またまた原田ひ香さんの本
現代に生きる32歳のシングルマザーの目線で描かれている。
昭和生まれの母親、大正生まれの祖母。
この三代の女の生きざまの話。
家計簿は、祖母の書いた日記のようなもの。
戦時中の食糧難のことや、明治生まれの姑のことなど、ちょっとした走り書き的な事から、読んでいくうちに自分のルーツを知っていく。
段々と自分と繋がっていると感じてくる。
そして、自分と母親の関係も理解していく。
これを読んで思い出した事がある。
自分自身の母親も、やはりその育ち方に関係してる。
母親が家を追い出されて、明治生まれの父方の祖母に育てられたと聞いた。
それは、後妻であるいわゆる継母という人から聞いた。
私が中学2年の時、広島市へ引っ越したので訪ねてきた。
その継母さんはとても優しく、おばあちゃんってこんなんだと思ったのを憶えている。
本当の祖母は大阪に住んでいて、自分の産んだ子供の子供である私に会いたがってると聞いた。
手紙を預かってる、とその継母さんから渡された。
そうした経緯があったせいか、私に対して一般の母親らしさはないように感じて育った。
4年後に産まれた妹はそういう突き放す事はなく可愛がっていた。
いわゆる若い母親が育児のすべを知らなかったからだと思っていたが、なんか他所の母親とは違うと感じてた子供の頃。
歩み寄ろうとしても拒絶される。
結婚して孫が生まれてからは、何かと母親らしくしようとしていたと思う。
ちゃんと背景があったんだ、と母が亡くなって20年経ってわかった。