今年の3月から準惑星ケレスを周回している探査機“ドーン”による、
新たな観測結果が議論を呼んでいるんですねー
46億年前に生まれたケレスは、
ひょっとすると、より低温の太陽系外縁部から火星と木星の間にある小惑星帯へ、
飛ばされて、やって来たのかもしれません。
アンモニアを発見したこと
今回の観測で興味深いのは、
NASAの探査機“ドーン”が、ケレスの地表にアンモニア化した鉱物を発見したことでした。
アンモニア化した鉱物が存在するということは、
ケレスが生まれたのは、海王星の軌道よりもさらに外側だということを意味します。
それは、鉱物ができたときは太陽から遠すぎて、
アンモニアが蒸発したり分散したりしなかったと考えられるからです。
その後の5億年のどこかの時点で、
ケレスは重力の作用で太陽系の内側に飛ばされ、
火星と木星の間の小惑星帯までやって来たことになるんですねー
もちろん別の可能性もあるので、
・ケレスはずっと遠くで現在の形になり、小惑星帯に移動してきた。
・太陽系外縁部の物質をまとって、今の位置で形成された。
どちらとも言えない状態です。
ただケレスが、どこか別の場所から小惑星帯にやって来たという考えは、
突拍子もないというわけではありません。
そもそも、岩石でできた周辺の天体のいずれとも、ケレスは似ていません。
ケレスの形は球状で、大きさは小惑星帯では他を大きく引き離して最大、
水の含有量も一帯では突出しています。
むしろ、小惑星帯より外側にある木星や土星を周回する氷の衛星を、
暖めたような天体なんですねー
研究者たちは長年ケレスを観察してきました。
でも、地上の望遠鏡では地球の大気が障害になり、
確信をもってアンモニアを特定できず…
なので、ケレスを周回する探査機“ドーン”は、観測には理想的な位置にあり、
地表にある分子が、さまざまな波長の光をどう反射するかを調べることが出来ます。
この波長の中に、
他の物質に交じってアンモニア化層状珪酸塩の痕跡を見つけ出したんですねー
地球上の土に似た鉱物です。
アンモニアのような揮発性の分子が現在のケレスの位置にあれば、
単独では温度が高すぎて蒸発してしまいます。
なので、このアンモニアは小惑星帯よりもずっと低温のどこかで、
鉱物と合わさった可能性が非常に高いんですねー
ケレスは、はるか遠くから現在の位置まで飛んできたか、
太陽系外縁に由来するアンモニアを含む物質が表面に降り注いだかの、
どちらかということになりますね。
極寒のなかで形成された
この2つのシナリオの中では、
ケレスは極寒のなかで形成されたという推測が妥当なようです。
低温のため固体状のアンモニアの小石が、
セレスを覆うほど降り注いだという推測は、つじつまが合わない部分があります。
もし、そうだとすると小惑星帯の天体が、
いずれもアンモニアに覆われているはずです。
でも、そのような観測結果は出ていないんですねー
ただ、実際に起こったのが、
どちらのシナリオなのかを判断するのは簡単ではありません。
ケレスにあるクレーターの大きさと数の独特な分布は、いわば指紋のようなものなので、
どちらが正しいにしても、シナリオとの整合性が取れなければいけません。
原則的には、ケレスのクレーターを分析し、
どちらの予測が適切か突き止めればいいわけです。
やっかいなのは、ケレス全体のクレーターの分布。
なかでも大きなクレーターが無いという点は、
どちらのシナリオとも合わないことです。
さらに根本的な問題も…
ケレスの地表から得られた光の波長が、
小惑星帯で簡単に形成されるマグネシウム鉱物“ブルーサイト”
だとする研究者もいます。
なので、アンモニアの特定事態が誤りという可能性もあるようですよ。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 準惑星ケレスの地図が公開。光点のあるクレーターは“オッカートル”
新たな観測結果が議論を呼んでいるんですねー
46億年前に生まれたケレスは、
ひょっとすると、より低温の太陽系外縁部から火星と木星の間にある小惑星帯へ、
飛ばされて、やって来たのかもしれません。
太陽に照らされる準惑星ケレスの北極周辺。 2015年4月14日と15日に探査機“ドーン”が撮影。 |
アンモニアを発見したこと
今回の観測で興味深いのは、
NASAの探査機“ドーン”が、ケレスの地表にアンモニア化した鉱物を発見したことでした。
アンモニア化した鉱物が存在するということは、
ケレスが生まれたのは、海王星の軌道よりもさらに外側だということを意味します。
それは、鉱物ができたときは太陽から遠すぎて、
アンモニアが蒸発したり分散したりしなかったと考えられるからです。
その後の5億年のどこかの時点で、
ケレスは重力の作用で太陽系の内側に飛ばされ、
火星と木星の間の小惑星帯までやって来たことになるんですねー
もちろん別の可能性もあるので、
・ケレスはずっと遠くで現在の形になり、小惑星帯に移動してきた。
・太陽系外縁部の物質をまとって、今の位置で形成された。
どちらとも言えない状態です。
ただケレスが、どこか別の場所から小惑星帯にやって来たという考えは、
突拍子もないというわけではありません。
そもそも、岩石でできた周辺の天体のいずれとも、ケレスは似ていません。
ケレスの形は球状で、大きさは小惑星帯では他を大きく引き離して最大、
水の含有量も一帯では突出しています。
むしろ、小惑星帯より外側にある木星や土星を周回する氷の衛星を、
暖めたような天体なんですねー
探査機“ドーン”からの画像を合成して作成されたケレスのクレーター“オッカートル”。 不思議な明るい点が集まっているが、その組成は未解明。 |
研究者たちは長年ケレスを観察してきました。
でも、地上の望遠鏡では地球の大気が障害になり、
確信をもってアンモニアを特定できず…
なので、ケレスを周回する探査機“ドーン”は、観測には理想的な位置にあり、
地表にある分子が、さまざまな波長の光をどう反射するかを調べることが出来ます。
この波長の中に、
他の物質に交じってアンモニア化層状珪酸塩の痕跡を見つけ出したんですねー
地球上の土に似た鉱物です。
アンモニアのような揮発性の分子が現在のケレスの位置にあれば、
単独では温度が高すぎて蒸発してしまいます。
なので、このアンモニアは小惑星帯よりもずっと低温のどこかで、
鉱物と合わさった可能性が非常に高いんですねー
ケレスは、はるか遠くから現在の位置まで飛んできたか、
太陽系外縁に由来するアンモニアを含む物質が表面に降り注いだかの、
どちらかということになりますね。
極寒のなかで形成された
この2つのシナリオの中では、
ケレスは極寒のなかで形成されたという推測が妥当なようです。
低温のため固体状のアンモニアの小石が、
セレスを覆うほど降り注いだという推測は、つじつまが合わない部分があります。
もし、そうだとすると小惑星帯の天体が、
いずれもアンモニアに覆われているはずです。
でも、そのような観測結果は出ていないんですねー
ただ、実際に起こったのが、
どちらのシナリオなのかを判断するのは簡単ではありません。
ケレスにあるクレーターの大きさと数の独特な分布は、いわば指紋のようなものなので、
どちらが正しいにしても、シナリオとの整合性が取れなければいけません。
原則的には、ケレスのクレーターを分析し、
どちらの予測が適切か突き止めればいいわけです。
やっかいなのは、ケレス全体のクレーターの分布。
なかでも大きなクレーターが無いという点は、
どちらのシナリオとも合わないことです。
さらに根本的な問題も…
ケレスの地表から得られた光の波長が、
小惑星帯で簡単に形成されるマグネシウム鉱物“ブルーサイト”
だとする研究者もいます。
なので、アンモニアの特定事態が誤りという可能性もあるようですよ。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 準惑星ケレスの地図が公開。光点のあるクレーターは“オッカートル”
やっぱり海王星より外側の可能性は低いですよね。