先週の土曜日ですが水谷豊 監督主演の「TAP THE LAST SHOW」をみてきました。
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毎年1年間に見る映画は1本か2本というのに、わずか1週間で「夢二」に続き 2本も! J友さんのTさんから、水谷豊監督が舞台挨拶に来るというので、お誘いを受けました。 元々ミーハーで珍しいもんが好き、誘われたら「行く行く!ナマ水谷豊見たい!」その翌日はジュリーバースデイパーティーでしたが・・。抽選と聞いていたので、落ちるんじゃないかと期待していなかったら、すんなり当選。あら、競争率は高くはなかったのね~(笑)
でもお互いにジュリーファン同士が、なんで水谷豊を見に? 私は元々ダンス映画が大好き、バックステージ物が好き。 誘ってくれたJ友さんの理由はといえば 「昔は、好きな人はジュリー、ショーケン、水谷豊」 だって~ 今もそうですか?時々、ジュリーよりもショーケンの方が上にいた時もあったという、 まさかのショーゲキの告白・・・ ショーケンも好きだったの、知らなんだ。 でも今はジュリーが1番よね。そういえば、ショーケンが歌番組に出るらしいですね。 私は単なるミーハーで~す 上演後の舞台挨拶をお楽しみに、シネコンの席に着いた。
元タップダンサーの渡(水谷豊)はかつて 舞台の事故が原因でダンサーをやめ
今は酒浸りの生活をしている。そこへ、店を閉める前にいい夢を見ようと 岸部一徳演じる、劇場の支配人が話を持ちかける。 一徳さん、サリーの関西弁がゆったりとやわらかく、その茫洋とした存在感 がとてもいい感じです。
真っ赤なアメ車のオープンカーで 水谷豊と一徳さんは町を走る。
沈んだ色合いで登場する東京の古いビルの一室や 東京の雑踏や街角などの映像が、とても素敵。ここはヨーロッパ?と思えるような なスタイリッシュな映像美だった。
最後の夢を咲かそうと、TAPショーのオーディションが始まる。 火花を散らす、オーディションに参加する若者たち。 水谷豊演じる元伝説のタップダンサーは、無表情で激しく折れるほどステッキを打ち鳴らす。
そのTAPダンスに対する厳しさ、ここにいるのは「相棒の右京」さんでは決してない。 全くの別人、右京のかけらは微塵も感じず、すんなりそこに入っていけた。
事故後は死んだように日々を過ごしていたのに TAPに対する 愛情と情熱を蘇らせた主人公のレッスンは苛烈で容赦なく、厳しい。
対して、レッスンを受けるスター候補の若者たちの それまでの 人生が語られてゆく。 この構成はまるで、同じくミュージカルのオーディションを受ける 「コーラスライン」の群像劇みたい。
「コーラスライン」の若者たちの自分語りには、聴く物を圧倒する ヒリヒリするような説得力があった。 が、悲しいかな「TAP」と「コーラスライン」の若者たちの語りとの決定的な違い それは「TAP」の若者たちの人生のエピソードが、あまりにありきたり 陳腐・・
それは脚本のせいか? いや演技力のせいもあると思う。
後から聞けば、演じてる若者たちはTAPダンサーで演技はしたことが なかったという。彼らはいずれも、ハングリーさが滲み出た不屈の 面構えは個性的で良いのだが、いかんせん演技力が足りない・・ 介護や認知症、LGBT、ついでに自閉症?ホストに恋人の妊娠など 現代的な話題をいれとけば、話は何とかなるんじゃないかと 安易な筋書きを描いた脚本がいまいち・・そこに演技力の不足で トホホな二重苦になってしまった。
それはともかく、資金不足で上演は頓挫しそうになりながらも ラストのTAPショーの幕があがる・・
ここからは圧巻のラストショーの幕開けになった。 TAPというと、鋲を打った靴で踊るとしか認識はなかったが 日本の四季を描くTAPショーは 華麗な衣装の数々で 舞台に投影された風景も鮮やかに、優美に始まった。
最初からTAPダンスのイメージ変える、スケールの大きさを 感じる演出で、それは夢まぼろしの如く美しい。 休むことなく繰り広げられるダンスの、何と力強く激しいことか。 爽快といえるダンスの素晴らしさに、それまでの群像劇の陳腐さも薄れた。 24分間のTAPダンスということだったが、もっと長くても 全く飽きない、長くした方がもっと良かったのに。 若者たちの激しく躍動するTAPダンスには魅せられた。
ラストの一徳さんと水谷豊の会話が切なくて哀しい。 ここに彼らのラストの夢が実ったのだ。
上演後にお待ちかねの水谷豊監督の登場です!撮影はOKでした。
でも長くなったので、休憩・・・続く