その頃、隣の家にも白い猫が居た、我が家のタマとどちらが早かったのかよく覚えていないが遊んだ記憶はどちらかと言うと此方のシロ(名前がそのまま”シロ“だった)の方が多かった気がする、
左右の眼の色が銀色と金色で真っ白なので結構美人だったと思うのだが飼い主が殆どかまわないのでいつも灰色をしていた、正しく灰色である理由は有ってその頃お勝手は竈で煮たきをするので火を落としても竈の下に残った灰には埋れ火が暫く残っている、寒い季節は大抵この中で猫はうずくまって暖をとる、町と違って家を出れば土と草である、濡れた体に藁煤がしっかり付いてしまうのでとても真っ白と言うわけにはいかない、
時折その埋れ火が猫の毛に燃え移る事も有り驚いた猫が縁の下に逃げ込んでボヤになった事もあるので気をつけているのだが水を掛けるわけにもいかないので乾燥した冬には結構神経を使っていた、
田舎の事で隣の家まで結構距離があるが略半日位は我が家に来ていた、食事は隣家に用意しているので其処で済ませるが此方の食事時間には必ず顔を出してテーブルの脇で催促をする、面白い猫で試しにと色んな物を食わせると結構何でも食べる、試しに沢庵を上げたが躊躇いもせず食べてしまって「にゃ~ん」と催促をされた事がある、
おとなしいというか、横着と言うか何をしても殆ど抵抗しない前足を持って立ち歩きなどしょっちゅうで後足を持って耕運機もさせるし、首に巻いて襟巻にしたり何をしても逃げるわけでもない、
後ろから力一杯抱きしめると大きく口をあけてギャッと言うような声を上げるのだがそれでも逃げもしないで膝に丸まって居るような猫だった、
叩いたりする様なことはしなかったので遊びだと解って居たのかも知れない、お見舞いにもらった果物の入って居た籐網の籠が有ったので天井から紐で吊るし思い切り捩っておいてからシロを籠に乗せ捩りを勢い良く戻す、回転が速い時は下りる事も出来ず、回転がおさまってから慌てて飛び降りるのだが猫でもかなり目が回るらしい、あっちによろよろこっちによろよろと部屋をうろつき足が全くおぼつかなかったのが面白く何度もやったが流石に天井から下がった籠に入れようとすると必死で私の服に爪を立てて抵抗するようになった、
それでも毎日の様に私にまとわりついて居たのだが、やはり最後はどうなったのか解らない、15の歳に東京に出て来てその年に一番下の兄に女の子が出来た、
私は末っ子だったので妹の様にこの姪が可愛くて兄の家に遊びに行っては抱っこをしていた、2~3歳頃から私の胡坐の中が彼女の指定席で行くと「おいで」」と言うのを待っているように胡坐の中に入って居た、兄と話をしていたりで姪に何かしているわけではないのだがチョコンと座ってにこにことして居たのだが彼女が4歳くらいの時にこの家に三毛猫が貰われてきた、この猫も私の膝が大好きでミーが居る時に私が胡坐をかくとゆっくりと入って来て丸まってしまう、姪もこのミーをすごく可愛がっていたので先に私の胡坐をとられると追い出すことはしない、隣にちょこんと座っていた、
その姪も去年の9月で50歳になった、本当に年月の過ぎるのは早いものだ、兄夫婦もすでに他界して10年以上が過ぎた、思い返すと随分多くの人を見送って来たものだが末っ子の定めだな、
左右の眼の色が銀色と金色で真っ白なので結構美人だったと思うのだが飼い主が殆どかまわないのでいつも灰色をしていた、正しく灰色である理由は有ってその頃お勝手は竈で煮たきをするので火を落としても竈の下に残った灰には埋れ火が暫く残っている、寒い季節は大抵この中で猫はうずくまって暖をとる、町と違って家を出れば土と草である、濡れた体に藁煤がしっかり付いてしまうのでとても真っ白と言うわけにはいかない、
時折その埋れ火が猫の毛に燃え移る事も有り驚いた猫が縁の下に逃げ込んでボヤになった事もあるので気をつけているのだが水を掛けるわけにもいかないので乾燥した冬には結構神経を使っていた、
田舎の事で隣の家まで結構距離があるが略半日位は我が家に来ていた、食事は隣家に用意しているので其処で済ませるが此方の食事時間には必ず顔を出してテーブルの脇で催促をする、面白い猫で試しにと色んな物を食わせると結構何でも食べる、試しに沢庵を上げたが躊躇いもせず食べてしまって「にゃ~ん」と催促をされた事がある、
おとなしいというか、横着と言うか何をしても殆ど抵抗しない前足を持って立ち歩きなどしょっちゅうで後足を持って耕運機もさせるし、首に巻いて襟巻にしたり何をしても逃げるわけでもない、
後ろから力一杯抱きしめると大きく口をあけてギャッと言うような声を上げるのだがそれでも逃げもしないで膝に丸まって居るような猫だった、
叩いたりする様なことはしなかったので遊びだと解って居たのかも知れない、お見舞いにもらった果物の入って居た籐網の籠が有ったので天井から紐で吊るし思い切り捩っておいてからシロを籠に乗せ捩りを勢い良く戻す、回転が速い時は下りる事も出来ず、回転がおさまってから慌てて飛び降りるのだが猫でもかなり目が回るらしい、あっちによろよろこっちによろよろと部屋をうろつき足が全くおぼつかなかったのが面白く何度もやったが流石に天井から下がった籠に入れようとすると必死で私の服に爪を立てて抵抗するようになった、
それでも毎日の様に私にまとわりついて居たのだが、やはり最後はどうなったのか解らない、15の歳に東京に出て来てその年に一番下の兄に女の子が出来た、
私は末っ子だったので妹の様にこの姪が可愛くて兄の家に遊びに行っては抱っこをしていた、2~3歳頃から私の胡坐の中が彼女の指定席で行くと「おいで」」と言うのを待っているように胡坐の中に入って居た、兄と話をしていたりで姪に何かしているわけではないのだがチョコンと座ってにこにことして居たのだが彼女が4歳くらいの時にこの家に三毛猫が貰われてきた、この猫も私の膝が大好きでミーが居る時に私が胡坐をかくとゆっくりと入って来て丸まってしまう、姪もこのミーをすごく可愛がっていたので先に私の胡坐をとられると追い出すことはしない、隣にちょこんと座っていた、
その姪も去年の9月で50歳になった、本当に年月の過ぎるのは早いものだ、兄夫婦もすでに他界して10年以上が過ぎた、思い返すと随分多くの人を見送って来たものだが末っ子の定めだな、