次に、座布団の表裏についてお話します。
座布団には中央に中綿がずれないようしめ糸で綴じています。表のみに房がついていれば、もちろんそれが表です。弊店の場合、表も裏も同じように房を付けます。この場合、房だけで座布団の表裏を判断することはできません。「座布団の正面」については、縫い目の無い辺が正面です。お客さんに出す時は、お客様のひざ前が正面となります。
表を出せば 裏を出せば
上下のはっきりした柄では良く分かりますが、表を出せばお客様と同じ方向になります。裏を出せば山が逆さになります。また、そう仕立てるのが「ふとん屋」の「いろは」です。
だが、丸柄と言われる場合は上下が分かりにくいです。でも、全ての座布団には「表と裏・正面」が必ずありますから、丸物柄の場合は「きせ」と言われる部分を見て判断して戴ければ良いでしょう。でも、「きせを掛ける」という仕立の基本を知らない業者が居るのも確かです。
表と裏は分かりにくいと思いますが、縫い目を見て、つまり「きせ」の掛け方で判断してください。どうしても分からない時は、正面だけは間違えずにお出し下さい。
(本来のざぶとん生地幅ではないモノで仕立てた場合、また、市販の座布団カバーなどは、ルール通りに仕立てられない時もあります。どちらかと言えば、ルール通りに仕立てられて無い場合が多いかもしれません。また、夏の座布団は、冬座布団とは少しルールが異なります・・・。)
先回の話の中で「銀座久兵衛」さんの座敷の座布団の事を軽い気持ちで書きました。「銀座久兵衛」さんには「銀座久兵衛」さんの流儀があってのことでしょう。いつか、「銀座久兵衛」さんのご主人にお尋ねしたいと思います。と言う事は、やはり、団体ではなく個人客として暖簾をくぐる必要がありますね。 エライ出費になってしまうぞ!!!
「西陣織座布団」も、いつかは「博物館」でしか見られなくなりそうです。長い歴史のある、世界に誇れる「日本の文化」は消したくはないですね。そんな「西陣織座布団」を、お宅の「家宝」の一つにいかがですか?!! 今の内なら、いつでもWatakeiでご覧戴けます。