さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

豚に真珠

2007-05-27 23:59:59 | Sunday 聖書雑学
~トリビアネタ~


  聖なるものを犬に与えてはいけません。
   また豚の前に、真珠(しんじゅ)を投げてはなりません。
   それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたを引き裂くでしょうから。

                       (新約聖書・マタイの福音書7章6節)



 この箇所から出てきたことわざが、有名な

 豚に真珠 ― Cast not pearls before swine.(=豚に真珠を与えるな) 1)

 なり。


  「豚」 2)というのは、昔、この地方では(というべきか、この民族では、と言うべきか)、「汚(けが)らわしいもの」であり、「豚を飼う」ことは卑(いや)しい者がすることだった。豚と真珠―なんて、対照的なものなんだろう
  (だからこそ、放蕩息子(ほうとうむすこ) 3)が豚の世話をするというのは、「とんでもなく落ちぶれた」ことを意味するようなものだったりする。)


  ちなみに、旧約聖書の箴言(しんげん)には

   美しいが、たしなみのない女は、
   金の輪が豚の鼻にあるようだ。
                   (11章22節)

  とあるが、・・・これを聞いたら、女性は、豚にたとえられたことに怒り出すだろうか。それとも、豚のほうが、抗議の声を上げるだろうか。

う~む...



【注】
1)豚に真珠:「高い価値あるものでも、それの分からない者には無価値であることのたとえ」(広辞苑、第五版、岩波書店)の意味。


2)豚:イノシシ科の動物。ユダヤ教やイスラム教では、不浄なもの。
    ちなみに、
      ガツガツと食事を取る人物を指して「ブタの様に食べる」、
       小さく、散らかった部屋を「ブタ小屋」
    と揶揄(やゆ)される事があるが、実際にはブタは非常に綺麗好きで、ガツガツと食物を散らかして食べたり、飼育小屋を汚す事は無い。ブタは知能が高く清潔を好む生物(知能に関してはイヌに近いとする指摘もある)らしい。
    また、英語で「Pigs might fly(ブタが空を飛ぶかも)」は、「ありえない」という意味で使われる。では、「紅の豚」のあのセリフは... 


3)放蕩息子:新約聖書の中の「ルカの福音書」15章にある、有名なたとえ話。



                                                

 

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