3月下旬を思わせる暖かい日となった建国記念の日。天気は上々。今年になって初めて墓参りに出かけた。夫婦そろって外に出るのは久しぶり、気分は晴れやか、会話が弾んだ。
お墓は海抜50メートルほどの山の上にある。山の上というより丘の上といった方が適切かもしれない。
バスを降りるとすぐに坪井川にかかる赤い橋を渡る。日本五大稲荷の一つ、高橋稲荷神社に向かう橋だ。コンクリートの護岸の上には白いカモメが数十羽、列をなしての日向ぼっこ。川面には鴨が数羽すいすいと泳いでいる。水面に跳びあがる魚もいる。
熊本の桜の開花は3月25日とあるが、つぼみはまだ小さく小豆ほど、開花には程遠い感がする。墓苑に備えられたバケツと箒をお借りして坂をのぼる。わずかな坂だが体力の衰えた年寄りには少々こたえる。
お 墓を掃除しお花とお線香、お酒を供え、酒好きだった父と優しかった母、昨年亡くなった兄を忍びながら墓参りを終えた。何か肩の荷がおりたようだ。
帰りに蕗の薹(フキノトウ)を見つけた。
赤白まだらになった椿の花が咲いていた。そのつぼみを一枝いただき花瓶に挿した。
(蕾が開いた。花の名は知らない。花の名前、教えていただけないかな。)
駅弁大会が開かれているデパートで、〝福井の焼き鯖寿司”と〝チリワイン”を1本買った。夕ご飯が楽しみだ。
バス停そばの坪井川にカワセミがいた。カワセミを見るのは初めて。あまりに遠く、うまくカメラに収めることができなかった。残念。
バスが、熊本電気鉄道の軌道を渡るとき、沢山の人がカメラを持って立っていた。全国で1番古く1台しかない東急5000系電車(通称青カエル)の最終ランは明後日。最後の写真を撮ろうと待ち構えている人たちだ。東京や横浜、京都など全国各地からとり鉄マニアがたくさんやって来たと夜のニュースが報じた。青カエルのすごい人気は全国区だ。
楽しい1日だった。つぎはどこにしようかと〝うちの奥さま”と顔を見合わせた。