普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

在日米国人が見た鳩山政権

2009-11-10 15:17:33 | 鳩山内閣

 私が属する英字新聞輪読会で在日米国人の "Obama visits Japan"と言うエッセイを見ました。
 この種の日本の政治に関する欧米人の文章は(中途半端な日本の知識を基にして)「上から目線」で何も知らない日本人に教えてやると言った論調のものが多いようですが、これだけは珍しく割合と公平な文章なので紹介します。
 作者はロスアンゼルス出身のライター兼編集者 Steve Ford さんです。
  (概要は青字、私の意見は黒字、緑字は補記です。)

[概要]
・バラク オバマ大統領が11月12日に来ることになった。私の予測だがノーベル賞受賞予定の米国大統領は熱狂的な歓迎で迎えられ、大統領専用機でシンガポールに向かうまでの間に、日本国民から愛されるだろう。
 オバマと橋山首相は9月の国連で始めて会った時、気が合ったようだ。そこでは米国と日本の結びつきの変化に対する実質的な話しは注意深く避けられた。今回は前回より難しい会談になるだろう。民主党新政権が首尾一貫した外国政策に向けて手探り状態であることを考えると、もし日米の戦略的パートナーシップがぎくしゃくするのが明らかになれば、オバマさんは母国での悲惨な広報活動を強いられることになるだろう。
  私は両者とも双方の国内情勢を考えて、下記のような懸案問題に就いては、お座なりの奇麗事で済まし、著者が心配するようなことにはならないと思いますが、果たしてどうでしょうか。 (それなら何の為のオバマさんの来日か、何のための会談かということになるのでしょうが)

民主党連立内閣は左から右までの政治的信条を持つ非常に大きな集団だ。民主党は野党時代に、不平等な日米関係のような問題を取り上げることができた。そしてそれをこん棒代りに使って前の政権党の自民党を殴ることが出来た。
  然し民主党はスローガン作りから実際の統治する立場に変わったので、彼らの政策は国際政治の現実に対してより良く反映させる必要がある。
  
著者が指摘するように、鳩山さんは日米間の不平等の問題に就いては自分で処理するほかないようですが、政治信条の全く違う社民党と連立を組んでことが巧く収まるでしょうか?

・日本の左翼の多くは嬉々として、日米同盟の破棄を提案し、強力な隣国の中国を受け入れることで、米国とのバランスを保つことを提案している。この安易な解決法の問題点は、米国は強い日本、アジアのリーダーシップの役割を演じる日本を必要としている一方で、中国はそんな日本を必要としていないことだ。
 ネット上で調べてみると共産党は日米同盟の破棄を謳っているようですが、連立を組む社民党も同盟支持の様ですので、著者の言うように特筆することはないと思っています。
 私は鳩山さんの友愛精神では少なくとも、日本にとって(持ち出しばかりでなく)プラスの形でアジアのリーダーシップを取れるか否か疑問に思っています

・多国間外交は悪いことではないし、自民党による何年にも亙る中国との対立の後、それと良い関係を求めることは非常に良い事だ。然し中国との友好関係を求めるために古い同盟を破棄することは、中国が自身の力を強めるために日本の力を弱めようとするだろうし、北朝鮮問題の処理のための日本の選択肢を少なくすることを意味する。
 
私は著者が言うように日本が同盟を破棄することはないし、中国が日本の力をあからさまに弱める政策を取ることはないと思いますが、友愛精神の基づく、東アジア共同体など言っていては、中国の自国の利益優先政策で、結果的には日本の国力が衰える可能性はあると思います。

・二国間でのもう一つの問題点は普天間基地から海兵隊の空軍を沖縄でのより基地の少ない地域に移すことについて、10年間に亙って移転に関する複雑な協定が結ばれた。そして民主党連立政権は基地を沖縄から完全に移すことを目指している。然し米国はこの問題を論ずることには熱心ではない。
 米国の態度から見れば、国外移転はまずないようです。
 沖縄以外の県への移転は鳩山さんの考え方に従えば、移転先の県や地域の選定、そして県民や地域の人達の民意を聞いていてはまた何年かかるか判りません。
 私は一国の首相としては民意を聞くのは良いけれど、それが全ての前提条件とすれば、何事も一歩も進まないと思います。


・他の懸案となっている問題は民主党はインド洋の給油を止めると言っているいま、アフガンに対する日本の貢献の問題と、日米同盟に関して言う時、「対等」とは何を意味するのかについて答えを出すことだ。
 このアフガン問題の解決や米国との対等の外交を進めるには、ネット上に色々の意見に加えて、米国のガセネタで憲法解釈までしてイラクへの自衛隊派遣を決めた反省の上に立ち、日本独自の情報の蒐集解析システムの構築が必要だと思います。

・両国が過去50年に亙ってやってきたように、これからの50年も強く有意義なパートナーシップを築き上げられるようなやり方で、これら2人の行動力のある新しいリーダー達が両国の間のパートナーシップの再構築に焦点を当てて議論して貰うのが私の希望だ。
 
私には鳩山さんに行動力があるとは思えませんが、いずれにしても著者の言葉を借りれば、過去の50年の日米同盟の反省に立って、次の50年への失敗をしないような慎重な対応が必要だと思っています。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
民主党の正体 (Kanpai)
2009-11-10 23:18:21

民主党の正体は、中国共産党の日本支部てある。
このように考えると、成長戦略もないのもよくわかる。民主党は日本を本気で成長させようとは思っていないようである。

博士の独り言
http://specialnotes.blog77.fc2.com/
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Unknown (sys4osbj)
2009-11-10 20:51:08
消去法で普天間は辺野古移設しかないです。

地域住民の声は勿論大事ですが国益全般の立場に立って判断することはもっと大事です。

これはヤンバダムにも言えることですよ
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Unknown (でこ)
2009-11-10 20:46:02
小浜さん国内でも問題抱えてたいへんそう・・・
http://inanna-search.net/index.php?sword=%83I%83o%83%7D%81%40%90V%8C%5E%83C%83%93%83t%83%8B%83G%83%93%83U&cmd=search&cat=link&page=1&sbmt=%8C%9F%8D%F5
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