懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

茅葺き民家 お背戸

2011年11月29日 | 茅葺き民家
里の秋に歌われている「お背戸」にあたるような写真を探してみた。
お背戸は現在では使われなくなった言葉である。家の正面ではなく背後にある戸から裏口の戸として呼ばれたのではないかと思われる。
この里の秋を聞いていてだんだん違和感を覚えた。
親子二人で秋の夜を過ごす歌かと思ったら南洋に出征している父親の無事を祈る歌である事に気付く。
そもそも昭和16年に「星月夜」書かれた歌詞で戦後、外地引揚者の激励の番組で川田正子さんが唄って人々の共感を得ている。
川田正子さんが12歳の頃であろう。
当初、星月夜は四番まであり戦争を称える歌詞のためカットされ曲名も里の秋にされたそうだ。
三番を修正するにも放送までに時間がなかった。

童謡唱歌の中でも聞いていて「おゃ」とすることがある。
とんがり帽子の歌、叱られて、
鐘が鳴る丘(とんがり帽子)の歌は明るい軽やかな曲だが「父さん母さんいないけど」と戦災孤児の孤児院を唄ったものであるし。叱られては10歳くらいの子が奉公に行って叱られ泣きながら買い物に行かされている情景が目に浮かぶ曲である。戦災孤児や奉公にでた子はどんな人生をおくったのだろうと思う。

里の秋の歌詞
静かな静かな 里の秋
お背戸に木の実の 落ちる夜は
ああ 母さんとただ二人
栗の実 煮てます いろりばた

明るい明るい 星の空
鳴き鳴き夜鴨(よがも)の 渡る夜は
ああ 父さんのあの笑顔
栗の実 食べては 思い出す

さよならさよなら 椰子(やし)の島
お舟にゆられて 帰られる
ああ(注) 父さんよ御無事(ごぶじ)でと
今夜も 母さんと 祈ります
撮影場所 上から鳥取県、兵庫、鳥取、鳥取の順