1980年代のUKミュージックシーン。個性的なアーティストが次から次に現れ(ては消え?)、カラフルで刺激的な、まさに洋楽「黄金期」といえる時代だと思います。
でも当時はまだベルリンの壁もあったし、米ソ冷戦時代の真っただ中。一発触発で起こりかねない第三次世界大戦(=核戦争)や政治不安、社会状況はかなり緊迫していました。
「戦争」をテーマにした楽曲も多く、ポップでキャッチーな曲調と反社会的でシニカルな歌詞とのギャップに驚いたものです。
そんな中、ストレートでわかりやすかったのがこちら。
米大統領レーガンとソ連書記長チェルネンコが土俵で取っ組み合いのバトルを繰り広げるMVも衝撃的でした。
■Two Tribes 歌詞は
こちら
トゥ・トライブス
“空襲警報はこの音です
警報が聞こえたら
家族を連れてすみやかに避難してください”
それじゃ始めよう
2つの部族が戦っても
得られる得点は1ポイントだけ
カウボーイNo.1
生まれ変わった貧乏人の息子
エア・アメリカに乗り
ヴァン・ヒューゼンのシャツのモデルになり
石油のために働いている…
そうさ
2つの部族が戦っても
得られる得点は1ポイントだけ
石油のために働いている…
制御スイッチを切れ
切って感じるんだ
俺は愛し続ける
いい時代を取り戻すため
さあ船出だ
石油のために働いている…
世界に勝利を宣言しろ
愛と命、愛と命
俺の声を聞け あとに続け
2つの部族が戦っても
得られる得点は1ポイントだけ
俺たちは2つの部族を手に入れた
爆弾も
もう恐れるものはない
この世はセックスと恐怖が新たな神となるのか?
2つの部族が戦っても
得られる得点は1ポイントだけ
Frankie Goes To Hollywood
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全米ではMVが放映禁止を喰らったこともあり、セールスも43位が最高だったと記憶しています。一方全英では9週連続No.1という快挙を達成、この記録は80年代のUK音楽史上トップだそうです。
曲中何度も繰り返される「2つの部族が戦っても得られる得点は1ポイントだけ」とは「アメリカとソ連が戦争すれば核ミサイルのボタン1つで世界は崩壊」という意味だと解釈しました。