相変わらずのメモ形式なので、誤字脱字あったら教えていただけたら幸いです。
今回はB型肝炎の方が私としては興味がある内容が多かったです。
ポスター発表から
P-60 ベータ型のインターフェロンのあとペグリバを継続する報告が奥新先生達のグループから有りました。これは、ベータの二回うち(1日量を朝夕に分けて二回打つことでウイルスの減少効果を高める方法)2週でウイルスを減らせるとその後のペグりば24週で済むという優れた治療です。現実的には外来で実施しずらいのでなかなかうちでは出来ないのですが、これにより、ウイルス量が1週目に2Log IU/ml以上か未検出の患者さん、2週目で3LogIU/ml以上か未検出となった患者さん、4週目で未検出となった患者さんで検討した結果が示されていました。2週目までに条件をクリアしている患者さんでは80%にSVRがえられるという力強い結果(もちろん早くウイルスが減るほど効果がいいのはよく言われていることです)、この治療のいいところは、26週で終了となることです。そして、最初のうちにウイルス量のヘリが遅い場合には、違う方法を検討しましょうと言えると。実際の臨床では開始時には月2回のウイルス測定ができますので、臨床の先生がたがすぐ応用できる結果となっています。奥新先生の発表はいつもすぐ応用できるので楽しみにしています。開始時のウイルスは前月に測って、開始月は1週目2週目、そして次の月には4週目を測ればこの方法が使えるということになります。ベータ型を先行しなくても、αでもこのペースで減るなら十分効果を期待できると言えると思います。
口頭発表では急性肝炎のB型についてのセッションに参加したとき
今の日本では、B型の急性肝炎が増えてきていて、ゲノタイプAが慢性化するというのは以前からいわれてきたことですが、性行為での感染が増えてきていて、B型だけではなくHIVやクラミジアなど他の性行為感染症もチェックしていくことが重要であることが、いわれていました。急性肝炎で核酸アナログ製剤を使うかどうかについては、発症時が明確でないためにまだ難しいのですが、自然経過をみていて治ってしまう場合も含まれているので核酸アナログが本当に必要な症例を絞りきれない所があるようです。
ゲノタイプのAの場合は、s抗原の陰性化も半年前後かかることが特徴で経過からもわかるようです。
ランチョンでB型肝炎のユニバーサルワクチンの話が聞けました。
国際化に伴い年間150から1500例のB型の急性肝炎の発症がある時代になってきていると。それも、慢性化するゲノタイプのAの比率が半分を占めるようになってきている。ピークは20代30代なので性行為による物が多く、やはりワクチンの必要性がましてきていることがわかります。
国民のB型キャリア(s抗原陽性)率は、8%以上の国が60%もある時代で、日本は2%以下の少ない国ですが、この時代は交流が多いことから国だけで考えるわけにはいかないということがよくわかります。そして、先進国では日本は数少ないB型肝炎ワクチンをじっしていない国になっちゃっています。国民を守っていないといわれるような感じ。。。
そうなると乳幼児期にワクチンをしておくことが、国民を守ることにつながり、たくさんの人が受けることで高齢者や合併症のある人たちもまもれるようになることから、アメリカでは予防接種は社会人の義務として定着していると話していました。
また、日本では有害事象(薬と関係なく起こるものも含む)と副作用(薬によるもの)をごっちゃにしているために、マスコミの対応も非常に問題で教育の必要性も述べられていました。
そして、海外では同日に複数のワクチンを接種することが当たり前となっており、日本でも小児科学会では認めているのに、国が添付文書に単独投与を考慮する事と追記させていてこれも実施する上で足かせになり得ることを述べていました。責任を追及されることを避けるための言い訳なんだろうなあと思って聞いていました。
じっさい、アメリカでは同時接種(異なるワクチンを混ぜて1本の注射にしてはいけないけど)により副作用が増えたりすることがないこともしっかりと確認されているそうです。
打つワクチンが沢山あるのでチェック票を作って、わかりやすくする工夫も現在はされているそうです。
皮下注射と筋肉注射についても、皮下のほうがうったあとの痛みや腫れが多く、筋注が望ましいことも意外と知られていないといっていました。効果も筋注の方がいいようと。
補償と救済制度についても改善が必要といっていました。アメリカでは誰もがネットを通じて副作用や有害事象を報告できるようになっていて、補償のでる範囲もしっかりと決められていて、でると最初から認めているものについてはすぐでるそうです。微妙なものは検討すると。
ワクチンを国策として導入するにも検討する組織が国とは独立してあることも大事だと話していました。
酵母をつかったワクチンが増えているので酵母アレルギーについて質問が出ていましたが、乳幼児期にはほとんどないアレルギーで、実際に報告もないのでほとんど心配ないと話していました。
あと、B型肝炎の核酸アナログ製剤をやめる方法などについてもたくさんの報告がされるようになってきていて、安心してやめられる方法が見えてきている感じがします。