ハワイのすばる望遠鏡でラブジョイ彗星を詳しく観測した結果、
イオンの尾の構造が、20分ほどの間に大きく変化していたことが分かりました。
地球に近づいて十分に明るく見える彗星は、1年に1つあるかないかで極めて少ない存在。
なので、イオンの尾の急激な変化の観測データが少なく、
まだよく理解されていないんですねー
今回の研究では、すばる望遠鏡の広い視野と高い集光力が威力を発揮することになります。
彗星の尾には、チリとイオンの両方があり、
今回は、イオンの尾を詳しく調べています。
そして、すばる望遠鏡に搭載された主焦点カメラで、
彗星の核から80万キロほどの範囲のイオンの尾を、繰り返し観測して、
刻々と変わる様子を追っているんですねー
観測に使われた“Iバンド(波長850ナノメートル)”では水イオン、
“Vバンド(波長550ナノメートル)”では一酸化炭素イオンと水イオンが発する光を、
それぞれとらえています。
そして、データを詳しく調べたところ、
ラブジョイ彗星の尾の大局的な構造が、10分間ほどで刻々と変化していたことが分かることに…
さらに、イオンの尾の中を詳しく解析して、
核から30万キロほどの位置に塊が生まれて、秒速20~25キロで下流に流れていく様子も発見しました。
イオンの尾は、太陽から流れてくる太陽風で、
彗星の核付近の原子や分子がイオン化して、吹き流されてできたもので、
最終的には太陽風の速度(秒速300~700キロ)に達すると見られています。
今回の観測は、彗星の近くでイオンの塊が、
太陽風によって最初の加速を受けつつある状態をとらえたものといえます。
観測当時、ラブジョイ彗星のイオンの尾は、
地球から見て垂直方向にたなびいていたので、
こうした尾の中の移動を詳しく探るのに適していたんですねー
観測されたイオンの塊の移動速度は、ハレー彗星で観測された秒速58キロや、
過去の大きな彗星の観測から得られた、秒速44±11キロという値と比べてかなり遅く、
新しい謎にもなっています。
イオンの塊の生成の仕組みは、まだはっきり分かっていません。
なので、彗星の観測データを蓄積していけば、
イオンの尾で起きる物理現象に、もっと迫れるかもしれませんね。
イオンの尾の構造が、20分ほどの間に大きく変化していたことが分かりました。
地球に近づいて十分に明るく見える彗星は、1年に1つあるかないかで極めて少ない存在。
なので、イオンの尾の急激な変化の観測データが少なく、
まだよく理解されていないんですねー
今回の研究では、すばる望遠鏡の広い視野と高い集光力が威力を発揮することになります。
ラブジョイ彗星のイオンの尾の大局的な時間変化を、 Iバンドで得られた2分露出の3枚の画像から作成したアニメーション。 特に尾の下流の方(画像下側)で、 尾の幅が数分で細くなっていたことが分かる。 |
彗星の尾には、チリとイオンの両方があり、
今回は、イオンの尾を詳しく調べています。
そして、すばる望遠鏡に搭載された主焦点カメラで、
彗星の核から80万キロほどの範囲のイオンの尾を、繰り返し観測して、
刻々と変わる様子を追っているんですねー
観測に使われた“Iバンド(波長850ナノメートル)”では水イオン、
“Vバンド(波長550ナノメートル)”では一酸化炭素イオンと水イオンが発する光を、
それぞれとらえています。
そして、データを詳しく調べたところ、
ラブジョイ彗星の尾の大局的な構造が、10分間ほどで刻々と変化していたことが分かることに…
さらに、イオンの尾の中を詳しく解析して、
核から30万キロほどの位置に塊が生まれて、秒速20~25キロで下流に流れていく様子も発見しました。
(左)Iバンドで2秒露出のラブジョイ彗星。 水色の四角が、右で切り出されている部分を示している。 (右)彗星のイオンの尾の中の塊の移動。 |
イオンの尾は、太陽から流れてくる太陽風で、
彗星の核付近の原子や分子がイオン化して、吹き流されてできたもので、
最終的には太陽風の速度(秒速300~700キロ)に達すると見られています。
今回の観測は、彗星の近くでイオンの塊が、
太陽風によって最初の加速を受けつつある状態をとらえたものといえます。
観測当時、ラブジョイ彗星のイオンの尾は、
地球から見て垂直方向にたなびいていたので、
こうした尾の中の移動を詳しく探るのに適していたんですねー
観測されたイオンの塊の移動速度は、ハレー彗星で観測された秒速58キロや、
過去の大きな彗星の観測から得られた、秒速44±11キロという値と比べてかなり遅く、
新しい謎にもなっています。
イオンの塊の生成の仕組みは、まだはっきり分かっていません。
なので、彗星の観測データを蓄積していけば、
イオンの尾で起きる物理現象に、もっと迫れるかもしれませんね。
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