「用があって出てきたが少し時間が余った、久しぶりに飲むか?」と故郷の友人から電話が有った、
コロナが問題になる少し前、三年位まえになるか
何の予定も無いので会う事にする、昼酒は苦手ではあるが70過ぎの爺さんが喫茶店でよもやま話と言うのもすわりが悪い、(まあいいか)とどこかで会う事にした
事務所の有る城南地域は結構朝からやっている飲み屋はあるのだがどうせならと昔からちょっと寄ってみようかと思っていた浅草の屋台通りに向かう、
場外馬券売り場の客目当てだが観光客も寄っている、今日はレースが無いので若いカップルや外国の観光客が多かった、
季節は暑くなく寒くなくテント屋台でも快適に飲める、しかし屋台なので丸椅子と折り畳みテーブルだ、定番の煮込みと焼鳥、漬物でビールを飲み直ぐサワーになった、
彼は中学からの友人だが自分は幼馴染と言うのが彼以外に付き合いが無い、
中学校を卒業するとすぐ東京に働きに出たが2年後に親父が卒中で死んで田舎と言うものが無くなった、
それから数年は正月休みは彼の家に世話になっていたが彼が結婚して世帯を持ってからはだんだん疎遠になっていた、
友人には5歳下の妹がいてちょくちょくと泊まっていたので兄妹のように親しんでいたのだがそれが彼の両親、祖母も含めてそのまま一緒になると言う暗黙の了解の様なものが出来た、
しかし自分の元来の為体でズルズルと時間が過ぎ、彼女は24の時に職場の同僚と一緒になたのだが10代の頃発症した膠原病で27歳で亡くなってしまった、
「お前が貰ってくれると思ってたんだが」と二軒目の小料理屋で彼がポツリと言った、
「お前をお兄さんと言うのが嫌だったんだよ」と胡麻化したがこれは彼の父親にも言われた記憶がある、何と答えたか覚えていないが彼女は「あまり幸せな結婚生活では無かった」らしい、
嫁ぎ先の墓に入っている彼女の墓参りは出来ないが時々思い出した時手を合わせている
人生のやり直しは出来ないから現在を有りのままに納得して生きているがこの事だけは「本当に良かったのか」と時々思い出して彼女に問いかけている、
恨みごとの一つも言うのか、「これでよかったのよ」と笑いそうな気もする、
36歳の時今の女房と一緒になった時連絡したら「お前は独身主義だと思っていたんだが」と少し不満げに言われた、
すこし酸っぱい思い出、埋め込んでおかなければかみさんが知ったら申し訳が無い、
若かりし頃の酸っぱい思い出は酸っぱいままだからさっぱりと沁みる、
古希になって話すものでもないモノクロームの思い出である
コロナが問題になる少し前、三年位まえになるか
何の予定も無いので会う事にする、昼酒は苦手ではあるが70過ぎの爺さんが喫茶店でよもやま話と言うのもすわりが悪い、(まあいいか)とどこかで会う事にした
事務所の有る城南地域は結構朝からやっている飲み屋はあるのだがどうせならと昔からちょっと寄ってみようかと思っていた浅草の屋台通りに向かう、
場外馬券売り場の客目当てだが観光客も寄っている、今日はレースが無いので若いカップルや外国の観光客が多かった、
季節は暑くなく寒くなくテント屋台でも快適に飲める、しかし屋台なので丸椅子と折り畳みテーブルだ、定番の煮込みと焼鳥、漬物でビールを飲み直ぐサワーになった、
彼は中学からの友人だが自分は幼馴染と言うのが彼以外に付き合いが無い、
中学校を卒業するとすぐ東京に働きに出たが2年後に親父が卒中で死んで田舎と言うものが無くなった、
それから数年は正月休みは彼の家に世話になっていたが彼が結婚して世帯を持ってからはだんだん疎遠になっていた、
友人には5歳下の妹がいてちょくちょくと泊まっていたので兄妹のように親しんでいたのだがそれが彼の両親、祖母も含めてそのまま一緒になると言う暗黙の了解の様なものが出来た、
しかし自分の元来の為体でズルズルと時間が過ぎ、彼女は24の時に職場の同僚と一緒になたのだが10代の頃発症した膠原病で27歳で亡くなってしまった、
「お前が貰ってくれると思ってたんだが」と二軒目の小料理屋で彼がポツリと言った、
「お前をお兄さんと言うのが嫌だったんだよ」と胡麻化したがこれは彼の父親にも言われた記憶がある、何と答えたか覚えていないが彼女は「あまり幸せな結婚生活では無かった」らしい、
嫁ぎ先の墓に入っている彼女の墓参りは出来ないが時々思い出した時手を合わせている
人生のやり直しは出来ないから現在を有りのままに納得して生きているがこの事だけは「本当に良かったのか」と時々思い出して彼女に問いかけている、
恨みごとの一つも言うのか、「これでよかったのよ」と笑いそうな気もする、
36歳の時今の女房と一緒になった時連絡したら「お前は独身主義だと思っていたんだが」と少し不満げに言われた、
すこし酸っぱい思い出、埋め込んでおかなければかみさんが知ったら申し訳が無い、
若かりし頃の酸っぱい思い出は酸っぱいままだからさっぱりと沁みる、
古希になって話すものでもないモノクロームの思い出である