緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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トリアージされました

2020年05月16日 | 健康
先日のことです。
35年ぶりくらいに38度を超える熱がでました。
私はあまり熱が出ない体質で、平熱が36度台前半、インフルエンザにかかっても37度に届かないことがほとんど。
前に38度を超えたのはアラサーの頃、扁桃腺炎にかかった時でした。

その日は朝から腹痛と頭痛がありました。
それでもスーパーに買い出しに行き、昼食用にお寿司を買ったのですが、お昼にそれを食べても全然美味しくない。
味が分からないわけではなかったのですが、とにかく美味しくない。
胃も痛いのでした。

昼からは下痢したり頭痛やめまいもあって寝ていました。
夕方、起きてフラフラするので熱を計ると38度2分でした。
真っ先に思ったのは『ヒェ~~!! 私、コロナかも』ということ。
思い当たることは何もなかったのですが。
その日はお風呂に入って早い目に寝ました。

翌日、食欲もなく、熱を計ると36度6分、私にしては高い方。
日曜で、いつもなら家中の掃除をするのですが、その日は一日中寝ていました。
でも腹痛、下痢は治まらず。
夜には熱は36度4分、平熱といっていい状態になっていました。

月曜日、熱はさらに下がって36度とか35度9分とか。
どうやら私の最近の平熱に戻ったみたいです。
でも腹痛と下痢、胃痛は相変わらず。
この日は歯医者の予約があったのですがキャンセルしました。

私は亜鉛不足と鉄不足で薬を飲んでいるのですが、その薬が切れかかっていました。
でも、熱があったのに病院に行っていいのか・・・・。
亜鉛や鉄の薬なんて、あわてて飲まなくてもいいんですけどね。

電話もせずに行って、クリニックの窓口で「熱が出て」なんていうと、相手も困るだろうから、とりあえず電話して、行っていいか聞いてみることにしました。
クリニックの返答は、市の相談窓口に電話して普通のクリニックに行って下さいと言われたなら来てくださいとのことでした。
そして市の電話番号も教えてくれました。

ところがその電話が繋がらない。
何十回かけ直しても繋がらない。
時間を空けて掛け直しても繋がらない。
番号を間違えたのかと思いネットで調べました。

すると市のコロナ関係の電話相談の窓口は4つありました。
おおまかには二種に分かれていて、一つはコロナに関係する様々な給付金等の相談を受け付ける電話で、その中で事業者向けと個人向けに分かれています。
もう一方は健康相談の窓口で、それも二つに分かれています。
一つは健康相談でも接触者・帰国者がかける窓口。
そして最後の一つはそれ以外の人向けの健康相談窓口で、私が教えられたのは最後のそれでした。

電話番号は間違っていなかったので、もう一度何十回かかけてみましたが、やはり繋がらない。
困りました。
この調子なら私はコロナ終息まで、いつまでたっても病院を受診することができません。
仕方なく、県の方の帰国者・接触者の相談窓口の電話にかけました。
すると1回ですぐに繋がりました。
私が自分の症状を話すと「胃腸の方の症状が主ですから一般のクリニックに行ってください」ということでした。

そこで翌日クリニックに行ったのですが、トリアージされました。
つまり別室に通されて診療を受けたのです。
帰ってから診療明細をみると、しっかり「院内トリアージ実施料」が徴収されてました。

この場合のトリアージの意味はコレです。
クリニックの中で、移動経路まで明確に分けられていたわけではなかったです。
でも一応、熱のある患者は別対応だったみたいです。
陰圧室ではなく、カーテンで区切られた一角、開いた窓からの風がビュービュー吹き込む場所でした。
新型コロナウイルス対応でオンライン診療とか、厚労省は新規に様々な策を出しているみたいなのです。
一般病院の「院内トリアージ実施料」の可もその一つのようです。

私の病気は感染性の胃腸炎だったみたいで(要するに変なもん食った?)、医師によれば長い人で1週間くらい続くとか。
医師は聴診器で私のお腹を診て「お腹が冷たい。まだ相当にゴロゴロ音がする」と言いました。
「菌がいるのだろうけれど、それがコロナかどうかは分からない」とも。
整腸剤等、胃腸の調子を整える薬をもらって、翌日くらいには治りました。

今回のことで色々と考えました。
なにより市の相談窓口の電話が繋がらないのは酷くないかと。
私の場合、県に電話して繋がったからよかったけれど、真面目に市に電話をかけ続けていれば永久に繋がらなかったかもしれない。

東京の力士の方で、やはり電話をかけても繋がらず、結局悪化して救急車を呼ぶことになり、それも受け入れ先が見つからず・・・。
コロナで亡くなったというよりは、行政のやり方の不備で亡くなったと言えるのではないかと思います。

今時、帰国者とか接触者はあまりいないと思います。
クラスター対策の名残かもしれませんが、そんな区別をせずに相談を受け付けて欲しいし、なにより電話だけで受け付けるというアナログな対応もやめてほしい。
メールでの受付も可にして、その返答を行政の方からほしい。

NHKBSの世界のドキュメンタリーを見ていると、不安な症状が出た人は、他国では連絡はメールでやっています。
メールでのやりとりだと、発症者が電話での連絡を諦めるということもなくなるのに。
日本では電話が繋がらずに諦めて、悪化して救急車を呼んで、救急外来が大変なことになってと、やっていることがバカみたいです。

さらに必要なことは発熱外来の充実です。
新型コロナウイルスでなくても発熱する人はとても多い筈。
できる限り院内感染を防ぎ、一般のクリニックに負担をかけさせない為には、専門の発熱外来は必要不可欠ではないかしら。
東京では医師会が中心になってやっているようですが、兵庫県ではどうなのか。
結局「院内トリアージ」?

正直、私は自分がトリアージされるとは思っていませんでした。
最悪を考えて行動しなくてはならないとは思っていましたが、落ち着いて考えれば単に「お腹壊した」です。
この病気は、幸運にもそうでなければ心配したことを大袈裟なように思われるし、その一方で必要以上に警戒もされるのです。

前に私の友人がクラスターの発生した施設でボランティアをしていたことを書きました。⇒ココ
友人の場合は、それ以前に施設に行かなくなっていたので接触者にも当たらなかったのです。
ところが彼女はもう一つ、障がい者の作業所にもボランティアに行っていました。
その作業所の理事長から彼女に電話があり、作業所には来ないでくれと言われたとの事。
理由はクラスターの発生した施設でボランティアをしていたからです。

友人はとても怒っていて、もうあの作業所には行かないとまで言っていました。
言い方がかなり酷かったらしいのです。
「まるで人をばい菌みたいに言った」らしいです。
来るのなら陰性である証明書を持ってきてくれとも言われたらしいです。
そんなに簡単にPCR検査が受けられないのは誰だって知っていることです。
友人がクラスターの発生した施設に最後に行った時から1カ月以上は経っているのに。

事態はようやく出口が見え始めているのかもしれませんが、今は第2波、第3波に備えなくてはならない時です。
早くアナログにこだわるのは止めていただき、スピード感と合理性、なによりもサイエンスで備えてほしいものです。