2014年9月から使えるようになった、ダクルインザとスンベプラについて、耐性ウイルスがあるからと治療を待てる状態にある方はそのイメージで過ごして頂くことが大事です。しかし、使う方がいいと判断にて開始した患者さんで効果が無かった方にはいろんな話が出てきているので少しでも安心できるようにと書いてみました。安心するために都合よく書いているところがあると思う方もいるかとは思いますがこう思うことが大事だと思って書いています。
2015年4月30日作成
20年以上前、インターフェロンの効果がないと、意味がない、まったく元に戻って辛いだけと言う説明をしていた先生方沢山いました。でも、インターフェロンの時でさえ、何度も繰り返すことで効くようになった患者さんがいました。そして、効果がないと言われても続けたことで発がん抑制の効果はあり得るというデータも出てきました。
その使われ始めた当時は、効果がなければ肝がんの抑制がないと言われたりもしていました。でも、いまは、効果があるって言う先生がほとんどです。
ダクルインザとスンベプラも、陰性になった方にとっては間違いなく、効果があっていい薬と言うことが言えると思います。ただ、陰性にならなかったらまったく効果がないとか、それによって耐性ができて治療しないよりさらに悪いことにつながるという話は、言い過ぎと思っています。結果論で待った方がよかったという話はあり得ると思いますが、本当に発癌がゼロに近い状態で待てる方は、私の担当している患者さんにはそうそういません。(もちろん担当する患者さんの進行度合いが病院によってもかなり違うので、あまり参考にならないかも知れません)発がん抑制についてのエビデンスはこれからですが、陰性化したり,ALTが正常化したりしたかたについては、間違いなくその分発癌は遅れているはずです。それが、どのくらいの期間に相当するかは今後の研究で見えてくると思いますが、今までのインターフェロンでもここまで肝予備能を回復させてくれた薬はありません。(最初からダクルとスンベが全く効果が無い方については、この薬で効果がなかったと言うことが次の薬を使う上で重要になりますので、これもよかったと言っていいと私はとっています)
なので、肝がんになる危険性があると判断して使った方については、発癌の芽が出る前であれば数ヶ月でも発癌の時期を遅らせることにつながっていると思われます。これはこの間の治療の反応から見てもまず間違いないでしょう。待っている間にガンの芽ができてしまったらそのあとになんぼ治療をしても消せなくなることがあるのです、だから、発癌の危険をもっていると判断して治療しているなら、ALTの改善、ウイルス陰性化といった効果があれば間違いなく時間を稼げたと思います。
なので、やらなければよかったと思うよりやってよかったと思うようにして下さい。そしてそう思う方が次の治療を効果的にしてくれます。
自分が必要な治療に巡り会うイメージを常にもって過ごして下さい。
少なくても、私の20年の肝臓専門医で治療してきた流れから、今回のダクルインザとスンベプラがきかなかった方にはこういう説明をしています。
そして、まちがいなく耐性ウイルスをやっつける薬がでてきます。早いほどもちろんいいですけどね。私の予想では、稼いだ時間の間に出てくれるくらい早いと思います。それはもうある薬かも知れません。100%ということは難しいかも知れませんが、最終的には、いろんな作戦で到達するレベルには行くと思います。そこは、先生方が必ず作ってくれると信じましょう。C型肝炎ウイルスの飲み薬は10年前には、出てくると予想し切れた人はいませんでした。それがもう出ているのですから、耐性のウイルスへの薬も間違いなくできてきます。その間できるだけ肝臓を元気に保つこと、待つことなく絶え間なく元気に保つようにイメージしてがんばっていきましょう。