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奇妙な動きをする星を調べてみるとブラックホールが見つかった

2018年02月03日 | ブラックホール
球状船団に含まれる星の運動の観測から、
そこに目には見えない「何か」があることが分かってくるんですねー

星団の中心にある「何か」とは?

正体は太陽の4倍ほどの質量を持つブラックホールのようで、
この発見により球状星団の形成、ブラックホールや連星系の進化への理解が進むと期待されているようです。


球状星団とブラックホール

数万から数百万個の星々がボール状に集まっているある球状星団。

電波観測やX線観測による予測では、
そこには、太陽の数倍から数十倍ほどの質量を持つ恒星質量ブラックホールが存在しているようです。

星々の数が多いことや、100億年にも及ぶ星団の年齢から考えると、
球状船団では大質量星の爆発後に形成される恒星質量ブラックホールが多数作られてきたはず。

なので、高い確率でブラックホールが存在していそうなんですが、
星団とブラックホールの関連については謎に包まれたままになっています。


星を動かす「何か」

今回、ゲオルク・アウグスト大学の研究チームでは、
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTに搭載された分光器“MUSE”を使って、
“ほ座”に位置する球状星団“NGC 3201”を調査。

すると、星団中の1つの星が非常に奇妙な動きをしていることに気付きます。

その星は時速数十万キロもの速度で、
地球から見て近づいたり遠ざかったりする動きを167日ごとに繰り返していたんですねー
○○○
球状星団“NGC 3201”。
南米チリにあるヨーロッパ南天天文台“ラシーヤ観測所”のMPG/ESO 2.2望遠鏡により観測。
データの解析から分かったことは、
星の質量は太陽の0.8倍で、この星を太陽の4.36倍の質量をもつ「何か」が振り回していることでした。

この星は、質量が太陽の4倍以上ある、まったく目に見えない「何か」の周りを回っている…
そう、ほぼ間違いなくブラックホールの存在しか考えられないんですねー

星の運動、つまり重力の影響の直接観測によって球状星団にブラックホールが見つかったのは、
今回が初めてになります。

この発見により期待されているのが、
球状星団の形成や、重力波源を理解する上で不可欠となるブラックホールや連星系の進化への理解。
新しい発見につながるといいですね。


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