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■「ホルミシス効果について~その一」
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みなさん。こんにちは。崎谷です。
「ホルミシス効果」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
おりしも福島原発事故後の放射能の害悪について賛否両論に分かれました。
放射能の害悪がないと主張する方たちの根拠には、放射線による「ホルミシス効果」があり、むしろ体に良いのだというものがあります。
「ホルミシス効果」とは、毒性物質やストレスがかかると体が傷害を受けますが、その修復過程でむしろ健康効果が高まるというものです。ただし、傷害を与える物質が過量になるとこの効果はもちろん認められません。
さて、人体に本当に「ホルミシス効果」があるのでしょうか?
「ホルミシス効果」は、すでに1888 年にドイツの薬理学者が酵母を使った実験で、酵母に対する殺傷能力のある毒性物質を
ごく少量与えたところ、死滅せずに成長したという観察実験が最初です。(実際に「ホルミシス効果」という言葉が使用されたのは1943年です)
しかし・・・・
その前に狩猟採集時代に答えが出ています。狩猟採集時代には、いつも豊富に食糧が手に届くところにはありませんでした。狩りや採集では食糧が確保できないときもしばしばありました。このような短期間の飢餓状態は狩猟採集時代においては常態だったと考えられます。
このことを最近裏付ける研究結果がたくさん出ています。(今度、リニューアルされるメディカルパレオプログラムにも詳述しておりますので、是非ご参考にされてくださいね)。
短期間の飢餓状態=カロリー制限がガンや慢性病を改善させるという研究です。( Oncologist 2013;18(1):97-103. etc.)
さらにある種の運動で短期間の負荷を体にかけると脳の機能改善、筋肉の増大、免疫機能の向上が認められることも研究報告されています。
(これもメディカルパレオプログラムの「パレオフイットネス」で詳しく説明しておりますので、楽しみにされてください。」)
つまり、最近の実験結果から狩猟採集時代にあった短期間のストレスはむしろ体を丈夫にするという「ホルミシス効果」が証明されてきたということなのです。
それでは「ホルミシス効果」はいったいどこに働いてるのでしょうか?これを次回説明していきたいと思います。
今回は、その研究結果について考察していきたいと思います。
この研究は、カラハリ砂漠に現存するブッシュマン(狩猟採集民族)についての調査です。
人類は約100万年前から「火」を使い始めました。それを調理などに定期的に使い始めたのは約40万年前と推定されています。ところがその「火」。調理ではなく、もっと大切な目的に使用していました。それは・・・・日が暮れてからのメンバーの「コミュニケーション」です。
今回の現存する狩猟採集民族の研究では、昼間と日が暮れてからの火を囲んでのコミュニケーションに大きな違いがあったことが判明しました。
具体的には
昼間のコミュニケーションでは、
・ゴシップ(他人の噂話)
・他人の批判、
・不平・不満
・経済的問題(食糧問題)
・人間関係
など、コミュニティの社会問題がほとんどでした。
これは、いわゆる主婦にみる「井戸端会議」といわれるものと同じですね。
ところが、夜のキャンプファイアーを囲むコミュニケーションでは
・ストーリー(人々の絆と深めるため)
・スピリチュアル
・歌、踊り
などがほとんどでした。
つまり夜の「火」を使ったコミュニケーションは昼間の人類の揉め事や感情の軋轢などをすべて「洗い流す」し、人類本来の姿を取り戻す時間帯だったのです。
おそらく忙しい現代人は日中は過去起こった辛いこと、楽しいことあるいは将来の不安や「~しなればならない」にとらわれて「本来の自分」を見失っているでしょう(かくいう私もその代表です)。
これを私たちの現在の生活に置き換えると、夕食の時間あるいは、夕食後の家族との団らんが非常に重要な意味をもってくるのではないでしょうか?少し自分の日中の「とらわれ」から一歩下がって自分を見つめる時間が欲しいものですね。