大型の小惑星“トータティス”が、12月12日に地球をかすめて通り過ぎます。
天文学者は、すでに観測態勢に入っているのですが、
これは“トータティス”が、地球に危険を及ぼすからではありません。
“トータティス”は、長さ4.46キロで幅2.4キロあります。
ちょうどピーナッツのような形をしている岩の塊で、地球に近づく小惑星の中では最大級になるんですねー
小惑星“トータティス”の
コンピューター合成モデル
枠内の右は“トータティス”の
新しいモデル
左のレーダー画像と
よく似ている
とはいえ、この最接近を「近い」っと考えるのは、天文学者だけのようです。
なぜかと言うと、12日の最接近時でも、地球からの距離は690万キロもあり、月の18倍以上離れているからです。
では、なぜ天文学者たちは、“トータティス”の接近を熱心に待ち構えているのか?
それは、この小惑星の組成を推定することで、太陽系の初期の姿をより明確にできるからです。
また、この小惑星の自転モデルの精度を上げれば、内部構造についての理解が深まるかもしれません。
アメリカ国立電波天文台(NRAD)の研究チームでは、4年ごとに接近する“トータティス”の過去のレーダー画像を解析しました。
そして、この天体が宇宙空間でどのように運動しているのか? の解明に努めています。
その結果、“トータティス”は長軸を中心に自転し、その長軸がコマの軸のように円を描いて摂動してることが分かりました。
研究チームは、2000年、2004年、2008年に撮影したレーダー画像を使い、1996年に作られた“トータティス”の自転モデルを更新しようとしました。
ところが、重力の潮汐で自転が変化していることが分かり、モデルはさらに複雑になったんですねー
“トータティス”は、太陽や地球に近づくたびに、重力によりわずかに引っ張られ、ほんの少し自転が変化します。
そして、長年にわたりそれが繰り返されると、影響が積み重なることになります。
研究チームは、この変化の説明に成功し、これまでよりもはるかに優れた自転モデルを得ることになります。
そのモデルから、小惑星内部の質量の分布も分かってきたんですねー
“トータティス”は、デコボコのピーナッツのような形をしています。
はっきりとした丸い部分が2つつながった細長い形状で、片方の丸い部分がもう片方より小さくなっています。
そして今回の研究から、不揃いなのは形だけでなく、質量の分布も小惑星内部で均一でないことが分かりました。
むらがあることから、内部には非常に複雑な構造がひそんでいるのかもしれません。
この内部構造は、より小さな別の天体の衝突で、構成物質が飛び散った時にできた可能性もあります。
“トータティス”は、2つの天体が衝突して、つながってできたとも考えられます。
あるいは、“トータティス”はヨーブ効果によりできたのかもしれません。
ヨーブ効果とは、太陽光が小惑星の自転を生み出すプロセスを説明する理論です。
不均等な天体に光子が衝突するとき、「プロペラに風が当たると回転する」のと同じようなことが起こります。
それにより自転が加速するんですねー
“トータティス”の自転が加速すると、ついに自転は速くなりすぎることに…
そして、小惑星内の物質を宇宙にまき散らし始め、2つの天体に分かれてしまいます。
分かれた天体の自転は、やがて減速し再び合体して、また同じプロセスを繰り返すんですねー
残念ながら、これはまだ理論にすぎません。
でも、このモデルを使えば“トータティス”や“接触連星”と呼ばれる同様の天体が、どうして存在するのかを説明できるんですねー
来週の“トータティス”の地球接近。
これは、新たな観測データを得て、それを分析するチャンスなんですねー
新しいレーダー画像を調べることで、“トータティス”の自転モデルを精密化できるかもしれません。
最接近時の“トータティス”は、暗すぎて肉眼では見えないのですが、小型の天体望遠鏡で十分に見える範囲だそうです。
あっ “トータティス”が地球に衝突することはないので、地球に接近する最大級の小惑星を安心して楽しむことができますよ。
天文学者は、すでに観測態勢に入っているのですが、
これは“トータティス”が、地球に危険を及ぼすからではありません。
“トータティス”は、長さ4.46キロで幅2.4キロあります。
ちょうどピーナッツのような形をしている岩の塊で、地球に近づく小惑星の中では最大級になるんですねー
小惑星“トータティス”の
コンピューター合成モデル
枠内の右は“トータティス”の
新しいモデル
左のレーダー画像と
よく似ている
とはいえ、この最接近を「近い」っと考えるのは、天文学者だけのようです。
なぜかと言うと、12日の最接近時でも、地球からの距離は690万キロもあり、月の18倍以上離れているからです。
では、なぜ天文学者たちは、“トータティス”の接近を熱心に待ち構えているのか?
それは、この小惑星の組成を推定することで、太陽系の初期の姿をより明確にできるからです。
また、この小惑星の自転モデルの精度を上げれば、内部構造についての理解が深まるかもしれません。
アメリカ国立電波天文台(NRAD)の研究チームでは、4年ごとに接近する“トータティス”の過去のレーダー画像を解析しました。
そして、この天体が宇宙空間でどのように運動しているのか? の解明に努めています。
その結果、“トータティス”は長軸を中心に自転し、その長軸がコマの軸のように円を描いて摂動してることが分かりました。
研究チームは、2000年、2004年、2008年に撮影したレーダー画像を使い、1996年に作られた“トータティス”の自転モデルを更新しようとしました。
ところが、重力の潮汐で自転が変化していることが分かり、モデルはさらに複雑になったんですねー
“トータティス”は、太陽や地球に近づくたびに、重力によりわずかに引っ張られ、ほんの少し自転が変化します。
そして、長年にわたりそれが繰り返されると、影響が積み重なることになります。
研究チームは、この変化の説明に成功し、これまでよりもはるかに優れた自転モデルを得ることになります。
そのモデルから、小惑星内部の質量の分布も分かってきたんですねー
“トータティス”は、デコボコのピーナッツのような形をしています。
はっきりとした丸い部分が2つつながった細長い形状で、片方の丸い部分がもう片方より小さくなっています。
そして今回の研究から、不揃いなのは形だけでなく、質量の分布も小惑星内部で均一でないことが分かりました。
むらがあることから、内部には非常に複雑な構造がひそんでいるのかもしれません。
この内部構造は、より小さな別の天体の衝突で、構成物質が飛び散った時にできた可能性もあります。
“トータティス”は、2つの天体が衝突して、つながってできたとも考えられます。
あるいは、“トータティス”はヨーブ効果によりできたのかもしれません。
ヨーブ効果とは、太陽光が小惑星の自転を生み出すプロセスを説明する理論です。
不均等な天体に光子が衝突するとき、「プロペラに風が当たると回転する」のと同じようなことが起こります。
それにより自転が加速するんですねー
“トータティス”の自転が加速すると、ついに自転は速くなりすぎることに…
そして、小惑星内の物質を宇宙にまき散らし始め、2つの天体に分かれてしまいます。
分かれた天体の自転は、やがて減速し再び合体して、また同じプロセスを繰り返すんですねー
残念ながら、これはまだ理論にすぎません。
でも、このモデルを使えば“トータティス”や“接触連星”と呼ばれる同様の天体が、どうして存在するのかを説明できるんですねー
来週の“トータティス”の地球接近。
これは、新たな観測データを得て、それを分析するチャンスなんですねー
新しいレーダー画像を調べることで、“トータティス”の自転モデルを精密化できるかもしれません。
最接近時の“トータティス”は、暗すぎて肉眼では見えないのですが、小型の天体望遠鏡で十分に見える範囲だそうです。
あっ “トータティス”が地球に衝突することはないので、地球に接近する最大級の小惑星を安心して楽しむことができますよ。
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