宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

小規模の銀河群なのに超大質量のブラックホールが存在した!?

2016年04月22日 | 宇宙 space
最大級の質量を持つブラックホールは、
銀河が多数密集した銀河団に属する銀河に存在する。

っと考えられてきたのですが、
銀河がそれほど多くは存在していない領域の銀河にも、
太陽質量の170億倍ものブラックホールが見つかったんですねー

ひょっとすると、この種のブラックホールは、
意外とありふれた存在なのかもしれませんね。


大きい銀河が多く存在する領域

これまで、太陽の100億倍もの質量を持つような最大級のブラックホールは、
大きい銀河が多く存在する領域にある巨大銀河の中心に発見されてきました。

現在の記録は、2011年に銀河“NGC 4889”に発見された、
太陽質量の210億倍もあるブラックホール。

そして、この銀河“NGC 4889”も1000個以上の銀河が集まっている、
かみのけ座銀河団に存在しているんですねー


銀河に対して大きすぎるブラックホール

ところが、それとは反対に、
銀河が20個ほどしか存在しない小さなグループの中に、
太陽質量の170億倍ものブラックホールが見つかります。

このブラックホールが存在する楕円銀河“NGC 1600”は、
エリダヌス座の方向約2億光年の距離にあり、
銀河に対してブラックホールの質量が大きすぎる(予想の10倍もある)という、
奇妙な特徴も併せ持っています。
銀河“NGC 1600”。
広域画像はDSS、拡大画像はハッブル宇宙望遠鏡による近赤外線で見た銀河中心部。

まぁー かみのけ座銀河団のような多数の銀河集まる天体の方が、
非常に珍しい存在なんですねー

一方で“NGC 1600”のグループ程度の規模の銀河群は多数存在しています。

なので今回、小さなグループにも、
モンスター級のブラックホールが見つかったということは、
モンスター級のブラックホールは、
いわば宇宙の郊外のような場所に、もっとたくさんあるのかもしれません。


ブラックホール連星

ただ興味深いのは、
“NGC 1600”の中心を回っている星々の運動が、
ブラックホールが連星系をなしているのかのような振る舞いを、
見せているという点…

大きな銀河は小さい銀河同士の合体を繰り返して成長する、
っと考えられています。

その際に、
元の小さい銀河の中心にあったブラックホールも合体することになります。

でも大きい銀河の中心に、
まだ合体しきれていないブラックホールの連星が存在することは、
よくあることと考えられているんですねー

ひょっとすると、
まだ見つかっていないブラックホールが存在しているのかもしれませんね。