『NHK 介護百人一首』、
このシリーズ、
今日で一応ひと区切りにする予定です。
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穏やかな母は浮き世の話題なく
空の青さを何度もなんども
秋野登志子
母はおしゃべりで人のうわさをよく話し、聞き苦しい話に私は嫌な気持ちになったこともありました。今は、空や自然の美しさを話すだけ。そんな母の方が好きです。
小康の夫(つま)としばしの冬日向
椿の莟数えましょうね
大藪光江
ストーマー生活9年、脳出血に見舞われて4年。夫は85歳を過ぎました。記憶をすべて失いましたが「現在」だけは確かです。しかし意識が移行すれば「今」も直ちに過去として消えます。実生より育てた椿がいっぱい蕾をつけました。ふたりで数えながら記憶の蘇ることを願っています。
(※ストーマーは人工肛門のこと)
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――こんな短歌に囲まれていると、「人間讃歌」のように想えてくるのです。
さて、
明日から3日ほど留守します。よろしく