天燈茶房 TENDANCAFE

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どれからなりとおためしください

あそぼーい!が阿蘇にやって来た!! JR九州新観光特急「あそぼーい!」デビュー・乗車レポートその3

2011-06-05 | 鉄道

その2からのつづき

終着駅の宮地に到着した「あそぼーい!」101号は、僅か20分後には「あそぼーい!」102号として熊本駅へと向かい折り返し発車していきます。



「あそぼーい!」が帰っていった後も、宮地駅は大賑わい。
皆が集まっているのはここ。
「くろ駅長室」です!

特急「あそぼーい!」のイメージキャラクター、くろちゃん
実は宮地駅の駅長さんだったんですね。
和歌山のねこの駅長、たまさんとは面識はあるのかな?
(※参考記事→そうだ、ねこの駅長さんに会いに行こう。わかやま電鉄に乗って! 天燈茶房TENDANCAFE 2008年03月05日)


この時は残念ながら「くろ駅長」は外出中で駅長室には不在だったけれど、
大はしゃぎの子どもたちに“仕掛け人”の水戸岡先生も嬉しそうです。



3時間後、「あそぼーい!」は再び103号として宮地駅に戻ってきました。

「帰ろうかな…」
 
15:40、
熊本行きの「あそぼーい!」104号は宮地駅を発車。

帰り道はのんびりと。
「あそぼーい!」は小休止を繰り返しながら、ゆっくり阿蘇を走ります。

赤水駅で、行き違いの「九州横断特急」6号を待ちます。
その間、乗客は駅に降りて散歩。


車体にキチンと「サボ」が挿してありました。
くろちゃんもいますね。


車体にもくろちゃんがたくさん。


それでも騒々しくなく、いかにも「お子様向け」ではなくスマートでお洒落なデザインに仕上がっているのは、さすが水戸岡先生。
本当によく考えられていてセンスのいいデザインは、大人も子どもも魅了します。

車窓に風力発電所の風車が見えてくれば、阿蘇高原ともお別れ。



阿蘇外輪山をスイッチバックで下って、立野駅に到着する頃には夏至直後の長い初夏の日差しも傾き始めます。

17:11、
「あそぼーい!」104号は熊本駅に到着しました。
「ただいま~!」

その僅か3分後、SL人吉も熊本駅に到着。

う~ん、出来ればここはダイヤを微調整して、熊本駅への同時到着を演出して欲しいところですねぇ。
実際、去年引退した「あそ1962」はSL人吉と同時に熊本駅に到着していました。
あれはカッコ良かったなぁ…


ああ、今日はホントに楽しかった!
また乗りたいね、「あそぼーい!」
今度はSL人吉と同時に熊本駅を発車して、同時に帰ってくるといいな!!

…気が付けば僕も子どものように夢を見つつ、阿蘇の休日はおしまい。

また、阿蘇であそぼーい!

レポートおわり。


おまけ画像

「あそぼーい!」一番列車の乗客には、立野駅と阿蘇駅、宮地駅でたくさんのお土産が配られましたよ。
阿蘇の名水で名産の蕎麦を茹でて食べたら、また阿蘇に行きたくなること間違いなし!

あそぼーい!が阿蘇にやって来た!! JR九州新観光特急「あそぼーい!」デビュー・乗車レポートその2

2011-06-05 | 鉄道

その1からのつづきです

いつの間にかソファの隣に座られていた水戸岡鋭治先生に、思い切って御挨拶させて頂きました。

「水戸岡先生、お疲れ様です!今日は『あそぼーい!』の一番列車で終点の宮地駅まで行かれるんですか?」
「ええ、ちょっと阿蘇でイベントもありますんでね…」

突然声をかけてきた初対面の相手にも、気さくに応えてくださる水戸岡先生に感激。

「先生、今日はひょっとして、完成した『あそぼーい!』を初めて御覧になったんじゃないですか?どうですか、新作の仕上がり具合は?」
「うん、この車輌はもともと古い車輌だから前から知ってたんだけど、
(※著者注:「あそぼーい!」に使用されている専用車キハ183-1000は昭和63年に長崎県佐世保市のテーマパークへのアクセス特急「オランダ村特急」として新製されデビューしており、その後「ゆふいんの森Ⅱ世」「シーボルト」さらに「ゆふDX」と度重なるリニューアル工事を受けてきた流浪の車輌でもあるのです。「ゆふDX」は水戸岡先生がリニューアルを手がけておられるので、言わば旧知の車輌。)
リニューアルするときに図面をたくさん描いて、どんな風になるかは事前に頭の中ではわかっていましたからね。
それに、JR九州の小倉工場には素晴らしいプロの職人さん達がいて、いつも僕の思うとおりによく作ってくれるから。」

…さすが、プロフェッショナル。
既に水戸岡先生の頭の中では図面を描いている時点で「あそぼーい!」は出来上がっていて、走り始めていたんですね。
しかもその様子が手に取るようにわかっていたとは、恐るべしデザイナー魂!

「この『くろちゃん』も可愛らしいですね。これも先生が御自身で描かれたんですか?」
「いや、これはね、うちのプロジェクトチームの女性スタッフが描いてくれたんですよ。僕は、配置とかのアレンジをしたの。
僕はね、ほら、そこのステンドグラスの草木の模様の下絵を描いたんだよ」



「それから、これは彫刻の職人さんに頼んで作ってもらいました。本物の金箔が貼ってあるんだよ!」
「おおー!!これは『新800系つばめ』のものと同じ細工物ですね!」
「うん。同じ職人さんに頼みました。」

…実際に、車内のインテリアを指差しながら水戸岡先生に解説して貰えるなんて、何という贅沢な体験でしょう!!
僕と会話している最中もひっきりなしに車内を遊び回り行き交う子どもたちに「楽しい?」「今日はどこから来たの?」と声をかける水戸岡先生。
更に、大人の乗客も「あっ水戸岡さんだ!」と集まってきて、いつの間にかサロンは握手会とサイン会状態に。
水戸岡先生、大人からも子どもからも大人気です!本当に気さくで楽しい方でした。
こんな素敵な人がつくるから、水戸岡鋭治+ドーンデザイン研究所の作品は皆に愛される素晴らしいものばかりなんですね。

水戸岡先生、ありがとうございました!
ますます先生とドーンデザインのファンになりました!!



気がつけば、「あそぼーい!」101号は肥後大津駅を過ぎて豊肥本線の非電化区間に突入しています。
いよいよディーゼル特急のキハ183-1000が本領を発揮し始めました。

やがてパノラマシートの車窓には、雄大な阿蘇外輪山の風景が展開します。




外輪山の裾をじわじわとよじ登って、立野駅に到着。



ここで「あそぼーい!」は、Z字型に前進と後進を繰り返して阿蘇外輪山を突破することで名高い立野スイッチバック進入に備えて小休止。
プラットホームでは、謎のゆるキャラ?がお出迎え。

立野駅停車中に運転士さんが最後尾の運転室によじ登って、スイッチバックに備えます。
ここからは、逆向きに発車。3段スイッチバックで阿蘇高原へと駆け上ります!



車内からでも線路の傾斜が判る程の急勾配を、じりじりと進みます。


3段スイッチバックの2段目と3段目の分岐点となるポイントを通過。


スイッチバックの“どん詰まり”となる2段目末端部まで来ました。
以前は、行き止まりの筈のこの線路の先に何故かトンネルの口が開いているのが見えて、ちょっと薄気味悪いような気分になったりした記憶があるのですが、すっかり草が伸びたせいか「謎のトンネル」は見えませんねぇ。
ともあれ、「あそぼーい!」はここで再び進行方向を変えて外輪山を越え、阿蘇高原に入って行きます。




阿蘇の田園は、心癒される風景です。

阿蘇高原を駆け抜けて、阿蘇観光の中心となる阿蘇駅に到着。



ここでも謎のゆるキャラ登場。
阿蘇ではゆるキャラが流行ってるのかなぁ。葉隠忍者頭目の剣源蔵に教えてあげたほうがいいかな

ゆるキャラと戯れたり、プラットホームを散策したり。
大人も子どもも、思い思いに停車時間を楽しみます。



阿蘇駅を発車すれば、終着駅の宮地はもうすぐ。

正午、12:00。
「あそぼーい!」101号は宮地駅に到着しました。
大歓迎です!!



「ああ~、楽しかった!!」
最高でした、阿蘇に生まれた新しいあそび旅、「あそぼーい!」の旅。

「みんなも、阿蘇であそぼーい!」

その3につづく

あそぼーい!が阿蘇にやって来た!! JR九州新観光特急「あそぼーい!」デビュー・乗車レポートその1

2011-06-05 | 鉄道

平成23年6月4日、JR九州の新しい特急列車がデビューを果たしました。
その名も あそぼーい!

昨年秋、惜しまれつつ引退したレトロ観光列車「あそ1962」
(※参考記事→さよなら、「あそ1962」で秋の阿蘇へ行こう 天燈茶房TENDANCAFE 2010年11月20日) の後を引き継いで熊本駅と阿蘇の宮地駅を結び、

大人も子どもも、みんなで阿蘇で遊ぼう!阿蘇に着くまでの車内でも遊んじゃおう!!
というコンセプトをそのまま詰め込んだような、超楽しい観光列車なのです!
デビュー日の一番列車の指定券チケットは即日完売する人気でしたが、幸いキャンセル待ちでチケットが手に入ったので乗ってきました。
楽しいあそぼーい!の旅をレポートします。

さぁ、阿蘇であそぼーい!



6月4日朝9時半。
熊本駅の5番のりばでは、「あそぼーい!」の出発式の準備が整えられています。
5番のりばには先に発車するSL人吉が入線していますね。


SL人吉の蒸気機関車58654は、2005年までは「SLあそBOY」と名乗って熊本と宮地の間を走っていました。
「あそぼーい!」は、実はこの「SLあそBOY」の名前を引き継いでいるんですね。
後輩のデビューを、SL人吉になった元祖あそBOY も喜んでいるのではないでしょうか。
(※参考記事→さよならSLあそBOY 天燈旅社旅行記)

SL人吉の出発後、「あそぼーい!」の出発式が始まりました。
出席者の中には、「あそぼーい!」をはじめJR九州の数々の列車をプロデュースされた、
ドーンデザイン研究所を率いるデザイナーの水戸岡鋭治先生の姿もあります。


プラットホーム上は大混雑してきたので、車内に入りましょう。
「あそぼーい!」は全席指定ですが、今日僕が座るのは先頭車の更に最前部のパノラマシートです!乗客に最高のパノラマを提供する為に、運転席が2階にあるのが「あそぼーい!」の特徴の一つなのです。
このパノラマシート、当然ながら真っ先に指定券が売り切れた大人気のプラチナチケットなんですが、本当によくキャンセルが出たものです。
…もっとも、実は僕が手に入れたパノラマシートの座席は先頭車じゃなくて、最後尾の一番後ろ側にある後ろ向きのパノラマシートなんですけどね(笑)

10:26、
JR九州のテーマ曲(社歌)「浪漫鉄道」に送られて「あそぼーい!」101号は熊本駅を発車!



熊本市内での線路の改良工事が進む豊肥本線を快調に進んでいきます。



パノラマシートからの後ろ向きの景色も捨て難いのですが、ちょっと車内を散策してみましょう。
この「あそぼーい!」は、とにかく車内のインテリアデザインが凄いのです。
そこかしこにオリジナルキャラクターのくろちゃんが散りばめられ、「子どもが楽しく遊べること」を追求した車内は、そのハイクオリティさで大人の乗客も楽しくさせてくれます!

特に、「あそぼーい!」のシンボルとも言えるのが3号車に連結されたファミリー車両

9席のみ配置された座席は、親子で並んで座れる白いくろちゃんシート
子どもが車窓の景色を見やすいように、徹底的に工夫されています。これは楽しそう!
「僕も、子どもの頃にこんな座席で旅してみたかったなぁ~!」


そして、車内遊園地くろクラブ


木のプールがあります。
車内で泳ごう!

図書館もありますよ。「くろ文庫」


絵本が並ぶ可愛い図書館です。

そして、なんと茶室までも!



一畳半ほどの広さですが、ちゃんと床の間に掛け軸まで提げられた本格的な茶室です。
是非、ここで茶道の先生にお茶を点てて頂きたいですね!
子どもたちに本物の日本の文化に触れてもらう素晴らしい機会になりますよ!

「子どもも大人も楽しめる「くろクラブ」、あそぼーい!を楽しんで下さいね~!」

※客室乗務員さんから許可を得て撮影・掲載しています

ちょっとひと休み。
ファミリー車両の一角にあるビュッフェ「くろカフェ」を覗いてみましょう。

カウンターには、客室乗務員さん手書きのメッセージボードが。
こういう細やかな心配りがJR九州の客室乗務員さん達の素晴らしいところ。


「くろカフェ」のメニューは子どもも大人も好きなものばかり。
折角なので、「こどもびいる」と大人のビールを両方頼んでみました。
(…大人の飲み物は、出来れば阿蘇の地ビールとかワインも置いてほしいなぁ)


面白そうなおもちゃの詰まったショーケースを見ながら、パノラマシートの隣にあるちょっと大人の雰囲気のサロンで一杯。
「あそぼーい!は大人も子どもも誰でも、乗ってるみんなが楽しくなる、本当に凄い列車だねぇ!」
独りごちながらふと振り向くと、サロンのソファの僕の隣にはいつの間にか銀髪のダンディな紳士が…

「えっ…ええーーー!!!
ひょっとして、水戸岡鋭治先生!?」


その2につづく