宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

若い恒星の周りに、地球に似た軌道を持つ惑星の誕生現場を発見。

2016年04月17日 | 宇宙 space
若い恒星を取り巻く原始惑星系円盤で、
中心から太陽~地球間に相当する距離のところに隙間が見つかりました。

惑星が誕生する場所では、
チリやガスが材料として使われるので隙間ができます。

なので、この隙間は地球とよく似た惑星、
あるいはもう少し大きな“スーパーアース”が、
まさに今生まれている現場なのかもしれないんですねー


うみへび座TW星

地球から175光年の距離にある約1000万歳の若い恒星がうみへび座TW星です。

その周囲には原始惑星系円盤が広がっていて、
太陽系が誕生してから1000万年ほどたったころの姿に似ていると考えられているんですねー

円盤を真正面から見ることができるという好都合な点もあり、
盛んに観測が行われています。


隙間の存在

今回の研究では、
この恒星の周りにあるチリが放つ微弱な電波をアルマ望遠鏡で観測。

円盤の構造が非常に詳細に撮影されたんですねー

そして目をひいたのが、
中心から約1.5億キロ(太陽から地球の距離)のところに見つかった隙間でした。
うみへび座TW星の周りの原始惑星系円盤。
拡大図では星に最も近い円盤の隙間が写し出されている。

66台のアンテナで構成されたアルマ望遠鏡は、
そのアンテナの間隔を広げることで解像度を高めることができます。

今回の成果は、
それらのアンテナを14キロまで展開することにより達成された、
超解像度によるものでした。

円盤が詳細にとらえられたことにより、
同心円状のチリの帯と隙間が、はっきり見えてきました。

このことが意味するのは、
地球に似た軌道を持つ惑星がここで作られていること。

今回の画像は、
アルマ望遠鏡で原始惑星系円盤の最も内側を撮影したものになり、
これを超える画像は、そう簡単にはでてこないそうです。


隙間は他にもあった

隙間は、中心星から1.5億キロのところだけでなく、
30億キロと60億キロのところにもあることが分かりました。

この隙間の位置は、
太陽系では、それぞれ天王星や冥王星の軌道に相当し、
これらの隙間も、形成途中の惑星が周囲のチリとガスを集めることにより、
作られた可能性があるんですねー

アルマ望遠鏡は、うみへび座TW星よりさらに若い、
おうし座HL星(年齢は約100万歳)を取り巻くチリの円盤も、
非常に高い解像度で撮影し、惑星誕生の兆候をとらえています。

今後、この2つだけでなく、
他の原始惑星系円盤にも似たような構造があるかどうかを調べ、
年齢や環境によって、それがどのように異なるのかを詳しく研究するそうです。

そうすれば、私たちが住む地球の形成過程をより良く理解することができます。

地球に似た惑星がどのくらい存在するのか?
  という謎にも迫れるかもしれませんね。