はまっている本113

　また、三島由紀夫の作品を読んだ。作品名は「愛の渇き」です。
　これは三島由紀夫の「美徳のよろめき」に代表するような中年女性の愛系統の小説で、亡夫の実家で飯盛り女的に暮らす中年未亡人の満たさない愛の苦悩が描かれている。
　ストーリーは明快なのでネタバレなるので詳細は述べられないが三島由紀夫独特の重さがあるが難解さはなくて一気読みしてしまった。敢えてあらすじを述べると亡父の舅の性具、女中として舅の家族と暮らしながら使用人の青年に恋してしまう苦悩の物語で、ラストシーンがバッドエンドに終わるところが「潮騒」などの恋愛小説と異なっている。極論すれば「仮面の告白」的な感じを持つ愛の小説です。