半年振りぐらいにマクドナルドへ来てみた。日曜昼下がりだから客は大入りだ。外気が異様に高いので、涼みによる年寄りも多いみたいだ。とはいえ、喫煙席はがらがらなので、僕は以前のようにいつもの席にゆうゆうと座ってモバイル機器を取り出してテーブル上にそれを置き、さてのんびりと葉巻をふかすのである。
あれ、エクスぺリアGXが勝手に再起動しやがった…。
マックに関してここ一年は良い噂を聞かない。経営者がだめだとか、コーヒーおかわりが出来なくなったとか、カウンターメニューがなくなったとか、まあいろいろ。そうはいっても僕にとっては以前と変わらず、時間をつぶせる心地よい空間であることに変わらず、清潔で(喫煙席は)騒がしくなく、こうしてモバイル機器を触るに最もてきしたところと断定してもよい。
思えばPalm機にBTKBを挿し、詩か散文かわからぬものを喫茶店で書いていた。その後はラジェやジョルナダ、シグマリオンと小さなコンピュータが常に隣にあった。バブルもあらかた弾けてしまった活気ない町に僕はオアシスを見つけた。それがマックだったのだ。時間を気にせずに(少しは気にしてたか)、空調のよく効いた店内にパソコンやモバイル機器を持ち込んで、そこは僕の書斎となっていたものだ。
モバイル熱はまだ冷めないけれど、そのうち世間は失われた20年を経験した後少しだけ大人になっていった。僕も相応歳をくい、マックにはよらなくなってしまっていた。
本日実は深川郵便局に荷物をとりに東陽町まで来たついでに、ふらとよってみたのであって、これからも頻繁によることはないであろうこのお店。記憶にある僕の詩や散文はほとんどがここで作られたものであり、懐かしさと強すぎる冷房のなかで、涙を浮かべつつ過去作ったそれらのものをしみじみ眺めるのであった。
H25.5.12 13:37 東陽町 LYNX