宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

予想に反して生き残った彗星

2015年03月02日 | 流星群/彗星を見よう
2月の18日から21日にかけて、
太陽をかすめるように近日点を通過した彗星の姿を、
NASAの太陽観測衛星“SOHO”がとらえました。

この彗星“SOHO(C/2015 D1)”は、
ほとんどの彗星と同じように、太陽への最接近で蒸発すると考えられていました。

でも予測に反して、太陽表面から約350万キロの距離を通過した後も生き残ったんですねー


さらに興味深いのは、この彗星がどのグループにも属していないこと。
2月20日に“SOHO”のLASCO C3カメラがとらえた
彗星“SOHO(C/2015 D1)”

“SOHO”の視野に入るような彗星は、
太陽のすぐそばをかすめる“クロイツ群”に属しているものがほとんどです。

“クロイツ群”の彗星は似通った軌道を持っていて、1つの巨大な彗星が、
かつてバラバラになったもののようです。

また、その明るさも特異で、
2月21日に“SOHO”の視野から抜けたときの彗星の明るさは4~4.5等級でした。
“SOHO”のLASCO C2カメラの視野中を移動する
彗星“SOHO(C/2015 D1)”

思いのほか
早く消滅するかもしれないようで、
今後も地上から“SOHO(C/2015 D1)”を観測できるか、確立は半々…

これから“SOHO(C/2015 D1)”は、
うお座からペガサス座まで移動。

おそらく6等級以上になることはなく、
予想外のアウトバーストを起こさない限り、数日のうちに暗くなるそうです。

日没後の西の低い空に位置するので、観測は難しそうですね。