アルマ望遠鏡がとらえた重力レンズ銀河“SDP.81”の画像に、
かすかなゆがみが隠されていました。
そのゆがみを生じさせたのは、なんと約40億光年彼方に潜む暗い矮小銀河…
矮小銀河は数十億個以下の恒星からなる小さな銀河なので、
ゆがみを生じさせるほどの質量はないはずです。
なので、この理論予測と観測結果の不一致は、
矮小銀河の主成分が見えない物質“ダークマター”の可能性があるんですねー
重力レンズ効果
2014年にアルマ望遠鏡によって撮影された銀河“SDP.81”は、
うみへび座の方向117億光年の彼方にあります。
この“SDP.81”と地球との間に別の銀河が存在していて、
その銀河の重力が引き起こした“重力レンズ効果”で、
“SDP.81”は“アインシュタインリング”と呼ばれる美しい円弧状の像として、
とらえられたんですねー
像のゆがみ具合を調べると、
手前にあるレンズ源となっている銀河の性質を探ることができます。
今回の研究では“SDP.81”の画像を詳細に解析。
すると、その中にかすかなゆがみが見つかります。
かすかなゆがみを引き起こしたのは、
“アインシュタインリング”を作り出した銀河とは別の銀河で、
天の川銀河の1000分の1以下の質量しかない、
矮小銀河の“重力レンズ効果”によるものとみられています。
ダークマターで構成された銀河
この矮小銀河は手前にある銀河の伴銀河だと考えられているのですが、
その伴銀河に属する天体が光で見えていないので、
主に“ダークマター”で構成される極めて暗い銀河だと推測できます。
理論的には、ほとんどの大きい銀河には、
似たような矮小銀河や伴銀河が存在していると予測されているものの、
観測では、それよりずっと少ない数しか見つかっていません。
この不一致は、ここ20年間の宇宙論における代表的な問題なんですが、
もし、これら矮小天体の主成分が“ダークマター”だとしたら、
この不一致を説明できるかもしれないんですねー
さらに、“ダークマター”の真の性質を理解するための新たな手がかりにもなります。
今回の研究結果は、
大多数の矮小銀河は“ダークマター”が主成分であり、
光を発しないため見ることができないが、
実際には存在しているということを示すことになりました。
さらに、アルマ望遠鏡のパワーを発揮した驚くべき実例だといえます。
今後もアルマ望遠鏡が効率よく矮小銀河を見つけてくれると、
次のステップは、より多くの同じような天体を探し、その統計の調査にすすめますね。
かすかなゆがみが隠されていました。
そのゆがみを生じさせたのは、なんと約40億光年彼方に潜む暗い矮小銀河…
矮小銀河は数十億個以下の恒星からなる小さな銀河なので、
ゆがみを生じさせるほどの質量はないはずです。
なので、この理論予測と観測結果の不一致は、
矮小銀河の主成分が見えない物質“ダークマター”の可能性があるんですねー
重力レンズ効果
2014年にアルマ望遠鏡によって撮影された銀河“SDP.81”は、
うみへび座の方向117億光年の彼方にあります。
この“SDP.81”と地球との間に別の銀河が存在していて、
その銀河の重力が引き起こした“重力レンズ効果”で、
“SDP.81”は“アインシュタインリング”と呼ばれる美しい円弧状の像として、
とらえられたんですねー
像のゆがみ具合を調べると、
手前にあるレンズ源となっている銀河の性質を探ることができます。
今回の研究では“SDP.81”の画像を詳細に解析。
すると、その中にかすかなゆがみが見つかります。
かすかなゆがみを引き起こしたのは、
“アインシュタインリング”を作り出した銀河とは別の銀河で、
天の川銀河の1000分の1以下の質量しかない、
矮小銀河の“重力レンズ効果”によるものとみられています。
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手前にある重い銀河(中央青)の重力レンズ効果によって、 ゆがんだ遠方の銀河“SDP.81”(赤い円弧)と、 円弧中のゆがみを生み出した矮小銀河(白)のイメージ図。 |
ダークマターで構成された銀河
この矮小銀河は手前にある銀河の伴銀河だと考えられているのですが、
その伴銀河に属する天体が光で見えていないので、
主に“ダークマター”で構成される極めて暗い銀河だと推測できます。
理論的には、ほとんどの大きい銀河には、
似たような矮小銀河や伴銀河が存在していると予測されているものの、
観測では、それよりずっと少ない数しか見つかっていません。
この不一致は、ここ20年間の宇宙論における代表的な問題なんですが、
もし、これら矮小天体の主成分が“ダークマター”だとしたら、
この不一致を説明できるかもしれないんですねー
さらに、“ダークマター”の真の性質を理解するための新たな手がかりにもなります。
今回の研究結果は、
大多数の矮小銀河は“ダークマター”が主成分であり、
光を発しないため見ることができないが、
実際には存在しているということを示すことになりました。
さらに、アルマ望遠鏡のパワーを発揮した驚くべき実例だといえます。
今後もアルマ望遠鏡が効率よく矮小銀河を見つけてくれると、
次のステップは、より多くの同じような天体を探し、その統計の調査にすすめますね。