また、夏目漱石の作品を読んだ。「明暗」です。これは彼の未完の作品で、新潮文庫版で本文だけで650ページあまりの長編小説です。主人公は、津田という会社勤めの新婚の男なのだが、妻のお延、妹のお秀、津田の叔父の藤井、お延の伯母の岡本家の家族、津田の会社の上司の吉川家など登場人物が目まぐるしく現れ去っていき、読みこなすのを難解している。最後に昔の恋人の清子との再会で中途半端な結末で終わっている。
これは家族小説なのか男女、兄妹愛憎の恋愛小説なのか主題がわからない、すべての人間関係の理由が中途半端な何とも消化不良の作品としか言えないです。
これでひと通り夏目漱石の作品を完読したが、どの作品も自分視点で書かれていて読者無視の構成になっていた。読みこなせる読者だけついて来いと言う感じです。これが「吾輩は猫である」と「こころ」だけしか夏目漱石の代表作品としか取り上げられない所以でしょう。
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