待ち焦がれていた秋は、一気にやってきましたね。
朝のゴミ出しの時なんて「エッ!?」って思うほど涼しかったり。
こんな時には、母だったら「寒い…」って言うだろうな なんて、ことあるごとに母を想い出してしまいます。とにかく寒がりでした。
お天気の良い日に「これはチャンス☆」と散歩に連れ出しても、チョット風があると「寒い…」と言うんです。気温は決して低くないのに。
なんか、風とか寒さに過敏というか、こだわりがあるような気がしてましたね。
訪問看護の度に、足湯――というか、熱いのは苦手で、温かいお湯に足をつけて穏やかに洗うようにしてもらって、保湿剤を塗ってもらってました。(乾燥肌で、まるで粉ふき芋。着替えのときには、粉雪が舞うような状態でした)
その、足湯(?) の時に母は、いつもいつも毎回 同じ話をしてました。にこにこと、
「わたしは長女だったからー、いっつも畑で手伝わされた。親とおんなじに働いた。」
これ私は、100回以上くらい聞かされましたね…。
看護師のAさんは毎回 根気良く聴いて、母に話を合わせてくださり 有難かった。
そして「畑でどんな野菜を作ってたんですか?」と問われても、それは覚えていない。「とにかく、親とおんなじに働いたー。」 それが言いたいらしい。
そんなことを自慢気に喋りたかったんですかね。
手相の話も好きで、母の手は生命線が長かった。それ、手を見せながら話すんです。
すると、Aさんは、自分の手を見せて「ほんとねー。私なんてこんな短い…」。
彼女は若くて美しい手。母はそれに毎回ビックリしてました。
するとAさん、母の皺クチャの手に触れて「これは、働き者の手。(自分の手を指して)こっちは怠け者の手」
うまくフォローも出来ないまま、ちょっぴり満足気にほほ笑む母でした。
そんなようなのが、まるでVTR を再生するように、目の前にハッキリと浮かんでくるんです。見送ってから もう半年以上経つのにね。