2月の最終土日は、奥越前に春を告げる勝山市の「左議長まつり」が行われます。
300年以上も続くこのお祭りは、勝山市街地の各町内に12基のやぐらを立て、その上で赤い長襦袢をはおった大人や子供が酔っぱらったようなおどけた仕草と表情で太鼓や鐘をたたく「奇祭」として知られています。
各地区ごとにふりつけやテンポも微妙に違い、子供たちが多く華やかなところや、若者が多くポップなところなど、それぞれの地区ごとに特徴があります。
日曜日の夜8時半には、各地区で櫓とともに飾られた、笹や竹で作ったご神体や飾り物が、各家の正月飾りなどと一緒に九頭竜川の河原に集められ、街中の神社で採火されたご神火が点火されて、大きな炎が夜空を焦がす「どんど焼き」となります。この火で神を送り、五穀豊穣と鎮火を祈願するとされています。
まつりの期間中、普段は静かな勝山の本町通りは、カラフルな短冊が頭上につるされ、数多くの屋台が両側に並ぶ中を人がそぞろ歩きする、昔懐かしいニッポンのまつり、といった雰囲気です。どこかレトロな風情が、寒さ厳しい奥越にほのかな温かさを醸し出しています。また、全国から寄せられた川柳に手作りの絵が添えられる絵行燈も見どころの一つです。