日経メデイカルからの抜粋です。
ビタミンD投与で4週後にNAFLD患者の肝脂肪量が減少 2015/4/26 欧州肝臓学会取材班
ドイツSaarland University Medical CenterのCaroline Stokes氏
ビタミンDは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症や病態に深く関与しており、NAFLD患者は血中ビタミンD濃度が低下していることが報告されている。そのため、ビタミンD不足を是正すれば肝脂肪症が改善する可能性がある。今回、肝脂肪蓄積が認められる患者において、ビタミンD投与により肝脂肪量が減少すること示された。欧州肝臓学会(EASL2015、4月22~26日、ウィーン開催)で、ドイツSaarland UniversityMedical CenterのCaroline Stokes氏らが報告した。
本研究は単一施設においてオープンラベル、単群で実施
され、肝脂肪蓄積が多く認められる患者40例に対してビタミンDを投与し、肝脂肪量の変化を比較検討した。肝脂肪量の測定には非侵襲的な評価指標であるCAP(controlled attenuation parameter)を用いた。
ビタミンDとしてコレカルシフェロール(ビタミンD3)20000 IUを最初は7日間連続で、その後は週に1回、6カ月後まで投与した。初期にコレカルシフェロールを連日投与したのは、栄養状態が不良だと反応性が低いことが報告されているため。なお、ライフスタイルへの介入は行っていない。
対象の年齢は54.9歳、男性が21例、BMIは29.5kg/m2、BMI 30kg/m2以上が45%を占め、体脂肪率は32.3%、内臓脂肪スコアは11.4だった。4週後は全例を追跡できていたが、3カ月後は33例だった(6カ月後のデータは集計中のため未発表)。
その結果、4週間のビタミンD投与により、血中25(OH)Dは11.8ng/mLから34.6ng/mLに有意に上昇(P<0.001)、副甲状腺ホル
モン(PTH)は41.5pg/mLから34.5pg/lLに有意に低下し(P=0.002)、CAPは329.8dB/mから310.8dB/mに有意
に下がっていた(P=0.012)。なお、BMI、体脂肪率、ALT、ASTなどでは有意な変動が認められなかった。
今回の検討から、肝脂肪症は4週間のビタミンD投与で改善すること、CAPは肝脂肪症の変化を鋭敏に評価できるこ
とが示された。Stokes氏は、「治療反応性の高い患者を対象としたランダム化比較試験を行うとともに、ビタミンD投与による肝細胞の脂質リモデリングの分子機序を解明する必要がある」との見解を示した。
ビタミンD投与で4週後にNAFLD患者の肝脂肪量が減少 2015/4/26 欧州肝臓学会取材班
ドイツSaarland University Medical CenterのCaroline Stokes氏
ビタミンDは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症や病態に深く関与しており、NAFLD患者は血中ビタミンD濃度が低下していることが報告されている。そのため、ビタミンD不足を是正すれば肝脂肪症が改善する可能性がある。今回、肝脂肪蓄積が認められる患者において、ビタミンD投与により肝脂肪量が減少すること示された。欧州肝臓学会(EASL2015、4月22~26日、ウィーン開催)で、ドイツSaarland UniversityMedical CenterのCaroline Stokes氏らが報告した。
本研究は単一施設においてオープンラベル、単群で実施
され、肝脂肪蓄積が多く認められる患者40例に対してビタミンDを投与し、肝脂肪量の変化を比較検討した。肝脂肪量の測定には非侵襲的な評価指標であるCAP(controlled attenuation parameter)を用いた。
ビタミンDとしてコレカルシフェロール(ビタミンD3)20000 IUを最初は7日間連続で、その後は週に1回、6カ月後まで投与した。初期にコレカルシフェロールを連日投与したのは、栄養状態が不良だと反応性が低いことが報告されているため。なお、ライフスタイルへの介入は行っていない。
対象の年齢は54.9歳、男性が21例、BMIは29.5kg/m2、BMI 30kg/m2以上が45%を占め、体脂肪率は32.3%、内臓脂肪スコアは11.4だった。4週後は全例を追跡できていたが、3カ月後は33例だった(6カ月後のデータは集計中のため未発表)。
その結果、4週間のビタミンD投与により、血中25(OH)Dは11.8ng/mLから34.6ng/mLに有意に上昇(P<0.001)、副甲状腺ホル
モン(PTH)は41.5pg/mLから34.5pg/lLに有意に低下し(P=0.002)、CAPは329.8dB/mから310.8dB/mに有意
に下がっていた(P=0.012)。なお、BMI、体脂肪率、ALT、ASTなどでは有意な変動が認められなかった。
今回の検討から、肝脂肪症は4週間のビタミンD投与で改善すること、CAPは肝脂肪症の変化を鋭敏に評価できるこ
とが示された。Stokes氏は、「治療反応性の高い患者を対象としたランダム化比較試験を行うとともに、ビタミンD投与による肝細胞の脂質リモデリングの分子機序を解明する必要がある」との見解を示した。