今回の地震で改めて実感したことがある。
「温かく眠れる有難さ」 、そして、 「ぐっすり眠れる幸せ」である。
TVの画面から流れる映像は疲れ切った被災者の顔であった。「ほとんど寝れません」「寒くて寒くて・・・」「子供(赤ちゃん)が泣くと皆さんに迷惑だから・・・」「手足をしっかり伸ばして暖かく寝たい」「暖かい風呂に入りたい」・・・etc。
爺自体、最近は体力も無くなったからか徹夜で仕事をするなどという事はもちろん深夜まで働くことさえも不可能な体になってきた。無理が効かないのだ。自分の意思で起きていよう思うのだから、まだ多少は頑張れるかもしれないが、被災して「眠りたくても眠られない」「寝たくても寝られない」 これ以上の苦痛があるだろうか。人は眠らないと死ぬ。
被災して一週間が過ぎた。災害があっても3日もすれば救援が来て貰えるから、非常食などは3日間分用意しておけば良いと言われていた。だが、今回の地震では三日過ぎても救援は届かない状態が続いている。自分が被災者であったら、たぶんもう限界だろう。寒い、そして眠れない夜が続くことは、更に精神的に追い詰められるだろう。唯々TVを見て手をこまねいているだけの自分が空しい。
政府は何をしてるんだと怒鳴りたくなる。
だが一方では首相をはじめ官房長官など政府閣僚の皆さんが官邸などに詰めたままで、しっかり寝ていないらしい。判断を誤るといけないからしっかりと休息(睡眠)は取って貰いたいと誰かが言っていた。爺も同感だ。
政府・閣僚の仕事は復旧の手順・道筋を示し、国民皆さんがその方向に動けるようにすることかと思う。道路や物流が改善すれば、被災者・被災地に物資を送ることもできる。だが、今は現実送ろうにも宅配便などトラックが動いていない。食料が、医薬品が、燃料が届かない。届けることができないなら、被災者を安全な地方へ送り届けることを考えるのも国の仕事だろう。いざという時に助けてくれない国、口先だけの議員はもう要らない。早く何とかして欲しい。
碧南火力発電所(総出力 4,100,000kW:愛知県の総使用電力の半分は賄えるとか) 地震後、発電所はフル操業しているようだ。衣浦湾から知多半島を望む
湯たんぽの薦め
こういった災害時、しかも寒い時だ。体育館などに避難していても天井が高く、しかも床は固い、良くて天然木のフローリングだ。ストーブを点けても暖かいのは放射熱に当たる部分だけだ。しかも空気が汚れる。狭い部屋なら温かくなるが、炭酸ガス中毒が心配になる。
外気温が低い時外気温が高い時
このブログでも何度か書いているがキーワードに「深部体温」というのがある。深部体温とは人間が生きて行く上に重要な身体の中心温度(中核温)であり、一面では脳の温度であり、また一面では心臓へ入る血液の温度でもある。もちろん、肝臓など臓器の体温でもあるが、部位によってはバラツキがある。これら言ってみれば、頭からお腹までの中心部の体温である。この部分の体温維持のために人の体は、残酷にも手足など末端を殺してでも中心部の体温を維持しようとする。「凍傷で手足を切断」などという事件事故になる。
人は体温を維持するために、熱産生を行う。それでも寒いと「震え」という行動で筋肉を動かし熱を発生させようとする。エネルギーを消耗する訳である。今回の地震の被災者の方々はエネルギーが不足している。つまり、食料が不足している。寒さに強いという意味では、太った方(脂肪の多い方)は脂肪を燃焼させる、いうなれば燃料の蓄えが多くあるという意味もあるが、皮膚温が下がっても皮膚からの熱が逃げにくいから体温調節のための産熱量の増加が少なくて済む(水色で囲った部分)。使用するエネルギーが少なくて済むという事だ。結果、環境温度がより低くなるまで影響が少ないことになる(黄色で囲んだ部分)。痩せた方よりは生き延びる確率は高くなる。
避難所での生活には「如何に熱(体温)の逃げを防ぐか」が大事なポイントでもある。床に薄い敷きでは熱が逃げやすい。例えば、段ボールなどでも敷けば違うと思う。その段ボールさえ津波で無いのが現状だろう。
被災者ではないからそんなことを言っていられるのかもしれないが、現実の寒さをどうしのぐかを考えねばならない。先ほども言ったように、人は生きるために体の中心(胴体と頭)を守ろうとする。手足に熱を送る(手足を温める)事はしない。もし、手足を温めようとするなら、エネルギーの消費が増える。人間の体は計画停電のような訳にはいかない。発電量(発熱量)以上に消費量(エネルギー消費と熱が逃げる)がふえれば、大規模停電(深部体温の低下)が起きる。つまり、人間にとっては手足に送るエネルギーが不足すれば、凍傷そして手足の切断となる。十分なエネルギーの補充が無い被災者は最悪「死」することとなる。高齢者でお亡くなりになる方が現にいるのは悲しい。
飲み水は確保し辛いが、飲料水以外の水は多少手に入るのでは・・・。お湯を沸かして「湯たんぽ」を用意できれば、エネルギーの消耗を少しでも抑えることができるだろう。自分が「湯たんぽを」と言っても、現場を知らない奴の戯言とお叱りを受けるかもしれない。寝床内気候を少しでも「33度±1度、湿度50%±5%」に近づけるためにも、工夫をして欲しい。
もし、湯たんぽで命が救えるなら・・・。
いろんな湯たんぽが考えられますね。ペットボトルにお湯を入れるとか、ビニール類(ゴミ袋など)を二重三重にしても作れそうですね。
破れや低温やけどを防ぐために発砲スチロールや段ボールなどに入れるなど工夫して使って戴くといいかも。
被災者の方の健康が心配ですね。