普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

「立憲主義という企て」の読後感を読む

2019-07-06 11:09:50 | 憲法

戦前・戦中派の私から若い方達への申し送りです。どのような事でも世論に流されずに自分の頭で考えましょう。
6月30日の読売新聞に表記の記事が出ていました。
 著者は刈部 直さん、批評を書かれたのは井上達夫さんです。なお括弧内は私の意見と注記です。
 四年前の著書は憲法第9条削除論で知られたが、本書でも旧稿を改訂・増補する形で、多くのページ数を「九条問題」に割いている。そこで「護憲派」の憲法学者たちに対する井上の批判は極めてめて手きびしい。彼らは憲法九条の絶対平和主義を守ると唱えながら、その九条のもとで、事実上は強大な軍隊に等しい自衛隊が保有されている現実を容認している。しかも、もし彼らの理想どおりに皆正しく(日本を巡る各国が国際法を遵守し、国連決議に拒否権を発効しなければ)、絶対平和主義が実行されれば、どう言う帰結(自衛隊も認めないし交戦権も放棄する)が生じるかについて、全く考慮しない点で無責任でもある。
 批判の論点は多岐にわたるがヾこうした現実への発言が、「法の支配」と立憲主義をめぐる、法哲学者としての思考に裏づけられていることを、この本はじっくりと教えてくれる。「護憲派」の政治家も学者も「立憲」を旗印にして盛んに運動しでいるが、それはみずかぢが好む政策内容を、政争のルールに盛り込もうとする点で、むしろ立憲主義の破壊にほかならない。(注記:「立憲主義」電子辞書より。「憲法を制定し、それに従って統治するという政治の在り方。日本の場合の憲法とは人権の保障を宣言し、権力分立を原理とする統機構を定めた憲法」。護憲派の人も改憲派に対して立憲主義の破壊と批判している。詰まり余りにも現実離れした前文に立つ九条がこの事態を産んでいる。)
 政治において異なる立場の抗争があることを前優としながら、すべての参加者が従うべき規範をどのように確定するのか。それを決める過程の公正さを保障する民主主義体制はいかなるものか。立憲主義の本来あるべき道筋を示しながら、政党と官僚の関係や、司法部の役割も含めて、議論の射程は広い範囲に及ぶ。
 間もなくやってくる参院選では、憲法をめぐって議論が展開されるはずである。そこで政治家や文化人が、どれだけ真剣に考えながら意見を口にしているか。それを見きわめるために、ぜひ読んでもらいたい硬質の一冊である。

「私の感想」
 今トランプさんが、日本も米国が攻められたとき、日本も米国防衛に当たるへきと言っています。それに対して政府は国内で多くの米軍基地を提供しているので、片務的ではないと言っています。それが日本の言い訳の限度。何故ならトランプさんが更に突っ込んで「自衛隊を使って、米国防衛のため何故戦争に参加出来ないのか」と言った時、いや実は憲法で日本と他国と戦争出来ないとは言えません。何故ならトランプさんが「そんな憲法なら改正しろ」と言うに決まっているからです。現実は一般的な憲法改正でさえ多数が反対で国民投票すれば憲法改正の不成立は確実。その時日本はどう対応すれば良いか。井上さんや刈部さんの言うように今こそ憲法論議を時だと思います。
 しかしお二人とも東大所属なので割り引いて読み必要もあるかもしれませんが、前から何度も書いているように改憲側の意見は活発で理論的、護憲側はひたすら情緒的な気がします。
 読売が改憲派の意見をとりあげたので、次回は是非護憲派の学者の本の紹介と、それな対する賛成派、出来れば反対派の学者の評論も合わせて取り上げて貰いたいと思います。
 前文の理想と現実の背離の中で、九条固守の学者が反対派の学者のように国民が納得できるような論理的な説明が出来れば良いのですが。

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参議院を良識の府にするには

2019-07-06 11:05:53 | 政策、社会情勢
戦前・戦中派の私から若い方達への申し送りです。どのような事でも世論に流されずに自分の頭で考えましょう。
 7月5日の読売で同社政治部副部長の「令和の針路を託すのは」と言う文章が出ていました。その中で気になったところを取り上げて見ました。
 国会論戦の実態を見ると政府・与党の説明も国会運営も丁寧さを欠き、失言をや失態を重ねた。野党は「モリカケ」疑惑追求で審議の空洞か助長。党議を越えて議論を深める「良識の府である筈の参議院でも構図は同様だった。参院が「政局の府」とよばれるようになつて久しい。以下省略。
「私の意見」
 私は前回投稿の「党利、党略なしの選挙公約」の中で「参議院のあり方」を参照と書きましたがその内容です。
 副部長の方が書かれた参院が「政局の府」となったのは参議院が半数だけ入れ換えるのが衆議院と違うだけで、その他の選挙制度が衆議院と殆ど同じだからです。
 現在の制度変更の時に問題になったのは当時全国区だった参議院立候補者の通信費高騰でしいた。当時からその傾向が出ていましたが、現在は候補者の意見などただ同様にネットで幾らでも発信出来ます。今回の場合は選挙区選74、比例選50ですが、昔のように知識人、学者、ネットのオピニホン・リーダー、一芸に秀でた人を広く集めるためには、例えば全国区の個人戦で100、政党の影響力も参院にいくらか反映できるように全国区または都道府県区の比例選で24くらいすれば、読売が言うような参議院が「良識の府」になり党利党略による政局の停滞も避けられると思います。
 私の提案の問題点は党利、党略の与野党が私の理想案を受け入れる可能性は100%ゼロ。結局は売れ行き全国一の読売が参院選の在り方の具体案を提案しないかぎり、副部長のご心配がこのまま続くことになるのでしょう。
      
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