
「緊張の瞬間を迎える舞台なのです!」
(注:これは、あくまでもイメージの舞台なので、あしからず~!!)
(番号を呼ばれ、覚悟を決めて舞台へ上がる私!!)
キロッ!!!!!!
10人の審査員が一斉にこちらを見つめます!
それも、あたたかな眼差しというよりは、矢で射抜かれるような鋭い感じ!!
『うわぁっ! こわいっ!!』
内心はめちゃくちゃパニックやけど、表面上は全く冷静なフリで・・・。
まず、三線を置き、一礼します。
そして、唄に入る前に一度ちんだみの確認を・・・
『えっ!!!???』 問題発生です!
『うっそ~~~!! ちょっと女弦が低いんやない??』
!!!!!焦りまくる私!!!!!!!
(・・・ちんだみ直そうか? いや、これぐらいならなんとかいけるか??)
心は、やじろべえのように揺れ動きます。
『もし直してて、カラクイがキュルキュルーーーーッってゆるまったら?!』
・・・果たして私は冷静でいられるか?
怖いっ! どうしよう??? う~~~ん??
わずか何秒という時間の間に、ものすご~く濃密に悩み抜いた結果・・・。
リスクを背負わないことを決心した私・・・。
つまり、少々ちんだみが低くても、突っ走るのみなのです!
普段は何気なく直すちんだみさえも、恐怖のあまり直せなくなってしまう・・・。
今思えば、これこそ一種の『コンクール金縛り』現象ですね~~~。
気を取り直して・・・。さぁ唄に入る前に、ゆっくりと深呼吸です。
ぐるっと一度観客席を見渡してぇ・・・。
『みんな、じゃがいもなんや! ここはジャガイモ畑なんやからね!!』
ひたすら自分に言い聞かせます。(審査員の皆様ごめんなさい)
さあ、そしてついに、演奏スタート!
『最初の出だしは、んぞ~~~。』
前奏の間中、頭の中で『んぞ~、んぞ~。』と繰り返し続けます。
さぁ、唄の始まりです!
「んぞ~~~~。ちりてぃ~~~~~ぃぃぃ・・・・・」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おおおおおおおおおおおっ! 何と言うことかっ!!!!!!!
本番のあまりもの緊張のため、リハのとき以上に息が続かないっ!!!
(このままじゃ絶対唄い続けられん・・・。)
あまりの苦しさに、仕方なくブレスの予定じゃない場所で、息継ぎを!
「ヒュッ」 短くスィッと、自分さえもダマスくらいにそぉっと・・。
なぜなら、決めてある流れを一箇所でも変えると、
焦りで、後がガタガタッと崩れることがあるから・・。
だから、次のフレーズを意識しながら、あくまでも慎重に・・・。
あ~~~~!
それにしても、まだ唄は始まったばかりなのに
このまま最後まで私の息は持つのだろうか???
まるで、エベレストの頂上で、全力疾走しながら歌ってるような心境です・・・。

舞台袖から中継でやんす・・・。ヒソヒソ・・・。
果たしてどうなることでやんすかね?
つづくでやんす!