私の住んでいるのはある区営アパートである
3棟で60世帯が暮らしている、近隣の相場からすると破格に家賃は安い、
築65年を超えて古く間取りも古いが2DK+Sで40㎡はある
区の住宅課から説明を受けた内容は「建築物は住宅課が管理するが共用部分を含めて維持管理は自治会が行う」と言うものだった
但し自治会加入は義務であるとは明記されていないが賃貸契約書の重要事項には上記の文言が入っているので当然の様に住居民は自治会員となる筈である、
維持管理に関する作業を自治会として行っている
団地内の清掃、上下水のメンテナンス、共用部分の消耗品維持管理等々、持ち回りで役員を選定し運営している
一昨年住民の一名が一方的に「自治会を脱退する」と文書で通告しそれ以後自治会費を納めなくなった
区の住宅課に相談したら「維持管理は自治会が行うと言う規約だから自治会内の問題は会で解決するように」と言う話になった
毎月請求をするがナシの礫で自治会として1年請求を続け「これ以上の未払いは訴訟をする」と警告したが更に半年無視をされた結果自治会総意として少額請求訴訟をする事になった、
訴状が届いた直後はかなり焦った様で和解を申し込んできたが「貯まっている自治会費を全額納め今後滞りなく納入すると言う一筆を入れたら取り下げる」
と伝えたらその後突然「自治会を退会するのは自由であり、その理由を説明する必要もない筈だから争う」と言って来た
それから更に1年簡易裁判所で和解手続きを続けたがどうやら「自治会は憲法で保障された結社の自由で有るので強制は出来ない」と言う最高裁の判決が存在するらしい
この事を何処かから知ったうえでの豹変だったようで簡裁の相談員も「この件は非常にデリケートな問題で裁判所も受理をしない方針だが日本の判決は前例主義なので勝てない」と言う事となりこれ以上の争いは経費が掛かるからと「全部認めると言う事で和解を」と言われ悔しいが致し方ないとなったら今度は「精神的慰謝料をだせ」と反訴してくる始末だがこれも調停員が「この人は一般的思考は持っていないと諦めて全部認めて幕を引いた方が良い、触らぬ神に祟りなしだ」と言う事で自治会脱退に精神的慰謝料10万を支払って幕を閉じた(これももっと高額な事を言ったらしいが流石に相談員も「これ以上の要求をすると今までの事も意図的な行為だとして我々も判断する、と言われて落ち着いた金額である)
最高裁の憲法判断に素人が異議を申し立てる様な大それた気はない、
がこの判決は実害が伴う事をどう対処してくれるのだと思う
「自治会を退会するのが合法なら自分も退会する」と言う住民が出てきたら、極論すれば全住民が自治会を抜けたら区で言う「維持管理は住民が自治会として行う」と言う規約は意味をなさなくなる
実際自治会を退会するとか自治会費を納めないとか言う住民は流石に出ては来なかったが持ち回りでやっている当番役員を拒否する住民が続出する事になってしまった
60世帯の内空き室が5室、55世帯で役員は8名、毎年交代制であるが拒否をする世帯が15世帯に上り、同じ世帯が3年に1回で自治会を廻している
現在誠実に当番をこなしている世帯もみな70歳台後半である、当番を拒否する世帯は若い世帯が多いが此れでは自治を続ける事は早晩破綻する
「自治会は自由結社であるから退会するのは憲法で保障」していただいてもその結果地域としての自治運営が成り立たなくなるとしたら多くの常識的な住民の生活を誰が補償してくれるのか
誰かこの問題に法的な解釈、解決方法を教えてくれないか