<NY Stir Up! 誕生!>
翌日さっそくフェローンから電話がかかり、私と利樹は彼の リーダーバンドに参加する事になった。またレゲエのバンドで 仲良くなったTbのジョッシュに誘われ<アマゾン>というハ ドソン川のほとりにある野外レストランで演奏したり、コロン ビア大学前の<ウエスト&ゲイト>という学生たちの集まる店 で毎週1回フェローンバンドで出演する事になり、私達はここで沢山 の音楽家たちと出会うチャンスが生まれた。
Josh Band @アマゾン
ある日、フェローンバンドに遊びに来て1曲だけ演奏したピ アニストがいた。白人(ユダヤ人)で小柄な人だったが1曲弾いただけで素晴らしいリズム感とテクニックを持っているのが 解かる。さすがNY!と思いながら握手を交わして別れた数日後、ドラムの本田さんと地下鉄コロンバスサークル駅でスト リートを演っていると「オ~、サチ!元気?」と声をかけてき た人が数日前フェローンに紹介されたピアニスト、クリフ・ コーマンだった。
「今度どこかで一緒にできるといいね。電話 してよ。」と私にネームカードを渡して人混みに消えて行く後 ろ姿を見ながら『彼にStir Up!のメンバーになってもらおう。』 利樹と私の意見が一致した。(クリフはのちにブラジル音楽の大家としてリオに住み、2014年、私たちをリオ、ベロオリゾンチのギグに招聘してくれることになるのだが・・・。)
クリフのブルックリンの自宅にて。
<つの犬到着>
ニッティングファクトリーでのギグの日がいよいよ近付いた。 スターラップのメンバーとしてまっ先に声をかけたのは、白 人レゲエバンド、ジャー・リーバイのところで仲良くなった ジョッシュ・ローズマンTb。ニッティングファクトリーのギ グにはトランペットのラッスール(デビッド・マレイオーケ ストラにも所属)も呼んで賑やかに3ホーンでやることに決 定。キーボードにはもちろんクリフ・コーマン。
家でリハー サルも行い、ストリートでチラシを巻いたり、NYフジテレビ やローカルラジオに出演したりと、できるかぎりの宣伝活動 を行った。
つの犬も日本から到着。彼にとって初めてのNYが エルドリッジという物騒な環境と変わった造りの家に驚きな がらも、持参した梅干しやお茶を振舞ってくれ、自分用のゴ ザまでいつの間にか調達している。さすが、つの犬だ!この生活 にあっという間に慣れてしまった。ジャー・リーバイとも私の 知らないうちに親しくなり、彼の家におみやげの〇〇◯を持って遊びに行ったりしている・・・・汗。けんの恐れ知らずの行動力に はさすがの私も完敗だ(苦笑)。
ニッティングファクトリー・ライブ当日、けんの為に本田さん がドラムセットをブルックリンから運んでくれ、私達はもちろん ジャッキーがタクシーでお迎え。「去年も来たよ」という若い ニ ュ ー ヨ ー カ ー の 青年 、Dちゃん、カメラマンの友人たち、そして ジャッキー、トマス・チェイピン(sax奏者)などなど・・・。ただ一人足りないのは多田さんだけだった。
ラッスール(TP)と。
トマス・チェイピンsaxと。
演奏後、高級なスーツをさらっと着こなし、美しい女性を従え た青年実業家風の黒人をシスターチャイナが紹介した。
「Thank you for coming.」と挨拶すると、彼は紳士的にお じぎをし「It's my pleasure.」とやさしく微笑み、<ジョージ・バ トラー/音楽プロデューサー>と書かれた名刺を差出し颯爽と 帰って行った。
「サチ、良かったわね。彼はビクターのプロデューサーでマイ ルス・デイヴィスやトシコ・アキヨシのレコードを沢山手掛けている人よ、とっても気に入ってくれたみたい。きっとビクターか らデビューができるわ、これから忙しくなるわよ。」
完璧にチャイナは舞い上がっており、私達はまるできつねにつ ままれたようだった。コンサートが終わってくたくたの私達に 「これからミーティングをしましょう。」とチャイナが私達の住 むアパートまで着いて来た。
しかし、英語でペラペラと自分の考 えを捲し立てるチャイナに圧倒されるだけで彼女の言っている意 味が半分も理解できない。それでもチャイナが語り続ける"アメ リカン・ドリーム"に夢見心地の気分は明け方近くまで続いた。(つづく)
翌日さっそくフェローンから電話がかかり、私と利樹は彼の リーダーバンドに参加する事になった。またレゲエのバンドで 仲良くなったTbのジョッシュに誘われ<アマゾン>というハ ドソン川のほとりにある野外レストランで演奏したり、コロン ビア大学前の<ウエスト&ゲイト>という学生たちの集まる店 で毎週1回フェローンバンドで出演する事になり、私達はここで沢山 の音楽家たちと出会うチャンスが生まれた。
Josh Band @アマゾン
ある日、フェローンバンドに遊びに来て1曲だけ演奏したピ アニストがいた。白人(ユダヤ人)で小柄な人だったが1曲弾いただけで素晴らしいリズム感とテクニックを持っているのが 解かる。さすがNY!と思いながら握手を交わして別れた数日後、ドラムの本田さんと地下鉄コロンバスサークル駅でスト リートを演っていると「オ~、サチ!元気?」と声をかけてき た人が数日前フェローンに紹介されたピアニスト、クリフ・ コーマンだった。
「今度どこかで一緒にできるといいね。電話 してよ。」と私にネームカードを渡して人混みに消えて行く後 ろ姿を見ながら『彼にStir Up!のメンバーになってもらおう。』 利樹と私の意見が一致した。(クリフはのちにブラジル音楽の大家としてリオに住み、2014年、私たちをリオ、ベロオリゾンチのギグに招聘してくれることになるのだが・・・。)
クリフのブルックリンの自宅にて。
<つの犬到着>
ニッティングファクトリーでのギグの日がいよいよ近付いた。 スターラップのメンバーとしてまっ先に声をかけたのは、白 人レゲエバンド、ジャー・リーバイのところで仲良くなった ジョッシュ・ローズマンTb。ニッティングファクトリーのギ グにはトランペットのラッスール(デビッド・マレイオーケ ストラにも所属)も呼んで賑やかに3ホーンでやることに決 定。キーボードにはもちろんクリフ・コーマン。
家でリハー サルも行い、ストリートでチラシを巻いたり、NYフジテレビ やローカルラジオに出演したりと、できるかぎりの宣伝活動 を行った。
つの犬も日本から到着。彼にとって初めてのNYが エルドリッジという物騒な環境と変わった造りの家に驚きな がらも、持参した梅干しやお茶を振舞ってくれ、自分用のゴ ザまでいつの間にか調達している。さすが、つの犬だ!この生活 にあっという間に慣れてしまった。ジャー・リーバイとも私の 知らないうちに親しくなり、彼の家におみやげの〇〇◯を持って遊びに行ったりしている・・・・汗。けんの恐れ知らずの行動力に はさすがの私も完敗だ(苦笑)。
ニッティングファクトリー・ライブ当日、けんの為に本田さん がドラムセットをブルックリンから運んでくれ、私達はもちろん ジャッキーがタクシーでお迎え。「去年も来たよ」という若い ニ ュ ー ヨ ー カ ー の 青年 、Dちゃん、カメラマンの友人たち、そして ジャッキー、トマス・チェイピン(sax奏者)などなど・・・。ただ一人足りないのは多田さんだけだった。
ラッスール(TP)と。
トマス・チェイピンsaxと。
演奏後、高級なスーツをさらっと着こなし、美しい女性を従え た青年実業家風の黒人をシスターチャイナが紹介した。
「Thank you for coming.」と挨拶すると、彼は紳士的にお じぎをし「It's my pleasure.」とやさしく微笑み、<ジョージ・バ トラー/音楽プロデューサー>と書かれた名刺を差出し颯爽と 帰って行った。
「サチ、良かったわね。彼はビクターのプロデューサーでマイ ルス・デイヴィスやトシコ・アキヨシのレコードを沢山手掛けている人よ、とっても気に入ってくれたみたい。きっとビクターか らデビューができるわ、これから忙しくなるわよ。」
完璧にチャイナは舞い上がっており、私達はまるできつねにつ ままれたようだった。コンサートが終わってくたくたの私達に 「これからミーティングをしましょう。」とチャイナが私達の住 むアパートまで着いて来た。
しかし、英語でペラペラと自分の考 えを捲し立てるチャイナに圧倒されるだけで彼女の言っている意 味が半分も理解できない。それでもチャイナが語り続ける"アメ リカン・ドリーム"に夢見心地の気分は明け方近くまで続いた。(つづく)