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昨日、暑い日差しの中―職場のロッカーの鍵を忘れたことに気付き―、引き返したキャベツの目には、ぶらんぶらんと開いている家のドアが見えた。どうやら、ドアがきちんと閉めていなかったらしい。あちゃ~(>_<)!
ん、鍵ですか?
え、え~~とですね、
(ここだけの話ですが・・・あまり鍵閉めないんです。特に、家にいるときには
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多分、こんなことが知られれば、同居している兄弟以外の家族・親戚・心配した方々から言われるかもしれないんですが、どうやら、これには二つのモデルがあったようです
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一つ目は、母方の祖父母。
いつなんどきでも、家には鍵がかかっておりません。
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誰でも、いらっしゃい
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なのか、平和な片田舎だからなのか定かではありませんが、
いつでも開いている、というのが、ある種、感覚として、わが身に受け継がれているようです。両親は、しっかり鍵をかける方々なんですがねf(^^;)
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他の家でも「そういえば、おばあちゃんの家とかって、鍵がかかっていなかった~」という話はちらほら聞くことなので、あまり珍しいことではないのでしょう。
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もう一つは、…昔「レ・ミゼラブル」で―「レ・ミゼラブル」というのは、端的に、一片のパンを盗んだために、19年間監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャン+αの物語―、こんなくだりがあったため。
(ジャン・ヴァルジャンが釈放されてから出会った、ある司教 1)さんの住まいの描写の一部である)
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「家には鍵(かぎ)のかかったドアは一つもなかった。
前にも述べたように、いきなり大聖堂の広場に出られる食堂のドアには、以前は監獄の戸のように錠前(じょうまえ)と閂(かんぬき)がついていた。司教はこうした金具をみんなはずさせてしまったので、ドアは昼も夜も、掛け金がかかっているだけだった。通りがかりの人は誰でも、どんな時間でも、押しさえすればよかった。
初め、二人の婦人 2)はいつも戸締(とじま)りをしていないドアを非常に不安がった
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。司教殿は彼女たちにこう言った。
「そうしたかったら、あなたたちの部屋に閂をつけさせなさい」
しまいには彼女たちも彼と同じように安心したか、少なくとも安心したようなふりをした。
マグロワール夫人だけは、ときどきこわがった。
司教はといえば、聖書の余白に彼が書きつけた次の三行の中に、その考えが説明されている、少なくとも示されている。
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「ここに微妙な差がある。
医者のドアは決して閉ざされてはならない。
司祭 3)のドアはいつも開かれてなければならない。」
別の『医学の哲理』という本には、別の書き込みがしてあった。
「わたしも彼らのように医者ではないだろうか? わたしにも患者がいる。
第一に、彼らの患者、医者が患者と呼んでいる病人がいる。
第二に、わたしの患者、わたしが不幸な人と呼んでいる病人がいる」
さらに他のところではこう書いている。
「宿を求めて来る者に、その名を尋ねるな。
名のりにくい者こそ、避難所を必要とする人だからである」
こんなことがあった。
ある日、クルブルーの司祭だったか、ポンピエリの司祭だったか忘れたが、立派な司祭が、たぶんマグロワール夫人にそそのかされたのであろう、誰でも入りたいと思う人の思うままに、ドアを昼も夜もあけておいても、ある意味では軽はずみにならないと確信するのですか、またこんなに戸締りの悪い家で何か不幸
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が起こるのを恐れませんか、と司教に尋ねた。
司教は優しみのこもった重々(おもおも)しさで相手の肩に手をおいて、ラテン語 4)で言った。
「主 5)が家を守ってくださらなければ、人がいくら守ったところで益(えき)はありますまい」
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それから、彼は話題を変えてしまった。
彼は好んでこう言っていた。
「竜騎兵(りゅうきへい)の隊長の勇気があるように、司祭の勇気というものがある。ただ」
と彼はつけ加えた。
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「われわれ司祭の勇気は、静かでなくてはならない」
―――――――――――――――(「レ・ミゼラブル」 6)ビクトル・ユーゴー作、佐藤朔訳)
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そんなこんなで、openなキャベツ家。もし東京で泊まるところを探していたら、おもてなしはさっぱりだが、キャベツの家もありますよって言っておこう。友人各位。
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いつでも、開いていますからって。
それは、たぶん・・・鍵をかけるのが面倒だから・・・デハナイw。
【注】
1)司教:ローマ・カトリック教会で、司祭の上に立つ聖職。司教区の首長。
ここで描かれている司教は、自分の家(司教館)を隣の病院の方々に与え、自分は、その病院だったところに住む、風変わりな人である。(フィクションです)
2)二人の婦人:司教の妹バチスチーヌ嬢と、女中のマグロワール婦人
3)司祭:キリスト教の聖職の一つ。ローマ・カトリック教会では司教の下位、ギリシア正教・聖公会では主教の下位にあって、教会の儀式・典礼(てんれい)をつかさどる。祭司。
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ちなみに、新約聖書において、クリスチャン=祭司(ペテロ第一 2:5
「聖なる祭司」)という側面も記されている。もちろん、救われたてクリスチャンになったら、誰でも勝手なことをしゃべっていい、というわけではない。
分かりづらいかもしれないが「聖霊の働きに導かれて」という事が、あるのですよ。(ああ、これ、とてつもなく、知らない人には分かりにくい内容だ…
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)
4)ラテン語:その昔、ローマ帝国の共通語となっており、20世紀初頭までカトリック教会の公用語であり、また、中世以来学術語として使用されてきた。フランス語やスペイン語、イタリア語の元となる言語。
5)主:神様のこと。
6)そういえば、今年、「レ・ミゼラブル」のうち「コゼット」編が、アニメになるとかならないとか。昔、ハウス食品の「世界名作劇場」を兄弟で見ていた身としては、これからもそういうのがあると嬉しい限り。
P.S-「アニメ版レ・ミゼラブル」、もうon airしていたんですね。
どんな作品になるかと思いきや、なかなか見れるものでほっとしました(絵は、「名探偵コナン」ばりですね―同じ人が作成しているんかな?)。
最近の放映された部分だけですが、こちらにて無料で見れるようです↓
世界名作劇場 レ・ミゼラブル 少女コゼット