「2018年4月1日よりウレタンフォームのニュートン表示が変わります。」そんな記事を見つけました。既に10月、半年以上が過ぎています。何がどう変ったのか、それが消費者の皆さんにとってどんなメリットがあるのでしょうか…。
①新測定方法【JIS K6400-2 A法】:マットレス全体の厚さの40%分押し込み、その30秒後に戻ろうとする力を計測 ・・・ つまり、10cmの厚さであれば、4cm押し込み6cmの厚さにして30秒間維持し、その直後の硬さを計ると言うことらしい。
②旧測定方法【JIS K6400-2 D法】:マットレス全体の厚さの25%分押し込み、その20秒後に戻ろうとする力を計測 ・・・ つまり、10cmの厚さであれば、2.5cm押し込み7.5cmの厚さにして20秒間維持し、その直後の硬さを計ると言うことらしい。
消費者庁のHPに書かれているものを読んでも、敷きマットとして考えた場合、良く分からない。何をどうしたいのか。そして、消費者の皆さんにとって、その事によってどんなメリットがあるのか・・・
- 日本工業規格K6400-2(軟質発泡材料―物理特性―第2部:硬さ及び圧縮応力―ひずみ特性の求め方)の6.4「A法(四十%定圧縮して三十秒後の力を求める方法)」に規定する硬さ試験の測定方法により得た数値をニュートン(重量キログラム)単位で表示したものの大きさに応じ、次の表の左欄に掲げる区分に従い同表の右欄に掲げる用語を表示し、数値を括弧書きで付記するものとする。
- この場合における許容範囲は、その硬さを示す数値に200ニュートン(20重量キログラム)を加えたものの±10%以内とする。
こんな風になりましたとアナウンスされた訳ですが…。一般消費者である皆さんは、こんな説明を聞いても多分「なんのこっちゃ?それでどうしたと?」と思われるのではありませんか。
ウレタン工業会の言い分は、
グローバル化が進む現在、国際的な競争は時代の必然となり「規格の国際
化」は避けられない課題となっているのは周知の通りです。
ウレタンフォームのJIS規格についても、世界的に通用する規格とする必要
から、国際規格であるISOとの整合性を図ることが求められてきました。
このようなことから、耐荷重用途の軟質ポリウレタンフォーム製品規格ISO
5999で規定しているポリウレタンフォームの種類、クラス・等級規定などを盛
り込んだ新しいJIS規格を平成18年2月20日に策定いたしました。
なんで測定方法を変えたのか、要するに世界基準に合わせたようです。
あるメーカーが下記のように説明してます。
旧測定方法において、ウェーブカットやブロックカットなどプロファイル加工されているマットレスは、主にプロファイル加工部分の反発力が測定されていたため、柔らかめのニュートン値になっていましたが、新しい測定方法では、加工されていない基礎部分まで押し込む力を測定するためニュートン値が非常に大きくなります。また、プロファイル加工されている場合は、マットレスの厚さによっても反発力が異なるようになりました。これは、マットレス自体が薄いとプロファイル加工の影響が大きくなり、逆に厚い場合はその影響が小さくなり、より基礎部分の影響を受けるためです。
なるほど!なんとなく分かるような気もしてきました。
寝具に使われるウレタンは、かっては四角い弁当箱のようなものでした。寝心地を追求するに従って、ウレタンの片面を波型に凸凹させた(ムアツなど)ものが出てきました。最近ではブロックにカットした(快圧・オーダー敷)なども出てきました。
ムアツ的な商品の場合、旧測定での場合プロファイル部分だけが圧縮されることになり、どうしても柔らかい(ソフト)な数値が出てしまう。圧縮を25%から40%にすれば、本体部分の硬さも関係してくる訳ですね。
ところが、硬さの区分は変っていないようです。消費者庁のHPにも下記のように書かれています。
- 区分と用語(表示名)の関係は、以下のようになっています。
- 110ニュートン(11重量kg)以上 ・・・・・・ かため
- 75ニュートン(7.5重量kg)以上110ニュートン未満 ・・・ ふつう
- 75ニュートン(7.5重量kg)未満 ・・・・・・ やわらかめ
ウレタン系の敷(ベッド)で、皆さんが知りたいことは、寝心地に関することだと思います。つまり、皆さんが品質表示で知りたいことって、そのウレタンマットの硬さが自身の体型に合っているかどうかを判断するのに「参考となる数値」であるかどうかではありませんか。
例えば、じじが調べた範囲では、わずか4点の試料(下図)ですが、
4点とも弁当箱的試料での測定です。 プロファイルされた試料でのデータは持ち合わせていません。手に入りましたらお知らせします。
新測定方法【JIS K6400-2 A法】をいつからかは知らないが、以前から測定していたそうです。だったら、旧測定の数値と新測定の数値との数値の変化・・・つまり、体重による沈み具合や側臥(横寝)と仰臥(仰向け)との寝姿勢による沈み具合・反発力の増減を、消費者の方々に分かるようにお知らせするべきでしょう。
だが、片方だけの測定方法(旧表示から新表示へ)を、表示しても、
- 110ニュートン(11重量kg)以上 ・・・・・・ かため
- 75ニュートン(7.5重量kg)以上110ニュートン未満 ・・・ ふつう
- 75ニュートン(7.5重量kg)未満 ・・・・・・ やわらかめ
上記の表現が変ら無いわけですから、意味が無いように思います。境界線近くの商品が、「ふつうからかため」になる程度では、全く意味がないと思います。
ウレタン工業会が世界で通用する品質規格を策定したのに伴って、寝具で使われるウレタンも同じように品質規格を改訂したというところでしょうが、消費者にとって「それがどうした?」状態では、困ります。
こうした改正は、消費者の皆さんに「役立つ情報として」でなければダメですよね。
25%圧縮と40%圧縮との変化を、共に表示すべきではないでしょうか。
総てのウレタン系敷きマットには、必ず【JIS K6400-2 A法】:40%圧縮と 【JIS K6400-2 D法】:25%圧縮の両方を表示するようにすれば、より消費者の皆さんのマット選びの参考になるのではないでしょうか?
そんなことをすることになればメーカーからは、「経費増だ!」「余分な仕事を作るな!」と怒られるかな・・・。
怒られる前に寝よう!
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