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天燈茶房 TENDANCAFE

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どれからなりとおためしください

2014初夏・スペイン鉄道音楽美術紀行 38:さよならAVE

2014-08-03 | 旅行記:2014初夏 スペイン
photo:AVE5181号の車窓


37:バレンシアの豪華レトロ駅舎、ノルド(北)駅からの続き


バレンシアのホアキン・ソローリャ駅からマドリッド行きの超特急AVEに乗る前に、Sala Clubで一息。




今回のスペイン旅行では本当にあちこちのターミナル駅でSala Clubのお世話になりました(何だかAVEに乗るためではなくSala Clubで一杯やるために駅に行っていたような気分(笑))。
これが今回最後のSala Clubで飲むノンアルコールビールです。
バレンシアの日差しの下を歩き回った後のBucklerのほろ苦い味が、喉の奥に染み渡っていきます…


ホアキン・ソローリャ駅18:10発、マドリッド・アトーチャ駅行きAVE5181号、1等車PREFERENTEはガラ空き。






どこまでも続く青空と、なだらかな大地。
超特急AVEから眺めるスペインの車窓も、これで暫く見納めです。しっかりと目に焼き付けておかないと…




バレンシアからマドリッドまでの行程では、湖沼を渡っていく区間もあります。
イベリア半島の乾いた大地を潤す、農耕灌漑用の人工湖でしょう。スペインの遅い午後の日差しに、湖面が美しく輝いていました。






なだらかにうねる丘陵地と、その向こうの町へと続く一本道。
名前も知らないあの町には、どんな人たちが暮らしているのかな…

マドリッドが近づくと、AVEの沿線には運行を支える操車場や車輌基地が見えてきます。

基地の側線に停車中の、緑色のAVEを発見!駅や線路等のスペイン国鉄の鉄道インフラ管理を行う会社であるadifのロゴを車体に付けているので、線路の保守管理に使われる編成だと思われます。
つまり…スペインのドクターイエロー!? いや、緑色だからドクターグリーンか…

緑色のドクターイエローに出迎えられ、AVE5181号は定刻通りの午後8時少し前にマドリッド・アトーチャ駅に帰って来ました。


AVEのTalgo車輌を最後にじっくり観察。




Talgoの最大の特徴である連接台車。
トロッコのような寸詰まりの小さな客車が、舵取り機能付きの1輪の車輪に乗っかっています。何とも奇妙で、ユーモラスな形態です。
でも、この1輪車で時速300キロ走行をするのだから凄い!
日本ではまだ実証試験段階のフリーゲージトレイン機能を備えた編成も既に営業運転を行っているし、スペインのTalgo恐るべし!!




※画像をクリックすると大きなパノラマ写真が開きます

これで、スペイン国鉄renfe の超特急AVEによる鉄道の旅は全ての行程を無事終了。
快適な旅をありがとう!

アトーチャ駅の売店で、夕食を買ってホテルに帰ります。


ホテルの部屋で、サラダとサンドイッチの夕食を済ませたら、
今夜はゆっくりバスタブにつかって“超特急乗り鉄”の疲れを癒やすことにしましょう。
明日は、いよいよ旅の最後の日。マドリッドが世界に誇るあの巨大美術館に、念願の絵画を観に行きます。

39:プラド美術館とティッセン=ボルネミッサ美術館に続く

2014初夏・スペイン鉄道音楽美術紀行 37:バレンシアの豪華レトロ駅舎、ノルド(北)駅

2014-08-03 | 旅行記:2014初夏 スペイン
photo:バレンシア・ノルド(北)駅


36:マドリッドからバレンシアまで、午後の超特急旅行からの続き





バレンシアの「新幹線駅」、ホアキン・ソローリャ駅から線路に添った通りを歩くこと約10分。
地中海がすぐ近くにあるせいか一際青く晴れ渡った空の下に、レトロで絢爛豪華な駅舎が見えてきました。


バレンシアの「在来線駅」、ノルド(北)駅です!


駅前広場から眺めたノルド(北)駅全景(※画像をクリックすると大きなパノラマ写真が開きます)
堂々たる駅舎のファサードの左側には、闘牛場まで備わっています。

ノルド(北)駅の駅舎は1917年に建てられたもうすぐ築百年のモダニズム(モデルニスモ)建築だそうです。
バレンシアにこんなに立派な歴史的駅舎があるなんて全く知らなかったので驚きました!




駅舎の中も開業当時そのままの構造を残しているようです。
壁一面と天井を彩る鮮やかなモザイク装飾が素晴らしい!
きっぷ売り場も、昔のヨーロッパ映画に登場するような小さな窓口が並ぶスタイルを留めていますね。本当にクラシック映画のワンシーンを見ているようです。


でも、昔ながらの駅構内にもしっかり最新式のチケット自販機が備わっていて、ちゃんと21世紀の鉄道駅として機能しているのがまたいいですね。

スペインでは、どの都市のターミナル駅もとにかく手入れと清掃が行き届いていて清潔で機能的という好印象を受けますが、
このバレンシア・ノルド(北)駅も古くて歴史的価値のある駅舎を特に丁寧に手入れして、大切に使っていこうという気持ちが感じられます。




コンコースの一画に、案内看板を掲げた区画を発見。
昔は貴賓室か、1等車の乗客専用の待合室だった部屋かもしれません。
そう言えば、このノルド(北)駅とほぼ同時期に完成した九州の門司港駅にも、駅構内にこんな部屋があったなぁ…






モザイクとタイル絵が本当に素晴らしい。
まるで宮殿の部屋のような綺羅びやかさです。

超豪華な待合室を出て、列車の待つプラットホームへ。
大ドームが頭端式のホームを覆う、典型的なヨーロッパ式ターミナル駅の構造です。



プラットホームに面した壁面の装飾も凝っています。


ちょっと威圧的な赤い星の紋章が、プラットホームを行き交う旅人を見下ろしています。
この少し不気味な赤い星、てっきりフランコ独裁時代の名残りか何かだと思っていたら、ノルド(北)駅を開業させた鉄道会社の社章だったそう。





これほど立派で豪華なノルド(北)駅ですが、現在は超特急AVEが発着するホアキン・ソローリャ駅にバレンシアの表玄関の地位を奪われて、近郊線セルカニアスと一部のローカル急行列車が発着するだけの地味な駅になってしまっています。
歴史的な駅舎と大ドームがかえって仇になって、AVEが乗り入れられるような大規模な構内拡張と改修工事が行えなかったという理由もあるのかも知れませんが、ちょっと寂しいですね…


ともあれ、バレンシア・ノルド(北)駅を隅から隅まで眺めて堪能しました。本当に素晴らしい駅でした!
この駅を見ただけで、バレンシアまで来た甲斐があったという気がします。

という訳で、バレンシア名物のパエリアもバレンシアオレンジも食べていませんが(※どうやらバレンシアオレンジは実はバレンシアが発祥という訳では無いらしいが…)、充分満足したのでそろそろマドリッドに帰りましょう。
帰りは、ノルド(北)駅のプラットホームの一画からホアキン・ソローリャ駅までのシャトルバスが出ているのを見つけて、無料で乗せてくれたので助かりました。


38:さよならAVEに続く