雑用が増えたと言うと語弊があるが、店の裏手に回収したベッドが山のようになってしまった。シルバーさんに頼んでベッドマットの解体をお願いした。初めてのメーカーが有ったので、これだけはと思い、必死になって解体した。
今回の解体マットは東京ベッドの「ポケットコイルマット」です。そう、以前田原市にベッドの納品した時に引き上げたマットです。
日本のメーカーのポケットコイルの解体は初めてだと思います。創業時は独立系でしたが、現在はフランスベッド系列の会社になっています。爺が始めてこの社名「東京ベッド」を聞いたのは、38年ほど前のことです。当時からポケットコイルマットのメーカーだったと記憶してます。卒業して丁稚小僧として1年弱名古屋の栄にある老舗の寝具店に修行のため住み込みで働きました。その時に、はじめてポケットコイルというものを知りましたが、何がどう良いのかは当時全く分かりませんでした。
20年以上使用されましたから、正直中央部がヘタっていました。でも、当時としては最高のマットだと言って過言ではないと思います。
品質表示(品表)をみるとコイル数560と読めます(ほとんど消えかかっているので間違っているかも)。
交互配列です。しっかりした作りですね。中央部はヘタリが見受けられましたが、足元の部分はしっかりしているようでした。足元部分のコイルを袋から取り出し、コイルのヘタリ具合の実験をしました。
日本ベッドのコイル東京ベッドのコイル
左のコイルはしっかりと焼き入れをした日本ベッドのコイルです。 右は、焼き入れのされていない(と思う)東京ベッドのコイルです。手の甲でコイルを底着きするまで1~2秒で1回のペースで、約350回押しました。一般にこの手の試験と言うと、50%の圧縮で80,000回行います。100%圧縮で350回行ったと言う事です。現実有り得ない状態での実験ですから、比較すること自体ナンセンスと言われるかもしれませんが、時間が無いので短時間で行える実験として考えました。
日本ベッドのコイル(1.3mm7巻き)は全く変形は見られません。一方の東京ベッドのコイル(1.95mm6巻き)は僅かですが、約1~3%ほどの形状変化が見られました。日本ベッドのコイルは新品ですが、東京ベッドのコイルは約20年前に作られたコイルです。時間的な差があるので、同一条件とは言えませんが、それでもコイル品質によって差がでると十分に考えられますね。
シモ▲ズ社のマットも焼き入れがされていない(と思う)ので、ヘタリが生じやすいようです。以前東京のシモ▲ズ社のショールームに行った時、「このマットの寿命はどれくらいですか?」とお聞きしたところ、「生地が破れるまでは20年程度持つと思います。でも、寝心地の良いのは7~8年ですね」という返事でした。つまり、7~8年でコイルにヘタリが生じることが予想されると暗に認めたことだと思いました。
日本ベッドの工場見学に行った時、コイルについて工場長からいろいろとレクチャー戴いた。特にヨーロッパでは現在ノンコイルマットが主流であるのは事実のようだが、その理由がメーカーや輸入代理店から言われているのとは違うようだ。「コイルを焼き入れする」という考え方は、以前のヨーロッパのBEDメーカーには無かったようです。ですから、マットの多くは寿命5年から10年という事のようです。ほぼ同じ寿命と言われるノンコイルマットは、価格も安く、運搬も簡単(真空パック)であり、何よりも湿気の少ないヨーロッパですから、コイルマットよりノンコイルマットを選ばれる家庭が増えるのは、当然のことかもしれない。「エコ」だからノンコイルに移ったと言われているが、実際のところコイルマットの寿命が短いと言う理由が最大の理由のようだ。
その点、日本は湿気が多い国である。寝心地という点ではスプリングマットに一日の長が有る。焼き入れをする事によって寿命が延び、ノンコイル以上に寿命が延び耐用年数は2倍以上にはなるそうだ。
以前ブログにも書きましたが(重複話でスミマセン)、昨秋、日本ベッドのシルキーの前身マット・・・40年前に作られ納品したマットが、去年箱根宮ノ下の老舗旅館(ホテル)から戻ってきたそうだ。宿泊稼動日が70%とすれば、約30年近く使用した事になる。生地こそ痛んでいたが、コイルそのものはほとんど納品した時と変わらなかったと聞いています。コイルに焼き入れをするようになって納品したから、メーカーが思った以上に耐用年数が有ったと言う事らしい。さらに、日本ベッドのシルキーマットは生地が痛んだ時には張り替えをして戴けるそうだ。これで、20年どころか、30年以上マットの耐用年数が延びるならば、しかも快適に寝られるならば、これ以上のエコはないのではと思えてくる。
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