宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

重力データから明らかになった準惑星ケレスの内部構造

2016年08月17日 | 小惑星探査 ドーン
探査機“ドーン”の動作の計測から、
準惑星ケレスの内部構造が明らかになってきました。

ケレスの密度が地球や月などに比べて、はるかに低いことが確かめられ、
ケレス内部がいくつかの層に分かれていることも示されています。


重力場の地図

NASAの探査機“ドーン”は、
2015年3月から準惑星ケレスの周回探査を行っています。

撮影された画像も数万枚にのぼり、ケレスの調査は進んでいるのですが、
内部の構造がどうなっているのかは、まだ分かっていないんですねー

ただ、“ドーン”の動きのわずかな変化を調べれば、
ケレスの内部構造や地形によって生じる重力の違いを測定することが出来ます。

そして、“ドーン”から地球に送り返される電波から、
探査機の速度が秒速0.1ミリという誤差精度で計測され、
それをもとにしてケレスの重力場の地図が作られることになります。

そして分かってきたのが、
ケレス内部は深さによって明確に組成が違う層構造をしていて、
その中心には密度の高い核が存在していること。

また、これまでの推定どおり、
ケレスの密度が地球や月、小惑星ベスタなど太陽系内の他の岩石質天体に比べて、
ずっと低いことが確かめられています。

ケレスには水の氷など、低密度の物質が含まれていると考えられてきましたが、
こうした物質は岩石質の物質とは分けられて存在しているようです。
ケレスの内部構造(イメージ図)

これまでに得られてきたケレス表面の組成データと、
重力データをもとにした内部構造の新情報とを合わせることで、
ケレスが辿ってきた歴史を再構築することができます。

これまでの調査で、
ケレス内部では水と岩石との相互作用が起こっていたようです。

この事と、今回明らかになった内部構造とを合わせて考えると、
ケレスでは熱に関する複雑な歴史があったと考えることができるんですねー


こちらの記事もどうぞ ⇒ 準惑星ケレスの地図が公開。光点のあるクレーターは“オッカートル”



最新の画像もっと見る

コメントを投稿