きて居るのでしょう。
でも、そこのところを、もう少し描いて欲しかったというか。
なぜ、ハルさんはそこまで小人に執着するのか・・・とか、少し物足りなかったです。
そして、ラストシーン。
少し、尻切れトンボな気がしたのは・・・私だけかな?
せっかく心を通い合わせることが出来た、翔とアリエッティの別れは切なかったですが。
その後、2人はどうなったのか・・・?
アリエッティ達は無事に、自分たちと同じ種族の居る場所へたどり着けたのか?
新しい生活をはじめられたのか?
翔の手術は成功したのか? 彼は元気になったのか?
そこは、見る側の心の中で・・・ということなのかもしれませんね。
旅立って行くアリエッティと、それを見送る翔。
2人共、未来を見据えて、新しい一歩を踏み出すラストシーンは、とても綺麗だったのですが。
もう少し、その後を知りたかったかも。
う~ん。
でも、これは、ここで終わるからこそ余韻が残って良いのかなぁという気もしますし。
難しいですね。
でもでも。
最初から最後まで、優しい空気に包まれた作品でした。
トトロを少し彷彿とさせる、初期ジブリっぽい感じかな。
私は大好きですよ(^^)b