

10月15日(土)鑑賞作品 浜田市世界こども美術館蔵 出雲市出身 神田羊二氏作「残夏」
ナビゲーター:正田 裕子
自評
・作品をゆっくり見て描かれている物を確かめる時間がもてたのはよかった。
・対話をテンポ良くつなぐことを目標に、鑑賞者に言って良かったと思ってもらえるように心がけた。
・パラフレイズを短く返すことに気をとられすぎて、根拠を作品から押さえることができていないところがあった。
・最後の鑑賞のまとめをすることが十分できなかったように思う。
会員より
・鑑賞者が二つのことを言っていることを「ドライフラワーのように」と端的にパラフレイズしていた。
・今日は、同じ作家でシークエンスを組んでいたので、まとめは今日は特になくても良かった。
・一つの作品から「生命力」と「枯れる」という相反するものが出ていておもしろかった。・一人一人丁寧に返していたが、現場の教室ではどうだろうか。
・テンポ良くできるところはある。鑑賞者の説明を聞きながら、ポインティングすればもっと良い。
◎会話の最初ほど、根拠を作品の中から、確認したほうが良い。
鑑賞者が、皆同じ視点で会話がスタートできないと、思い違いが会話の途中で出てくる場合がある。今回は「トマト」と思っている人が多かったかもしれないが、「ほおずき」という印象を持っている人もいたわけだから、「この色でトマトですか?」「どこからそう思いましたか?」と聞くとトマトだけでも、もう少し話がふくらむのでは。
◎ナビが予期していない話が出た時ほどその話にのっかって、鑑賞者の視点や思いを聴くとおもしろいと思う。
トマトと支柱を結わえるわらの結び目について発言に対して「人柄がしのばれる」と返しているところで、トマトを育てている人の「人柄」なのか、それとも描き手の「人柄」なのか、もしかしたら、描き手が、トマトを作っている人かもしれない。それぞれで異なった意味が生まれてくるので、もっと突っ込んで聞く(確認する)べきところだったと思う。
今回の鑑賞で、まだまだ訊ねるポイントがあったと思った。また、常連で高齢の方から自分の人生を重ねるかのような発言があった。思い返すと、そこが鑑賞者全体に「それを聴かれてどう思われましたか?」と対話を広げるチャンスだったと思った。一期一会の出会いを活かすタイミングとはこういう時だったのかもと、少しつかみかけたように思う。また、久しぶりに文字起こしをしてみる中で、鑑賞者の意見を聴こうとはしているが、まだ突っ込み具合が弱いと感じた。会員からの「予期しない話にのってみる」という意見や、新たな視点もあり、対話型鑑賞の三つの質問を基本にしながらも今後の鑑賞に活かしていきたいと感じた。
楽しい鑑賞の機会をいただきありがとうございました。
次回のみるみる例会は11月19日 14:00~ 浜田市世界こども美術館です。ご参加をお待ちしています。