
堀辰雄の「晩夏」を青空文庫で読んでみた
名の通り、夏の終わりを切り取った短編だった、
避暑地を引き上げる前に夫婦で湖の近くに宿を取って過ごすと言う淡々とした話、
何という事もないが読みやすい文体で嫌いではない、100ページもないので直ぐに読み終えてしまった、
思い出してみると確かに「挽歌」だった気がする、まだ小学生にも上がっていなかったと思うので「ばんか」と言う語感で覚えていたのだがこの字をぼんやりとだが覚えているような気がする
肝心な「挽歌」の方は書評で粗筋を見たが何となく読む気がしない、
しかし親父もなんで焼き捨てるまでして怒ったのか全く分からない
親父はどんな本を読んでいたのか覚えていないがお袋はよく読んでいた、
本当に“赤貧洗うがごとく“と言う様な生活なのに毎週「週刊読売」を買ってきて読んでいた
「娘と私」と「悪名」を楽しみにしていた、(連載本が違うかもしれない)
クリスチャンだったので旧約聖書の話をよく聞かせてくれたので「ノアの箱舟」や「ソドムとゴモラ」の話を聞いた、
名前は忘れたが「神」がソドムを焼き尽くす前に街を去るように言われた夫婦が「絶対に振り向いてはいけない」と言われていたのに妻は焼かれるソドムを振り返ってしまいその場で塩柱になった、と言う話をずっと「霜柱」だと思っていた、
寒い田舎では霜柱は馴染みが有るのだが「塩柱」と言うものはない、だが考えてみれば約束の地カナンの乾いた大地に霜柱がある筈もない、
堀辰雄の本に限らず、明治から昭和の初期までの「日本文学」と言われる本を読むと外国語が挟まっていることが多い、
夏目漱石、森鴎外、太宰治等々、フランス語、英語、晩夏ではドイツ語だった、
しっかりスペルを書き込んで意味の解説がある、
文脈的に必要かもしれないが特にいらないんじゃないかと思う事も多い、
無料で読めるデジタル文庫が有るので暇つぶしに端から読んでいるのだがちょっとそいつが気になる、
私は乱読で並行して3冊の本を読んだりする、ムックから純文学まで何でも読む
女房は「ミステリー」と言うジャンルのそれも「刑事物」が好きで今までのめりこんでいたのは
梓林太郎の「人情刑事 道源」と言うやつだがとうとう全巻を読み切ってしまい「何を読もう」と真剣に悩んでいる、
その前は今野敏だったが今度は何を読むのか