(※ 一部、訂正しました。2度ほど。)
世は連休。 TVでは良い番組が目白押し。
予約録画して、少しずつ観てます。
3日のNスペは『見えず 聞こえずとも~夫婦ふたりの里山暮らし』。
予告を見たときは、う~ん、どうしよかな…、って思った。
触手話の存在は以前から知ってるし、
こういうのって、「アンタは難聴くらいで何しとんの」とか言われるみたいな感じがして。。
でも、一応観て、吸収できる部分だけ頂こうかなと思った。

やっぱり観て良かった――。
優等生みたいなキラキラじゃなかった。
田舎で、ナンダカンダ言いながら、たわい無い会話して笑い合っておられる、
その ほのぼのとした暮らしぶり、力みなど無い心おだやかな光景が、
しみじみと良いな~と感じられました。
それぞれ若い頃は苦労して、
結婚してからも決して順調ではなかった。
そんなことも包み隠したりせず、
全部話してくれたので親しみがもてました。
久代さんは聴こえない上に、目も見えなくなってきて、
二度も自殺をはかったそうです。
あるとき眼科の先生から
「目の病気というよりも、心の中に目があるから、心の持ち方が非常に大事。
嬉しい時は明るく見える。イライラしたり、悲しい時は周りが暗くなってしまう。」
と言ってもらったことが、今になって分かるようになったとか。
これはズシリときます。
好彦さんは、宮沢賢治にあこがれ、『新しき村』にも参加した方。
山の中で、理想とする自給自足の生活を始めたけれど、
その暮らしは久代さんには無理ということが分かり、
里に下りてきたそうです。
吉彦さんは淡々と語ります。
『相手が満足できて初めて自分も満足できる。
相手が苦しんでて自分だけ良い生活しても、結局 自分も全然喜べない。
そういう中で相手の価値観も受け入れていく。
昔の固い自分から見ると、ちょっとやわらかくなったというか――。』
これですね。
ある食卓での会話風景の中で、
好彦さんが、テーブルを軽くトントンとたたいた。
振動が伝わって、これで分かるんですねぇ。
その時の字幕は
「うん、そうやな」
これが大事なんですね。
同意したことを伝える。 わかってるだろ、じゃなくって。
他にもたくさんハッとする場面があって、
なんだか、自分の暮らしぶりを素直に省みたくなりました。